晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

鳥見的遠征記② 戸隠自然植物園 2006.05.14

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幸せの青い鳥 コルリ

 

<コース>
戸隠キャンプ場~戸隠森林植物園~鏡池信越自動車道~中央自動車道~名古屋

 

 4時起床。窓の外はもう明るい。シュラフをたたみ、バンガローの外に起きだすとキャンプ場はまだ静寂に包まれている。しかし、静かなのは人間だけ。樹上では鳥達が早くもさえずりはじめている。

 

 まだ寝ぼけている顔を洗い、出発の準備をしている間にも鳥達の合唱は瞬く間に広がり、話し声も聞こえないくらいになる(チョットオーバー)。

 

 メンバー達もゴソゴソと起き出している。お湯を沸かしてお茶を飲んだ後、本遠征の目玉である鳥見の聖地「戸隠森林植物園」に向う。
 

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キャンプ場の夜明け

 

 森林植物園の駐車場には5時前だというのに早くも人影が見える。双眼鏡を首から下げ、三脚とバスーカ砲のような望遠レンズつきカメラを持ったバードウォチャー達だ。(さすがに朝早い)。

 

 駐車場にも数羽の小鳥がいたが、suzuka birdさんはそんなのにかまっている暇は無いと、植物園の中に仲間達を誘導する。
 

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太陽の下、足取りも軽い

 

 植物園といっても温室があるわけではない。湿地に浮かぶ森の中に木道がまわしてある。周りから多くの鳥の鳴き声が聞こえるが姿は見えない。周りの木は見上げるほど背が高く、鳥を探してずっと上を見ていると首が痛くなってくる。鳥見は集中力と視力と根気が必要だ。

 

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この中から小鳥を探します

 

 鳴き声を頼りに目を凝らしながら鳥を探す。動いてくれるとこっちのもの、双眼鏡でじっくり観察する(でもこれがなかなか難しい)。

 

 慣れてくるとスコープを取り出し、鳥にあわせてセットする。確実に捉えると視界いっぱいに小鳥が愛らしい姿を見せてくれる。さえずりと共にくちばしが動くのが面白い。

 

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鳥見の風景
 
 ここでは鳥達が本当に間近に来るので写真に撮りたくなる。しかし、普通のカメラでは全くだめなことに気づく。(下の写真)

 

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アカハラ、普通に撮影(全然だめ)

 

 そこで、スコープに映った象を撮ってみる。これが更に難しい。アオジを何とか撮ったが、枝にさえぎられ、おまけにお腹しか見えない。

 

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アオジ、スコープ写真に挑戦(難しい・・)

 

 湿地の上の木道を離れ、森の中に入ると地面にむかってカメラを向けている人がいる。その先を見るとコルリがエサを探している。

 

 このコルリは戸隠の鳥らしく、実にサービス満点で十数分にわたり、かわいい姿を見せてくれた。背中の青がまさに瑠璃の色だ。

 

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コルリ①サービス満点

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コルリ②(ちょいとピンボケ)

 

 気がつくと一羽のコルリの周りに自分達を含めて十人近い人間が息を潜め、カメラや双眼鏡をむけている。離れて見ると、さしずめ何かの撮影会のようで面白い。

 

 充分にコルリを堪能した後、近くのみどり池まで足を延ばす。既に時間は人が普通に活動する時間になってきた。あたりには普通の観光客と鳥見人の割合が半々くらいになってくる。

 

 今度は仲間達が啄木鳥の一種、コゲラが巣を作っているのを見つけた。テレビや図鑑で見る啄木鳥そのものだ。

 

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コゲラ まさに啄木鳥

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みどり池と戸隠連山

 

 ずいぶん楽しんだナーと思って時計をみると、まだ10時過ぎだった。疲労もずいぶん溜まってきたし、おまけに眠い。そこで、少し早い昼食をと言うことで蕎麦屋に向う。途中の駐車場ではキクザキイチゲカタクリが花を咲かせていた。

 

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カタクリ

 

 蕎麦屋では再び「ざる大盛」。お腹がいっぱいになると急激に眠たくなってきた。昼食後は鏡池に移動し再び散策タイムとなるが、さすがに少し眠っておかないと帰りの運転がきつい。昨日の雨にうたれて、妻もグロッキー気味なので、まだまだ元気な仲間達と別れ、鏡池のほとりでお昼寝タイムにする。

 

 鏡池では、青空に戸隠連山が映え、いつも(鈴鹿)とは違った景色をみせてくれる。幾人もの人がスケッチをしていた。いい雰囲気。

 

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お昼ね・・・

 

 芝生の上でうたた寝していると風が冷たくなってきたので車に戻る。仲間を待つ間、車の中で少し眠り、後は本を読む。なんだか帰りたくなくなってきた。

 

 仲間達が戻ってきたので帰り支度にとりかかる。そう、これから5時間の帰路が待っているのだ。名残を惜しんで皆で記念撮影。

 

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記念撮影

 

 帰りは長野市内を通過し、信越自動車道~中央自動車道を乗り継ぎ名古屋まで5時間。帰りはアルプスの山々に映る夕焼けを眺めての帰路になる。

 

 中央自動車道、最後のPAで仲間と別れる。長距離運転と睡眠不足、おまけに雨まで降ったが、それでもお釣が来るほど貴重な体験をした遠征だった。

 

 小鳥達の愛らしい姿とさえずりは明日からの活力の源になってくれるだろう、と思いつつ、同行してくれた素晴らしい仲間達に感謝するのであった。