槍ヶ岳と御来光
<メンバー>
サークル
<山域>
<コース>
前夜は早く寝たせいか、夜明け前に自然と目が覚めた。窓を見るとどんよりと曇っているので、もう一度寝直そうと思った。しかし、よく見ると曇っているように見えたのは窓が結露していた為で、外は薄っすらと明るくなり始めていた。
急いで身支度をし、カメラを持って外に出る。正確な日の出の位置が分からないので、どこでカメラを構えようか右往左往する。ちょうど東に槍の穂先があるので、重なったら台無しだなーなどと考えていると、空が燃える様に真っ赤な色に染まり始めた。
お、こんなのは初めてだ・・。
やがて、槍の穂先の右側から真っ赤に輝く太陽が登り始めた。思わず手を合わしてしまう程の荘厳な光景。御来光とはよく言ったものだ。
槍の横から朝日が昇る
こんな光景に出会えるなんて
縦アングルで
ひとしきり写真を撮った後、辺りを見渡して驚いた。一面が朝日を受けて真っ赤に染まっている。これがモルゲンロートというやつか。
岩の上で構えるカメラマンたち、雪の斜面が染まる大喰岳、子槍とその向こうの山々、西鎌尾根から北に伸びる北アルプスの山達、全てが赤く染まり、全てが息を呑むほどに美しい・・。こんな光景に出会えて本当にラッキーだ。
赤く染まる大喰岳
子槍の向こうは白馬?
西鎌尾根のモルゲンロート
感動的な朝焼けショーが終わっても朝食までは少し間があるので、再び布団に潜り込んでしまった。いやはや何とも贅沢な山行だ。
6時の朝食も美味しくいただき、出発の準備。ザックを背負い、槍沢のカールに飛びこむ頃には空には薄く雲がかかり、一面灰色の景色に変わってしまった。雨が降り出す前に急がなくてはいけない。
槍ヶ岳を振り返る
結構急だなー
登りはあれほどきつかった雪渓だが、下りは実に快適。シリセード、グリセードを交えながらどんどん下って行く。傾斜が緩くなり、雪解けの水の音が聞こえだすとあちこちにクレバスが走っている。なんともアルプスらしい?光景だ。
雪渓がすっかりなくなり、轟音を立てて流れる川の横を歩くようになると、ババ平のテン場、槍沢ロッジを通過する。いつの間にか周りは大木の樹林に囲まれ、山から下りてきた雰囲気になる。
川沿いの道をテクテクと
一の俣を過ぎる頃に雨がぽつぽつ降ってきた。美しい日の出を眺めてからまだ5時間もたっていない。今回は本当に幸運だった。道はほとんど平坦になっており、合羽を着こんでも歩くのはそれほど苦にならない。槍見河原で槍ヶ岳の見納めをする。
徳沢園で昼食をとり、上高地を目指す。明神池が近づいてくると、山装備で無い人たちが笠を持って歩いて来るのとすれ違う。おなじバッチをつけているところからすると観光バスのツアーの人たちだ。もうすぐ上高地も近い。
なんだかあたりが騒がしくなり始めたなと思うと、もうそこは上高地だった。梅雨の時期とは思えない多くの人たちでごった返し、合羽を着込み、ずぶぬれの私達はほんの少数派で奇異の目で見られているようだ。それでも、お約束どおり合羽橋で記念撮影。
ようやくゴール。
ようやくゴール。
河童橋の合羽軍団
雨でも大混雑の上高地を後に
高山で肉好きメンバーの提案で飛騨牛を食べる。うーん、ますますリッチ(懐は寒くなってきた)。
あとは、ひたすら高速道路を走り、一の宮へ向かう。一宮出発後、48時間以内には帰ってこれた。
今回の山行は、出発と共に雨が止み、降りてきたとたんに雨が降り出した。天候の面ではピンポイントのタイミングで歩けたのではないか。
初めての槍ヶ岳でこんな又と無い幸運に恵まれた。またまた仲間達と山の神様に感謝しなければいけない。みんなありがとう!!。