初夏を探しに 竜ヶ岳 2006.05.21
竜ヶ岳
<メンバー>
単独
<山域>
<コース>
石グレ峠~竜ヶ岳~ホタガ谷分岐~静ヶ岳~(ピストン)
まだ5月だというのに梅雨のような天気が続く・・。別に出かけるわけでも無いので雨でもいいのだが、なんとなく気分が滅入る。
そう思っていると日曜日は久しぶりの快晴!こんな日に山に行かない手は無いが、悔しいことに午前中は会社の行事が入っている。一日フルはあきらめて昼からの半日山行に行くことにする。
時間が無いので短い行程は・・、竜ヶ岳にシロヤシオの偵察に行こう。毎年この時期の竜ヶ岳は笹原にシロヤシオ白い花が浮かび上がり、牧場に羊の群れがいるような見事な景色を見せてくれる。今年は花の開花が1週間~2週間ほど遅れているが、兆しはあるのか?それを確かめるのだ。石グレ峠から上がれば山頂でのんびりできるだろう。
そう考えて、国道421号線を西へ向かう。宇賀渓を通過し、くねくねの酷道をエンジンをうならせながら上がって行く。悪名高いコンクリートの門柱を過ぎると石グレ峠だが、車がぎっしり並んでいる。わずかな隙間を見つけて駐車する。
石グレ峠は大混雑
石グレ峠は大混雑
さっそく尾根に取り付くが、いきなりの急登に体がついてこない。いつもなら下から登ってくるので何でも無い登りだが、今日はきつい。ゼーゼーハーハー言いながら懸命に体を持ち上げる。既に正午を過ぎているので下山グループとひっきり無しにすれ違う。
石グレ峠からの急登は緑の壁
息が続かないので途中で何度も何度も振り返る。南を見れば、三池岳から釈迦ヶ岳方面への稜線が緑色に染まって、空にせり上がっている。重ね岩では風が気持ちよく、しばし休憩をする。
三池岳から釈迦ヶ岳方面遠望
重ね岩
やっとの事で「肩」の部分に這い上がる。ここからはなだらかな稜線歩きで直ぐに山頂だ。日差しを遮るものの無い稜線は暑い。それに虫がたくさん飛んでいる。鈴鹿ももう夏の気配だ。北の御池岳もすっかり緑に包まれている。
御池岳も緑に包まれている
山頂では多くの人が景色を楽しんでいた。久しぶりの好天に誘われ、山に繰り出した人も多いのだろう。頂を越え、ホタガ谷方面を見下ろせばシロヤシオが咲き乱れているはずだ。
が、目の前に広がる景色にシロヤシオの白は全く無い・・。少しくらいは咲いているかと期待していたのが甘かった。この調子だと開花は10日から2週間後か、それとも今年は咲かないのか。
山頂よりホタガ谷方面(シロヤシオは全く咲いていない)
景色を楽しむのはあきらめなくてはいけない。まだ1時間と少ししか歩いていないので静ヶ岳まで足を延ばす事にする。実は県境縦走路のうち、治田峠からホタガ谷分岐が未踏区間で残っている。さすがにヒルの気配があるので治田峠にまで行くのはきついが静ヶ岳なら大丈夫だろう。
分岐からの稜線は新緑に包まれ、鳥のさえずりがにぎやかだ。ここはあまり人が来ないので静かに歩く事ができる。途中、尾根上に池があった。
新緑の中を歩く
ひっそりと佇む池
静ヶ岳へは一旦100mほど下って上り返しがある。途中の尾根ではイワカガミがこれから盛りを迎えようとしていた。
イワカガミ
尾根はイワカガミの回廊
静ヶ岳山頂へは思ったより早く着いた。ここでしばらくのんびりしようと思ったが、立ち止まると無数の虫が寄ってくる。虫除けスプレーを振りまいたが不快であることには変わりない。早々に立ち去ることにする。
竜ヶ岳の稜線を滋賀県側から望む
再びホタガ谷分岐へ戻ってくる。既に夕方近くになっているので人影は見えない。若干傾いた日差しの中に竜ヶ岳が美しい曲線を見せている。笹を分け、山頂に伸びる登山道が空に登って行く竜のようだ。
右を見ると今歩いてきた静ヶ岳が見える。
右を見ると今歩いてきた静ヶ岳が見える。
竜ヶ岳
静ヶ岳
静かな笹原を歩くと直ぐに石グレ峠への急降下の道になる。滑りやすい割り堀の道を気をつけて下って行く。登りに息を切らした急登だが、下りは重力にまかせてグングンスピードを上げる。あっという間に峠に着く。
石グレ峠へ急降下
車につくと歩き始めて3時間半だった。半日山行としては丁度良い時間だ。目当てのものは空振りに終わったが、やはり1週間に一度は山で思いっきり汗を流し、日頃の悪い物を流してしまう必要がある。ラジオをつけると阪神が優位に試合を進めている。今日は良い一日になりそうだ。