晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

セルフレスキュー訓練 2018.10.28

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人一人運ぶって大変だね


<メンバー>
サークル 23人

<山域、形態>
鈴鹿、訓練

<コース>
朝明P(7:30)~中峠(9:20)~通報訓練・ファストエイド訓練(9:30~12:30)
~搬送訓練~金山(13:10)~羽鳥峰峠(13:50)~朝明P(14:50)

<天気>
快晴

 今年は沢で負傷者を出し、会山行で無いながらも会員から事故死者も出た。自分達がやっている登山という遊びは非常に危険だという認識のもと、自分達の身は自分達で守る技術を身に着けようという事で、セルフレスキュー訓練を企画する。参加メンバーは23人とほぼ会員の半数が参加してくれた。

 今回はより実際に近い形で事故(負傷者)発生から救助要請、自力下山の試みまでを体験する事に主眼を置いて計画する。

 まず、通常のハイキングを行っているつもりで中峠に向かう。この時、常に地形図で現在地確認を行う事の重要性を説明する。天気は快晴で訓練するには何だかもったいない天気。

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中峠へ

 中峠から金山方面に少し進んだ所で事故発生したと想定する。ここなら地形も安定しているし、携帯電話もつながりそうだ。

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どの辺がいいかなあ

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町も良く見えているので電波も届くだろう

 まずは通報(救助要請)訓練。下界で待機してくれているメンバーを警察役にして実際に事故の状況、救助の要請を行う。パーティーの現在位置、負傷者の状況を電話で相手に伝えるにはどうしたらいいのか。ここはしっかり事前準備してくれていたのでみんなスムーズに出来た。

 次は応急処置。現役の看護師のメンバーに指導を受けながら、傷口の洗浄、止血の方法、捻挫、骨折時の固定方法などを実際に試してみる。

 ファストエイドキットにどのようなものが必要かみんなで意見交換。その中でも牛乳パックは固定の補助として有効で、着火剤の代わりもなるのでみんな持ち歩こうという話になった。

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傷口の洗浄は真水で

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足首の固定、靴を脱いでテーピングバージョン

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靴を履いたまま牛乳パックを使って

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ストックを分解して

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手首の固定を牛乳パックを使って

 次は搬送訓練。負傷したメンバーをヘリが近づける場所まで移送するという想定。まずはザック担架を作って実際に運んでみる。完全に歩けない(起き上がれない)場合はこの方法しかないが、足場の悪い登山道では運ぶ方に相当な技量が必要な事が良く分かった。

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なかなか厳しいね

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少しの段差でもう大変

 最後はザック搬送。ザックを利用して背負うやり方だが、負傷者を運ぶにはこれが一番有効の様な気がする。ただ、どんなに重いザックでもせいぜい30kg程度。これに対してどんなに軽い女性でも40kgはあると考えると、自力歩行が出来なくなる事態は絶対に避けたい所。

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ザック搬送、前後のサポートが重要

 じっくり訓練したので朝明まで搬送するには時間切れになってしまった。でも人一人運ぶのがどれだけ大変か判ってもらえたと思う。

 久しぶりのハト峰で集合写真を撮って、普通に歩いて下山。みんな真剣に取り組んでくれ、いい訓練になったと思う。このような訓練は今後も継続して行っていく事になった。

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集合

 準備に携わってくれた皆さん、参加された皆さん、ありがとうございました。

→参加メンバーの感想 2018.10.28セルフレスキュー訓練