晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

赤岳 厳冬期八ヶ岳をまったりと楽しむ② 2013.02.09-10

横岳、通過したら晴れた・・

 

<メンバー>
サークル 3人
      
<山域、形態>
八ヶ岳、ハイキング(積雪期)

 

<コース>
赤岳展望荘(07:10)~横岳(08:10)~硫黄岳(9:30)~赤岳鉱泉・昼食(10:45~11:15)~美濃戸(12:20)


<1日目の記録>

ikuyayuuki.hatenablog.com

 

 夜は大部屋のようにいびきに悩まされる事も無く、暖か過ぎるほどの布団でぐっすり眠れる事ができたので目覚めもすっきり。朝ごはんもおいしく頂く。(朝食も夕食に劣らず素晴らしい)

 

赤岳展望荘は朝食もおいしい

 

 朝食の時間と日の出の時間が重なるので急いで済ませ、写真撮影。やはり余りにも寒いので少し写真を撮っては小屋に戻り、また写真を撮りに外に出るという感じ。うっすらと明るくなってくる空に浮かび上がる富士山はやっぱりかっこいい。モルゲンロートに染まる赤岳斜面も美しかった。

 

朝の富士山

ピンクに染まる赤岳

 

 写真を撮り終えたら出発の準備。今日はトレースがあるようなら横岳経由で硫黄岳まで行く予定。見ると学生らしいパーティーが横岳方面へ向かっていくので我々も横岳方面へ向かう。さっきまで晴れていたはずなのにガスがかかって風が強い・・。

 

赤岳を振り返る

 

 先行するパーティーは雪の斜面に取りついていたが、人数が多いうえにやけに慎重に登っている。斜面を超えたところで休憩していたので先に行かせてもらう。

 

斜面に取り付く先行パーティー

 

 ナイフリッジに取り付く頃には稜線上は完全にガスの中。視界が良ければ高度感ばっちりだったかもしれないので、ガスっていた方が怖くなくてよかったかも。要所要所には梯子がかかっており、前日のトレースもしっかりあるので横岳までは全く問題ない。

 

ガスってきた・・

ナイフリッジを進む

横岳

 

 出発から1時間で横岳に到着。もう少し手こずるかなと思ったが順調順調。視界は相変わらず悪く、せっかくの稜線歩きも展望がないのでつまらない。

 

展望があったらなあ

 

 横岳山頂から硫黄岳への下りはいやらしい梯子や高度感のある鎖場、キレ落ちた斜面などがあり適度な緊張を楽しめる。これまでの練習が効いているのか、怖いと感じるような個所は無かったように思う。

 

いやらしい梯子

一見怖いけど鎖がしっかりある

これはちょっと嫌だなあ

 

 難所を過ぎて平坦な所で一息つく。振り返るとさっきのいやらしい梯子を追い抜いたパーティーが下っているのが良く見える。ということはガスが晴れてきたんだ~。もう少しゆっくりと歩いていればよかった・・。

 

ガスが晴れてきた

 

 地形は一気に穏やかになるが、その分風が強烈だ。吹き飛ばされそうな風に耐えながら赤岳方面を振り返るとガスが晴れ、真っ青な空に白い姿を浮かび上がらせている。うーん、もう少し朝をゆっくりにしておけばよかったかなあ。

 

いっきに優しい地形に

晴れてきた~、もう少し出発を遅くすればよかったかな

急いで写真を撮らなくっちゃ

 

 硫黄岳への登り返しは強風との戦い。鞍部になっているせいか風がめちゃめちゃ強い。Tやん何かは風に煽られて転倒する始末。何とか硫黄岳に近づと再び辺りがガスに覆われ始めた。

 

硫黄岳への登り返しは強風

飛ばされそう・・

硫黄岳山荘

またガスってきた

 

 ガスの中から人の声が聞こえてきたなと思ったら硫黄岳の山頂だった。出発から2時間20分、予想したよりもずいぶんと早くついてしまった。山頂の標識の前ではびっくりする位の人が写真を撮っていたので、我々も辛抱強く順番を待って写真を撮ってもらった。目出し帽とゴーグルのおかげで誰かわからないけどね。

 

硫黄岳はたくさんの人

ようやく記念撮影

 

 頂上部でガスが晴れるのを待っていたが、晴れそうでなかなか晴れな状態が続く。しびれを切らせて赤岩の頭方面へ下り始めたらようやくガスが晴れ、赤岳~横岳~硫黄岳のパノラマが目の前に広がった。去年、仕事の関係で硫黄岳に来れなかったD君もこれでようやく心残りがなくなったようだ。

 

赤岩の頭方面へ下っていく

やっとガスが晴れた1(パノラマ)

やっとガスが晴れた2(パノラマ)

 

 赤岩の頭からはトレースが縦横についた斜面を一気にくだって赤岳鉱泉まで。アイスキャンディー横の休憩所で簡単な昼食を済ませたら、あとは北沢をたどって美濃戸まで。トレースのしっかりついた下り道はとても快適で、赤岳鉱泉から美濃戸までは1時間少しで歩くことができた。

 

赤岳鉱泉もたくさんのテント

アイスキャンディー

 

 2年越しの厳冬期赤岳は、横岳縦走のおまけもついて思いの他あっさりと終ってしまった。天候にも概ね恵まれ、小屋も快適、適度な緊張も味わえたコースで山行としては申し分ない感じだった。ただ、これ以上のレベルを目指すとなると、極寒のテント泊やもっとシビアなアイゼンワーク、ロープワークが求められるだろう。これ位のレベルが丁度いいね、というのが、今回山行が終わったばかりの三人の共通した意見だった。

 

終わり