八ヶ岳 阿弥陀岳 南稜 2023.01.28
冬バリは厳しい~
<メンバー>
鈴鹿ハイキング倶楽部 4名
<山域・形態>
八ヶ岳・積雪期登山
<コース>
船山十字路(7:00)~立場岳(10:10)~青ナギ(10:35)~無名峰(11:50)~P3ルンゼ(12:50~14:20)~阿弥陀岳(14:55)~御小屋尾根~御小屋山(18:00)~船山十字路(19:15)
八ヶ岳のバリエーションに行きたいメンバーがいるので、まずは初級コースで慣れておこうと阿弥陀岳南稜を計画します。
この冬の目標に向け、幕営装備で厳しい登りをこなせるようにと1泊2日で考えていましたが、気温-20℃に加え、日曜日は風速20m/sのハードコンディション。ロープワークにもたつく事が予想されたので、まだ風がましな土曜日に日帰りで抜けてしまう事に。
ロクに眠らずに愛知を出発したにも関わらず、中央自動車道が何故か渋滞しており船山十字路出発が7:00になってしまいました。これは下山はヘッデンだなあ・・。
出発時点の気温は-10℃。息を吸うと鼻毛が凍って鼻の奥がチリチリします。うーん、厳冬期の八ヶ岳。
林道を少し歩いて南稜尾根に取り付きます。寒波のおかげで雪はしっかりと積もっていて、チェーンスパイクではなかなか厳しい登りになりました。尾根に出たところで下から上がって来たトレースに合流、これでラッセルは回避されそうでホッとします。立場岳の辺りはキノコ山なのか世知辛い看板がたくさんありました。
立場岳から少し下ると青なぎ、久しぶりに視界が開けます。泊まりの場合はここから無名峰の辺りが幕場になるそうです。
青なぎからは再び樹林帯の登り。いい加減飽きてきたころにやっと無名峰にやってきました。ここから核心部に入って行くので腹ごしらえをしてピッケルに換装します。
ルートは痩せ尾根になり、雪庇も出て来たので慎重に歩きます。幸い先行者のトレースがあるので、ラッセルせずに済みました。P1はいつの間にか通り抜け、P2も左から巻きます。この辺りからガスってきて何やら不穏な雰囲気。
トラバースを進みながらP3ルンゼの入口を探ります。私以外の3人は夏に来た事があるはずなのに記憶が怪しいみたい。風も段々強くなってきました。
微妙なトラバースラインを少し下るとネットでよく見るダルダルのワイヤーがありました。ここがP3ルンゼの取り付きのようです。ルンゼを除いてみるとフリーで登れそうな感じでしたが、初見という事もありロープを出して登る事にします。
ルンゼの中は少しの雪と氷。アイゼンもしっかり決まり、ダブルアックスもサクッと刺さるので登るのに難しさはありませんが、それなりの急傾斜。登っている最中に足が攣りそうになって焦ります。途中、リングボルトを見つけましたが早く抜けたかったのでもう一つ上までと思ったのが失敗でした。
無線からはロープいっぱいのコール。当てにしていた支点(ボルト)は数メートル上にあります。仕方がないので足場を固め、アックスをぶっさしてビレイ解除のコール。少し登ってきてもらい、その間に支点まで登る事が出来ました。ふう。
極寒で悴む手でビレイ体制を作りすぎちゃんを迎えます。ツルベで登って行って欲しかったですが、ふくらはぎがヤバいとのことなので、2ピッチ目も再びリード。ここは凍った草付きで灌木もあったので簡単に登る事が出来ました。稜線で4人全員がそろうのにずいぶんと待ちました。
結局ルンゼを抜けるのに1.5時間かかってしまいました。4人そろったところで再び尾根を登って行きます。
核心を越えるとガスが急に晴れてきました(今までのは何だったんだろう)。P4のいやらしいトラバースをこなし、小さいルンゼを登ると阿弥陀岳の頂上に飛び出しました。
時間は既に15時を回っています。記念撮影をしたらすぐに御小屋尾根を下って行きます。樹林帯まで下った所で長い下山に備え大休止。
参加の皆さん、ありがとうございました。