御池の遭難を考える
2月12日に御池岳で行方不明になったNさんは未だ見つかっていないようです。
19日は100人規模で捜索が行われたようですが・・。
自分なりにこれまでの情報を元に遭難の状況を考えてみたいと思います。
(1)これまで判っている事
①遭難者のプロフィール
登山歴3年。残された記録を見る限り勉強熱心で装備は充実。GPS、ビーコン、ゾンデも装備。
この冬も西穂山荘でテント泊の練習、御池も鞍掛峠経由で予行演習
ロープワークの講習会にも参加されていたようです。
②11日の足取り
テーブルランドのどこかで幕営。
③12日の行動
朝、6:30頃、家族に今から下山するとメールをして以降、行方不明。
④天候
(2)遭難者の行動推定
①幕営地
15時に丸山の手前まで来ていたのなら頂上台地でテントを張るだろう。
ネットで情報を集めていたのであればボタンブチ近辺が可能性が高い。
・もっともポピュラーなコース。
・ボタンブチは春に断念している。
・出発時に携帯圏内にいたのであれば、テーブルの西縁に近い。
②下山ルート
一人でのテント泊。朝から降雪で風も強いのであれば即座に撤退したいと考えると思います。
下山ルートの候補としては
a)日本庭園から鈴北、鞍掛峠経由、R306
→1月の偵察コース。既知のルート。
b)カタクリ峠まで戻りコグルミ谷右岸尾根、R306
→安全地帯までの最短、前日の右岸尾根から上がってきているトレースを見ています。
ネット上でも見かけるポ ピュラーなルートなので事前の予定コースにしていた可能性あり。
→往路、既知のルート。
が考えられる。
③危険箇所
a)ボタンブチからテーブルの西淵に沿って北上した場合、滋賀県側の斜面は急で滑落の場合、怪我では済まない場合があります。
b)雪でトレースの消えた初見の尾根下りの場合、支尾根に紛れ込んで谷に迷い込んだ可能性有。その場合は、コグルミ谷の左俣(登山口からすぐの左俣、もしくは長命水の上の谷)か、犬返し谷が怪しい。
また、奥の平を散策してから帰ろうとした場合、P1241の手前でトラバースに入り、真の谷に降りてしまった可能性も否定できません。その場合、地形図の破線を目指して真の谷を下るといやらしい滝場があります。
c)風が強い中、稜線歩きを続けるとは思えないので可能性は低いと考えます。
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以上はあくまでも個人的な想像の世界であり、私だったらこのように行動するだろうという視点で考えたものです。既に捜索されているエリアもあると思いますが、もし、今後、御池岳へ入られる方の参考になればと思います。
私もタイミングが合えばいずれ出かけてみようと考えています。