晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

藤内沢から御在所 吹雪のラッセル地獄 2012.01.07

やっと辿り着いた樹氷・・・

 

<メンバー>
山仲間(2人)
      
<山域、形態>
鈴鹿、バリエーション

 

<コース>
鈴鹿スカイライン(9:15)~藤内小屋(10:00)~藤内沢出合い(10:50)~コーモリ滝(11:20)~3ルンゼ(14:10)~御在所山上公園(14:20~14:50)~中道~鈴鹿スカイライン(16:15)
 
 月明けの三連休だが、休み中に体力とお金を使い果たしてしまったので遠征は無し、
近場の鈴鹿で雪を楽しむ事にする。丁度三連休中日の日曜日に御在所本谷で山行を予定しているので、雪の様子の偵察を兼ねて藤内沢へ出撃する。

 

 2日前の木曜日に雪が降った所なのでラッセルは必至。少しでも楽をしようと思い少し遅めのスタートとする。鈴鹿スカイラインには10cm程度の新雪が積もっている。

 

 

 蒼滝トンネルを潜り裏道から登山道に入る。工事もしていないので大堰堤の間を通り抜けるルートにしっかりとトレースができている。こっちの方が楽ちん。2日前に降っているのだが、さすが裏道だけあって登山道にはしっかりとトレースが付いている。藤内小屋までは楽勝。

 

大堰堤の中を通る

四の渡し

藤内小屋

気温は0℃

 

 藤内小屋を過ぎるとガスが降りてきた。こりゃ寒くなりそうだと思いながらゆっくりと登っていく。こんな天気だが登山者はけっこういるようで我々の前後にも歩いている人が見える。

 

雪の北谷

前尾根が見えてきた

 

 出発から1時間半と少しで藤内沢出合いに到着。丁度二人組が準備を終えて入って行く所だ。見るとトレースはあり他にも先行者がいるようだ。我々もアイゼン、ハーネスをつけていざ出陣。

 

藤内沢出合い(トレース確認)

 

 雪は新雪のフカフカでトレースもしっかりと踏み込まないと崩れてしまいそう。藤内滝を左から巻き、トラバース道からチムニー状の岩壁を這い上がり滝上に出るとフランケの氷柱が見える。

 

ミニルンゼを登る

フランケの氷柱

 

 藤内滝上の急斜面もトレースに沿って登れば楽勝。コーモリ滝も積雪が多いせいかピッケル1本で簡単に上がる事ができた。Eちゃんが登ってくるのを待ちさあ、進もうとして愕然。先行パーティーが目の前でラッセルしているのだ。もう少し楽できると踏んでいたのだが仕方がない。ラッセル列の後ろに着く事にする。

 

藤内滝の上を登る

コーモリ滝下は雪でラクラク

ラッセルの先頭がいた!

 

 先行者は男女ペアの2パーティー4人。我々の前を歩いていたアイスクライミングに来たという二人パーティーは左の奥又の方に離脱したのでラッセル要員は4人になってしまった。

 積雪量は概ね腰程度だが、傾斜が増してくると雪面が胸から首の辺りになってしまう。ピッケルで目の前の雪壁を足元に崩し、膝で踏んで足場を固め、そこに足を乗せてようやく1歩という三段攻撃を必要とする。
 スピードは順番待ちの行列並みで後続はさぞかし寒い思いをしているだろうなあ、とは思いながらも先頭は必死である。大体15分(実際はもっと短い?)でダウン。先頭を変わってもらう。

 

激闘が続く

 

 先行されていたお二人は藤内沢出合いからずーっとこの調子だったようでもうへとへとのご様子、12時を過ぎた所で引き返していかれた。(ここまでありがとうございました)

 

引き返す今日の先頭だった二人組(お疲れ様でした)

 

 ここから先はEちゃんと2人でがんばらないといけないなあと思っていたら後続から単独の男性が追いついてきたので3人体制でラッセルする事になる。屈強な男性は流石に強力でぐいぐいと高度を稼いでくれる。

 

3人でガンバル

 

 時間は12時をとうに過ぎてお腹が減ってきた。ただ谷の中でさえ強風が吹き荒れとてもゆっくりとご飯を食べている状況ではない。なんとか風をよけられそうな潅木の傍でアンパンをかじってテルモスのお湯を飲む。

 エネルギー補給をして再出発。またまたラッセル地獄~と思っていたら目の前に雪の少ない支谷が目に入ったので詰めてみることにする。しかし、上部は傾斜がきつく氷が張っておりアイスクライミングを強いられそう。尾根に取り付こうとするも強風に煽られるとやばいので仕方なく元のルートに戻る。

 

見ていると近いんだけど・・

まるでもがいているだけ

 

 覚悟を決めて再びラッセル。3人交代で黙々と進んでいくと、ようやく3ルンゼの氷壁の前に到着。きれいな樹氷に最後の元気をもらって山上公園まで這い上がるとさっきまでの吹雪が嘘のような青空が広がっていた。時間は14時半。

 

やっと3ルンゼに入った

この天気ではさすがにいないか

これを登れば遊歩道

霧氷が美しい

今までが嘘のような青空

 

 二人ともすっかり消耗してしまい、足が攣り始めたので芍薬甘草湯とアミノバイタルでドーピングをする。丁度本谷から上がってきた登山者がいたので状況を聞くと、藤内沢と似たり寄ったりの状況だったようだ。でもこれで明日はトレースがある事が確認できたので今日の山行の目的は達成できた。

 

本谷(トレースあり)

 

 下山は最短で下れる中道。流石にトレースはしっかり、雪も豊富だったので最後までアイゼンを外さずに下る事ができた。

 

地蔵岩

 

 今年3回目の山行にして久しぶりの激ラッセルになったが、トレーニングの成果もあってまずまずの登りが出来たように思う。今年は少し高い雪山にも挑戦したいけど、どこまでいけるかなあ。

 

 Eちゃん、そしてラッセルをしてくれた皆様ありがとうございました。