晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

鈴鹿 矢原川中俣  春風そよぐ山桜の谷 2011.04.29 晴れ

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シャワーが気持ちのいい?季節になりました

 

<メンバー>
山仲間(2名)
      
<山域>

 

<コース>
坂本~矢原川~中俣~仙鶏尾根~P778~坂本

 

 GW第一弾は鈴鹿沢登り、コースはI君ご要望の矢原川中俣にする。仙ヶ岳と野登山を源とするこの谷は鈴鹿最大の落差を誇る下不動滝を有する本谷(左俣)がメジャーだが、中俣も遡行記録は少ないながらもそこそこに楽しめる谷だという。
 
 高速の渋滞につかまってしまい、予定より少し遅れて坂本集落に到着。すぐに出発の準備に取り掛かる。坂本棚田では田んぼに水が張られちょうど田植えの真っ最中だ。

 

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水が張られた坂本の棚田


 いつものように林道を30分ほど歩き、地形図で茶畑マークのあるところから入渓する。見落としてしまいそうな右俣を見送り、次の分岐で中俣を選択する。最初は倒木の多いゴーロをひたすら歩いて行く。
足元に目をやれば桜の花びらが流れに乗ってくるくると回っている、見上げれば満開の山桜だ。

 

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新緑の谷

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最初は倒木が多い・・

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見上げると山桜が満開

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桜の花びらが散る


 やがてナメが現れると渓相も穏やかになってきて俄然楽しくなってくる。倒木の架かる6m斜瀑は右から越え、続いて現れる2段6m、5mも直登。

 

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ナメが現れる

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6m斜瀑

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右から突破のI君

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2段6m直登

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5m

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これも右から突破


 滝を越えてふと釜の中に目をやると何だか大きな物が沈んでいる。いっしゅん仏さんかと思ってドキっとしたが、鹿のムクロだった。今年は大雪で谷中でけっこう鹿が死んでいると聞いたがやっぱり。気を取り直し、廊下を進むと奥に3m、そして8mの立派な滝が現れる。この8mは右から巻き。

 

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鹿のムクロ(一瞬ドキッ)

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この廊下の向こうに

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3mとその奥に8m

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8m右から巻き


 一旦廊下が終わると左から立派な滝が流れ込んでくる。この谷は両壁が立っていて大抵の支流は滝となって流れ込んできている。

 

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滝になって流れ込む支流


 しばらくすると二つ目の廊下が現れ、8m滝が行く手をふさぐ。ここはI君が右から直登り。スタンスが細かいようで中段から上では少しだけ手こずる。その上の6mは私がロープを引っ張って登る。

 

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第2廊下の入り口8m

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突破するI君

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その上の6mは私がリード


 第2廊下が終わるとしばらくゴーロ。そしてこの谷最大の2段20mが現れる。これは到底無理なので左側のルンゼから巻く。

 

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2段20m左巻き


 標高580m辺りの二股で左を選択。右はすぐに稜線に上がれそうだが、左にはまだ斜瀑がかかりもう少し楽しめそうだ。

 

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Ca580mの分岐、左に入る

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ナメがある


 斜瀑を越えるとどんつきになり、右に20mの滝が流れ込みその奥には15mの滝。沢ナビではここから右岸の尾根に逃げているが、I君は20mからトライしたい様子。それならばとI君にリードを任せる。

 

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20m(これを登った)

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その奥の15m


 しかし取り付いてみて思ったより悪いのに気がついた。ホールド、スタンスが豊富なように見えたのだが、岩質が脆くてボロボロ、浮石も多く、落石を避けるために大きく逃げながらのビレイになった。I君が何とかクリアして私も続く。中段のテラスからは右の樹林をモンキーで登り、何とか安全地帯へ。


 もうひとつ滝を越えると流れも僅かになり源流の雰囲気。適当に尾根に取り付くとあっという間に仙鶏尾根に出た。

 

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アカヤシオ咲く仙鶏尾根1

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アカヤシオ咲く仙鶏尾根2


 尾根で昼食を摂って下山にかかる。下山はP788から伸びる点線のルートを辿る。明瞭な仕事道で最後は朝、歩いてきた林道に突き当たる。植林の中に咲いていた三俣が不思議な雰囲気だった。

 

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植林を左に見て下る

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植林の中に咲くミツマタ


 GW一発目の沢は思った以上に手強くて楽しかった。鈴鹿沢登りの対象になるような谷はほとんど行き尽くしたように思っていたが、まだまだこんな楽しいはありそうだ。今回も付きあってくれたI君、ありがとう。

 

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今回のコース