山秋谷から三池岳 鈴鹿で雪渓沢登り? 2011.04.17
この奥に滝が
<メンバー>
山仲間(2名)
<山域>
<山域>
<コース>
池ヶ谷でスタートした今年の沢登り、2回目は何処にしようかと考えていたらそれ以上に頭を悩ますのは一緒に行ってくれるメンバー。4月は年度替わりで忙しかったり、他のイベントがいろいろあったり、何よりも、「まだ寒いやん」ってな感じで、沢登りに付き合ってくれる人は早々いるもんでは無い。
そんな時にも付き合ってくれるのが昨年最も行動を共にしたI君、ありがたやありがたや。I君は早朝発が難しいので近場の鈴鹿で未見である「山秋谷」を選択する。
実はこの谷、因縁がある。2004年の8月、ハリマオさんたちに誘われてこの谷へ初めての沢登りに行く予定だったのだが、前日に無理をして石榑峠~三池岳の稜線でビバークしてしまい、泣く泣くキャンセルしてしまった谷なのだ。なので、今回は7年ぶりのリベンジなのである。
出発は新しくなった国道から。登竜荘から少し登り、東海自然歩道が下を国道下を横切る辺りの駐車スペースに車を停めてスタート。寂れてしまった水晶キャンプ場を越え、吊り橋を渡る。吊り橋の下にもなかなかよさそうな谷(天狗谷)が流れている。
新しくなった国道421からスタート
水晶橋
天狗谷が見える(面白そう?)
東海自然歩道を南へ歩き、一度アップダウンして谷を渡渉するところから入渓。最初は倒木の多いゴーロでこれも2008年の豪雨の影響なのだろうか。水は先週よりも若干冷たく感じる。
ゴーロから滝が出てきた
倒木が行く手を阻む
倒木を越え進んで行くとジグザグのミニゴルジュが現れる。一番奥には8m程の滝が見えるがその手前の4mの垂瀑に行く手を阻まれる。まだこの季節にシャワー覚悟の突撃は無理なのでゴルジュの出口に戻り右側から高巻きする。
ジグザグのミニゴルジュ
この滝で行き詰る
落ち葉の積もった微妙な傾斜のトラバースは何だかいやらしかったのでロープを出す。あとから考えればここが核心部だったかも。
巻きの途中から
ゴルジュを越えたとしばらく単調となるがすぐにちょっとしたゴルジュに行きあたる。ここは腰まではいるのは致し方なし。今日は日差しもあり暖かいのでそれほど気にはならなかった。
こんな所も(楽しい)
腰までは覚悟
小滝が続く
明るい花崗岩の谷
標高480m位の二股で右に入る。ふと目をやると右岸には塩ビパイプのようなものが通っている。昔八風牧場に水を引いた跡なのかもしれない。二股の上は小滝がさらに続き楽しい。
階段状
4~5mの斜爆が続く1
4~5mの斜爆が続く2
まだ積極的に濡れるわけにはいかない
やがて水が乏しくなってくると徐々に傾斜がきつくなってくる。真新しい崩壊跡も現れ、黙々とゴーロ、ガレ歩きとなってくる。顔を上げると正面に稜線が見える。地図で確認すると標高差はまだまだある事にがっかり。
水が少なくなってきた
真新しい崩壊跡
稜線が見えた
標高750m位まで上がってくると雪渓が現れる。鈴鹿でもそれほど雪の多く無い石榑峠から南の山域で4月に雪を見るとは思わなかった。それほど今年の雪は多かったということだろう。雪渓の天然クーラーで涼をとりながらしばらく休憩する。
雪渓が現れる!
最後の詰めは小さなチムニー状の小滝が続き楽しみながら登って行く事が出来る。所々にある雪渓を踏み抜かないように慎重に登って行く。
樋状を登っていく
最後まで楽しめる?
雪渓
やがて完全に水が切れ、急傾斜のガレを最後まで詰めて行くと稜線直下でヤブになる。しかしさほどの困難も無く、県境稜線上の踏み跡にポンと飛び出した。
稜線に出た
三池岳
三池岳で靴を履き替えて昼食を摂る。こんなにいい天気なのに山頂は無人。昼食の途中、八風峠方面から歩いてきた人が三人。鈴鹿でもマイナーなエリアに属するのでこんなもんだろうか。目の前には釈迦ヶ岳に続く稜線が横たわっている。
釈迦ヶ岳への稜線
下山は群界尾根を下る。ここは一昨年に登りで使った事があるので大したことは無いなと高をくくっていたのだが、お菊池を過ぎて下り始めるといきなり踏み跡を見失ってしまった。コンパスを頼りに何とか下って行ったが、前回の印象としてはもう少しテープや踏み跡があったような気がするので微妙に外していたのだろう。もう、待ったんだと思われる部分で谷を一本渡って尾根に登ると明瞭な踏み跡があり、すぐに東海自然歩道に合流した。
お菊池
あとは東海自然歩道をテクテク歩いて車まで戻るだけ。15時までには車に戻る事ができた。
今回は天気に恵まれ楽しい遡行になった。未見の谷だったが、豪雨の影響も最小限でのがれたようで渓谷美を楽しむ事ができた。次回はもう少し登攀要素のある谷でロープの練習がしたいなあ。
今回のコース