晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

上越 米子沢から巻機山① 天国へ登る滑へ 2017.08.05

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天国へ続く(はずの)ナメ、青空だったらなあ


<メンバー>

<山域、形態>
 
<コース>
巻機山登山口(7:30)~米子沢入渓(7:50)~米子沢遡行~ゴルジュ入り口(12:50)
~ルートミス~谷に復帰(1435)~二俣(16:50)~避難小屋(17:30)
 
<天気>
晴れ
 
 梅雨明け十日で晴天が約束されるはずの8月第1週。サークルのメンバーを大々的に集めて沢泊体験ツアーを堂倉谷で実施するはずだったのだが、迷走台風5号の影響で紀伊半島は雨予報・・。参加予定メンバーも一人減り二人減りで4人になってしまった。
 
 こうなったら転進先はとっておきのカードを切るしかない。という事で沢ノボラーは皆があこがれるグラビア沢、上越の米子沢に行く事に。(本当は紅葉シーズンに取って置きたかったけど)行けなかった人はせいぜい残念がって下さい。
 
 前夜に車を走らせて一路、魚沼まで。交代で走り続けて6時間。思ったよりも近く感じたかな(距離感覚がマヒしてきた)。駐車場にテントを張って数時間仮眠。
 
 米子沢は日帰りも可能なのでゆっくり起床、7時に出発する。泊まりは避難小屋の予定だが、満員だといけないので念の為にテントも持参する。入渓口を間違えて登山道を少し登ってしまったのが御愛嬌。7:30に入渓。
 
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林道を少し歩いてから入渓
 
 入渓口にはものものしい看板が。ちょっと入るのを躊躇してしまいそうだけど、米子沢って初級じゃなかったっけ。
 
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脅かすなあ・・
 
 入渓してしばらくはゴーロ帯。日差しが照り付けて暑いのなんの・・。早く水が出てこないかな。
 
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入渓すぐに表れる堰堤
 
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ゴーロは続くよどこまでも
 
 1時間ほどゴーロを歩くとようやく滑滝が現れようやく沢登りらしくなって来る。と思ったらすぐに突破出来ないゴルジュが現れるので左から巻く。踏み跡は明瞭。
 
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滝が出て来た
 
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巻きの途中から40m滝
 
 谷に戻るとすぐに滝が現れる。じっくりルートを見定めればどれも登れる(歩ける)滝ばかりなので楽しく遡行出来る。
 
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滝が出て来る
 
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先行P
 
 Ca1250m(燕岩)の手前で下降してくるパーティーが。聞けばこの先に巨大なスノーブリッジがあり、超えるのは難しいとの事。うーん、まさかここまで来て敗退?と思ったが我々は泊まりのつもりで来ているし、この目で見ないと何とも言えないなあと思い、どきどきしながら登る。燕岩の左からはきれいな滝が落ちている。
 
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燕岩
 
 そいつはすぐに表れた。高さ15m以上はあろうかという巨大なスノーブリッジ。やっぱり雪国の沢は違うねえ。向こう側は見えているので潜る手もあるが恐ろしすぎる。よく見ると右手から巻けそうなので取り付いてみるとあっさり巻けた。
 
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巨大スノーブリッジ
 
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右からあっさり巻く
 
 スノーブリッジを超えると両岸が狭まって来てゴルジュっぽくなって来る。時々、おっと思う滝も出て来るがよく見るとルートが見えて来て楽しく登れる。TBっち、Mっちゃんに先頭を任せてどんどん登って行く。
 
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狭まって来たかな
 
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うーん、どうしよう(でも簡単だった)
 
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2段滝の手前で
 
 やがて谷は急激に狭くなり、幅2mほどのゴルジュになる。ここでロープを出してのクライミングにも自信がないので巻きを選択するが、ここで痛恨のミス。踏み跡と赤テープを頼って右側をどんどん登って行くと踏み跡も不明瞭になり、草付きの急な斜面はとても谷に戻れる雰囲気じゃなくなってきた。こりゃ駄目だと思い懸垂で谷に戻り、注意深くコースを見ると左岸に絶妙な巻き道が付いていた。最初見た時は怖いなあと思ったけど、さっきの草付きよりもずっとまし。歩いてみるとあっさり通過できた。2時間弱のロス。
 
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問題の滝
 
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絶妙な巻き(水色のザックがTBっち)
 
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高度感あるなあ
 
 その後も迫力のある滝がどんどん出て来る。米子沢って滑の印象が強いけど滝登りも楽しめる谷だった。どの滝もじっくり見ればすぐ近くを巻けるルートがある。高く巻くようならそれはコースミスだろう。
 
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なんかすごいのが出て来たけど
 
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休憩しながらルートを探る
 
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左から簡単に超える
 
 何とか滝群をクリアするといよいよ「天国に続くナメ」に入る。が、ここまでいい天気だったのに急にガスが出て来た。登るにつれ県境に近づくので仕方が無いか。
 
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さあ、天国へのナメだが
 
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記念撮影
 
 時折、風も吹いてきて何だか不穏な雰囲気。夕立にでも降られたら逃げ場が無いので内心焦りながらみんなのお尻を叩いて先に進む。もう少し景色を楽しんでいたいけどさっきのコースミスが痛い。小滝越えると雪渓も現れる。
 
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ガスの中登って行く
 
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雪渓
 
 源頭の雰囲気になって来ると時折雲も切れて明るくなって来る。そうなるとやっと気持ちにも余裕が出る。ここまでかなりゆっくり来たけど暗くなる前には小屋に着けそうだ。
 
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源頭の雰囲気に
 
 二俣を左に進み、小川状になった谷を歩いて行くと不意に人が現れた。小屋の水場に到着したようだ。小屋の様子を聞くと満員でもうとても泊まれないらしい・・・。まあ、こんな時間にやって来て場所を開けてくれと頼むのも忍びないので、テントを張ってビバークする。
 
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もう小川状態
 
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仕方なくテントを張る(すでに先客が)
 
 夕食はMっちゃん特製のビーフシチューにパン。焚火が出来ないので湿った服が不快だったが合羽を着ているとすぐに乾いた。雪国特有のヌカカが飛び回っているので食事はテントの中で食べる、暑かった~。普段の沢泊とは勝手が違うので戸惑うなあ。まあ、なんにせよ米子沢を無事遡行出来たのでほっとした。
 
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ビーフシチュー
 
 その夜は足が攣って仕方が無かった。久しぶりの標高差1000m越えだったからなのか、水分摂取を怠っていたからなのか・・。寝ている最中にも足が攣ってシュラフの中でうなっていた。皆さん、うるさくてごめんなさい。
 
つづく