晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

御池岳テント泊① ラッセルの向こうに輝く夕日 2011.02.05-06

雪の御池岳テーブルランド

 

<メンバー>
サークル(4名)+biwacoさん
      
<山域>

 

<コース>
国道306~コグルミ谷右岸尾根~カタクリ峠~丸山右岸の尾根~奥の平~幸助の森(泊)



 雪の御池岳でテント泊。毎年企画するものの、ここ数年は参加者も少なく幻の企画になりつつあったが、今年は4人で実施できる事になった。せっかくなのでサークル以外の山仲間にも声をかけたら、滋賀県側からbiwacoさんが参加してくれるとの事。純白のテーブルランドで落ち合う約束をし、我々も出発。

 

 コース設定は悩んだ挙句、国道306経由コグルミ谷右岸尾根を選択。やはりテント装備には退屈だが平坦な国道で距離と高度を稼ごうという魂胆だ。しかしこれが見事に失敗だった。雪のせいか、このコースを選択した人はほとんどおらず、トレースの無い腐った雪がジリジリと体力を消耗させる。登山者のトレースが期待できる木和田経由の方が良かったかも。

 

雪の国道306

 

 それでも何とかコグルミ谷の登山口に到着。右岸尾根取り付きのハシゴは半分雪で埋まっていた。ハシゴをラッセルして何とか登り、急斜面に取り付く。積雪は20~30cm程度だが、気温が高く腐り気味。壷足では厳しいので斜度が緩やかになったところでスノーシューを履く。

 

取り付きのハシゴも半分埋まっている

トレースの無い急斜面を行く

 

 尾根取り付きからカタクリ峠まで2時間。やっぱりテント泊装備は重いな~。カタクリ峠では7合目で時間切れという単独の男性に会う。今日はこのコース誰も入っていないらしい。

 

カタクリ峠でへたり込む・・

腹が減っては

 

 カタクリ峠で昼食をとり、御池岳を目指す。7合目から先は全くのノートレース。夏道の記憶をたどりながらトラバースをして無事に8合目の道標に到着。ここからいよいよテーブルランド目指して斜面を登って行く。

 

8合目に降り立つ

さあ、最後のガンバリ

 

 さすがにみなつかれてきたようなので5分で先頭を交代しながら登って行く。2回ぐらい先頭を受け持ったら傾斜が徐々に緩くなってきた。そしてタケやんが3回目の先頭をバトンタッチしたところでようやくテーブルランドの到達することができた。

 

傾斜が緩くなってきた

テーブルの上はもうすぐ

やっと辿り着いた~

 

 気温が高く、風も少ないので霧氷は全くついていなかったが、御池岳テーブルランド特有の緩やかな曲面が傾きかけた太陽の光線を受けて何とも言えない美しいシルエットを浮かび上がらせている。こうなったら隊列は必要無い。各自好き勝手に雪原にトレースを刻む。

 

テン場を目指す

刻まれた足跡

美しい曲線美

誰もいない雪原

誰かの足跡

 

 幸助の森にテントを張ったら次は宴会場の設営だ。スコップで雪を掘り、テーブルと雪壁を作る。今日の定員は5名なのでそれほど大きなテーブルはいらないが、風よけまで作るのはけっこう骨が折れる。

 

今宵の晩餐会場

 

 16時には到着すると言っていたbiwacoさんはまだ現れない。そうこうしていると夕日が落ちてきた。ちょうどボタンブチの向こうに沈む太陽はこの上もなく美しい。御池で泊まったのはこれで4度目だが、こんなにきれいな夕日は初めてだ。サークル一の男前、タケやんをモデルに写真撮影会。

 

ボタンブチ落陽①

ボタンブチ落陽②

ボタンブチ落陽③

タケやん、かっこいい

ほんのりピンクの雪原

 

 太陽が沈んでしまったので夕食の準備。biwacoさんはまだ現れない。途中で敗退か、どこかでテントを張っているのだろうと再会をあきらめかけていたところに、風のように登場。よかったよかった。

 

今夜はお鍋

 

 晩餐は豚肉のお鍋に各自持ち寄った好みのアルコール。そしてbiwacoさんから焼き物の差し入れ。じっとしていると足の先が冷たくなってくるので足踏みしながらの晩餐会になったが、おいしく、楽しく、温かい時間を過ごすが出来た。

 

 お酒が無くなり、月も沈んだので就寝。比較的暖かい夜で、テントの中の水筒の水はシャーベット状になるだけだった。
 
<翌日へ続く>