晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

カズラ谷~鎌ヶ岳  花冷えシャワークライム  2010.04.03

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手がツメタイ・・

 

<メンバー>
山仲間
      
<山域>

 

<コース>
宮妻峡~カズラ谷~鎌ヶ岳~カズラ谷道~宮妻峡



 早春の鈴鹿の沢第3段は宮妻峡のかずら谷。ガイドブックにも載っている谷で滝が多くこれまでの2本の谷に比べると若干難易度が高い。鎌ヶ岳に花が咲く時期でも良いのだが、この辺りが激ヒル地帯なので今の時期にやっつけておく事にする。

 

 宮妻峡の駐車場は既にたくさんの車で埋まっている。少々空気は冷たいが青空も見え、今日は絶好の山(沢)日和。見慣れたカズラ谷登山口の取り付きから間ノ谷の滝を見ながら堰堤を乗り越え入渓。

 

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間ノ谷の滝

 

 少しゴーロを歩くとすぐにゴルジュが現れた。出てくる滝は4~5mでどれも快適に直登出来る。この辺りまではお日様も照っていて、きらめく沢を楽しく登って行ける。

 

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いきなりゴルジュ

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直登でいきま~す1

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直登でいきま~す2

 

 でもさすがに水は冷たく、流れの中のホールドを探っていると手がジンジンしてくる。張り替えたばかりのフェルトもしっくり馴染んできており安心して足を運ぶ事が出来る。ただ、岩が少し滑っているのでラバーソールのI君は苦戦しているようだ。

 

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これはどこから行こうかな?

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手が冷たい・・

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張り替えたフェルトもなかなか好調

 

 右に支谷を見送った後に現れる滑を越えると10mの滝が現れた。ここは果敢にEちゃんがフリーで直登。確保の練習をしたいというEちゃんのロープで後に続く。ラバーソールのI君はここでも苦労していた。やっぱりフェルトの方が弱点が少なくていいのかなあ。

 

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10mの滝、ちょっと滑っている

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ラバーソールのI君をロープで確保

 

 途中、木に埋もれた看板を過ぎると2段8mの滝。そしてその上には傾斜の強い10mの滝が現れる。全身ずぶ濡れにはまだ早いのでここは左から巻き。その上にある滝も一緒に巻いてしまう。

 

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木に埋もれた看板

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これはさすがに巻き

 

 この辺りから急に気温が下がり始めた。最初の青空はどこへ行ってしまったのか?。谷中なので風は感じ無いものの、時折小雨がぱらつき、みぞれも混じっている。止まると体が震えてくるので頑張って歩く。二股を右に入り黒い滝をサクッと越える。

 

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黒い滝

 

 次に現れたスラブ状のS字の滝。これが今回の核心だった。登るには溝状の滝身を登っていかなければいけないが、水中のホールドを探るのは3秒が限界。Eちゃんは残置ハーケンにカラビナをひっかけて何とか突破。私は水中のホールドを利用して一気に体を持ち上げてが、その後しばらく手の感覚が戻らなかった・・。
 

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スラブ状12m

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結構手強い

 

 余りにも寒いのとお腹が減ったので三俣の手前で昼食にする。暖をとろうと焚火を試みるが前日の雨で乾いている薪も無く、すぐに消えてしまった・・。

 

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余り寒いので焚火を試みるが・・

 

 昼食の後は気を取り直して遡行開始、やはり止まると震えが来る。三俣の真ん中を進むと右から飛沫を上げて落ちる滝が流れ込んで来る。ここはガイド通り滝の下を通過して裏から登るのだが、水を浴びると一段と寒くなってしまった・・。

 

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右から飛沫を上げて滝が入る

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飛沫の下を潜り抜ける

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氷のように冷たい

 

 飛沫の滝を超えると一気に源頭の雰囲気。いくつかの小滝を越えてついに登山道へ出た。このまま下るのも芸が無いので鎌ヶ岳の頂上を目指す。

 

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水が少なくなる

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源頭の雰囲気

 

 沢で冷えた体に鞭を打って岳峠を目指す。時間も遅いので下りのパーティーとすれ違うが、ヘルメット姿の我々を見て、皆、一様にぎょっとしている。そら、こんなに寒いのにまさか沢なんて思わないだろう。

 

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岳峠から

 

 頂上は思った通り静かだった。鎌尾根、御在所を一通り眺めて後は登山道で下山。カズラ谷登山道は鎌ヶ岳の登山道の中でも最も退屈な道だが、咲きかけのショウジョウバカマが目を楽しませてくれた。

 

 

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鎌尾根

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御在所

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 これで、早くも3本目の遡行。もう足慣らしは完了したので、そろそろ手応えのある沢に行きたいなあ。でもこればかりはもう少し暖かくなってくれないと。

 こんな日に沢に付き合ってくれて、Eちゃん、I君、どうもありがとう。