晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

本沢川 白倉又谷下部 巻きが核心のゴルジュ突破 2009.08.30

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吸い込まれそうな淵


<メンバー>

山仲間

 

<山域>
台高

 

<コース>
筏場-林道終点-白倉又谷-馬の鞍谷分岐-仕事道-筏場


 8月最後の週末は2009年夏の総決算として泊りで芦廼瀬を計画していたのだが、天気予報が今ひとつ。土曜日に寒冷前線が通過するというので、泳ぎの多い芦廼瀬はパス。急きょ前夜発、日帰りに変更し本沢川の白倉又谷に行くことに。

 

 入之波温泉辺りで雨が降り出してちょっと嫌な感じがしたが、筏場に着くころには雨も上がり、テント&車中泊で一夜を明かす。

 

 翌日は6時起床の7時出発。準備をしていると女性二人のパーティーがやってきて、素早く準備を整えて通過していった。どの谷に入るのだろう?その後にやってきた地元の釣り師のおっちゃんと話をして出発。

 

 ガイドでは林道終点まで歩くのが常道のようだが、途中から覗き込むときれいな流れに滝もいくつか見える。せっかくだからという事で早めに谷に下りる。白い岩の上から眺める流れは目の覚めるような美しい流れで、やっぱり台高はすごいな~、なんて思ってしまう。
 

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この水の色、いいねえ

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最初は穏やか

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身軽なC君

 

 それでも余り下流で時間を使ってしまうわけにもいかず、もう一度林道に上がり終点まで歩こうと思ったら、そこがすでに林道終点だった。ここからゴルジュのはじまり、気合いを入れて行ってみよう。

 

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ゴルジュ入口の斜瀑

 

 入口の3m斜瀑を超えてさあ、本番、と思ったら前に釣りのおじさんがちょうど第一投を投じたところ・・。おじさんもまだ始めたばかり、ここはおとなしく巻こうという事で、右側の斜面にとりつくと仕事道に出てしまった。このまま歩くと谷からどんどん遠ざかってしまうので、仕事道をゴルジュの入口に戻りもう一度仕切りなおし・・。
 結局15m美瀑の手前で左側についている木の梯子状の巻き道を使って落ち口へ・・、最初のメインイベントを逃してしまう。

 

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美しい15m滝、落ち口のみ

 

 釣り師のおじさんを追い越したので、ここからは思う存分に楽しめる。少し歩くと右から角度の立った支流が流れ込む二股に到着。本流は左なので左の谷へ進む。

 

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胸までつかって

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再びゴルジュへ

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左の谷へ進む

 

 左の本流は2段15mとなっている。下段は流れの左側を簡単に登ることができたが上段は大きな釜に遮られとても無理。覗き込むと水深5~6mはありそうだがそこが見えている。美しいが少し怖い気もする。

 

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すごい釜

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さあ、どうする?

 

 見ると対岸が登りやすそうに見えたので、落ち口を渡り左岸へ。足を滑らせると深い釜に真っ逆さまなので少し緊張する。左岸を登り更にその上の立派な釜を持つ3m斜瀑の前に降り立つ。

 

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無事、落ち口を通過

 

 ここは泳いで滝に直接取りついてシャワー。深い谷の底は日が差し込まず、思ったよりも低い水温に少し苦労したが、流れの中にホールドがあり、何とか滝上に。ここでは思い切りシャワーを楽しめたが、突破を終えたEちゃんの唇は紫色になっていた。

 

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泳いで直接取りつき

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2度目の挑戦Eちゃん

 

 その奥の20m滝は取りつく島がないので左から巻くことに。この巻き、上部に少しいやらし箇所があり、身軽なC君を押し上げてから後続はロープで確保して超えた。

 

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奥の滝は大巻き

 

 流れに復帰すると廊下の出口にかかる10m滝。この辺りで日が差し込んできて谷はいっそう美しくなる。ここは泳いで右側の岩に取りつき、バンドを斜上して超える。

 

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きれいな10m滝

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泳いで取りつき、右から

 

 廊下が終わると雰囲気は一変し、癒し渓に変わる。左から地下から湧き出る滝が流れ込む不思議な地形を見送り、斜瀑を超えると馬の鞍谷との出合に着く。

 

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癒し渓に変わる

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左から湧き滝が流れ込む

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湧き口

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ここは流れの中を直登

 

 右側の本流には10mの滝がかかっているが、これはロープを付けて流れの右側を直登。ちょうどいいホールドにはかなりの確率で蛙が居座っている事が多く、ぎょっとしてしまう。

 

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ロープを付けて右側を直登

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目が合った?

 

 滝の上には見上げるばかりの30m滝。遡行はここで終了。後は左岸についている仕事道を使い林道終点まで。

 

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この30mで打ち切り

 

 途中でS君が洞窟を発見。大学でケービングをやっていたS君によれば、この辺りは一部石灰岩があり、先程の湧き滝も石灰が浸食された地下洞窟を流れてきたものだそうだ。ちょっと中を覗いたが、閉所恐怖症気味の私はすぐに退去する。

 

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鍾乳洞発見

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こんなところから入ります

 

 洞窟探検の後は仕事道を使い、あっという間に林道終点まで。帰りは入之波温泉で汗を流し解散。芦廼瀬にいけなかったのは残念だけどここも楽しい谷だった。今度は早起きして、釣りのおじさんよりも早く入渓しなければ。