晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

宮川水系 大熊谷東俣谷(第2支流) お手軽?滝見遡行 2009.08.23

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夢幻の滝


<メンバー>

山仲間

 

<山域>
台高

 

<コース>
大熊谷林道~東股谷(第2支流)~不動滝~夢幻滝~林道

 

 今年の夏は台高の谷にも挑戦中。今回は比較的容易ながら美しい滝が見られるという、迷い岳南面の大熊谷の東俣谷(第2支流)がターゲットだ。

 

 大宮大台ICから奥伊勢を目指し国道422を走る。左手に宮川の美しい流れを見ながら車をデポする林道を探すが、たくさん支流が流れ込んでおりなかなか判別しない。結局大熊谷の出合まで来てから、支流二つ分戻り、林道を分け入っていく。

 

 この林道がまたなかなかの曲者で上部は当然舗装していない。後輪駆動の軽自動車ではギリギリ登れる範囲だ。地図では網の目のように林道が走り、目指すデポ地点にどうやって行けばいいのか、ここでも迷ってしまう。地図にはあっても崩れていたり・・。結局狙いの半分くらいの距離のところに車をデポし、大熊谷を目指す。

 

 大熊谷林道に車を止め、さあ、入渓と歩き出したが、どうも事前に勉強したガイドと雰囲気が違う。地図をよく見るとひとつ上流の支流に入ってしまった。結局、歩いてもどってようやくスタート地点に。入口には写真でよく見る「夢幻滝」の看板。当初もくろみより1時間半のロス・・。

 

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谷の入り口の看板

 

 最初はショボ目の谷だなあと思っているうちに小さな滝が出てきてだんだん楽しくなってくる。少し大き目の滝には電気コードを渡したきちんとした巻き道が整備?されており、登山靴でも歩けそうな感じ。シャワーを浴びる事も無く距離を稼ぐ。

 

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入口は少しショボ目

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2段15m

 

 やがて水の落ちる大きな音が聞こえてきたと思ったら頭上から落ちてくるような2段30mの不動滝が現れた。台高の滝はスケールが大きいなあ。じっくりと眺めていたいがスタートが遅れたので、先に進む。巻きは右側のルンゼにこれまた電気コードに導かれたしっかりとした巻き道でピタリと落ち口へ。

 

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不動滝

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イワタバコ

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不動滝落ち口

 

 不動滝から小さな滝をいくつか越していくと樹林の隙間からこれまた立派な滝が見えてきた。これが夢幻の滝か。高さは先程の不動滝と同じぐらいだが、滝の造作が美しい。下段の滝を登り、滝壺の横でお昼ご飯にする。

 

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これが夢幻の滝?

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マイナスイオンが気持ちいい

 

 流れ落ちる水に巻き上げられる風に吹かれながらお昼ご飯を済ませ、遡行再開。夢幻の滝の巻きはこれまた左ルンゼから。ここまでしっかりつけられていた電気コードの巻き道はどうやら夢幻の滝までだったようで、ここから先には見当たらなかった。

 

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左のルンゼから巻き

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近くから

 

 夢幻の滝から上は直登できる小滝が続く楽しい区間。しばらくすると朽ち果てた小屋跡を見つける。台高の谷にはどんなに険しい谷にでも、必ずと言っていいほど造林小屋の跡が見つかる。昔の人のエネルギーってすごいなあ。

 

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直登が楽しい

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右から巻き

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小屋跡

 

 もう、大きな滝はおしまいと思っていたら、2段30メートルの立派な滝が洗われる。これも左から巻き上がるとレンガ作りの立派な小屋跡を発見。その後はちょっとした廊下になる。堰堤状の8m滝で一息入れる。

 

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2段30m

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見上げるS君

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ここにも小屋跡

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がんばって直登

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このクラックを登る

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ちょっとした廊下

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堰堤状8m

 

 途中、蛇に睨まれて動けなくなった蛙を助けてやり、遡行はいよいよ詰めへ。二股を右にとり、水が涸れ、ガレた沢を詰めると立派な林道にでた。この林道は現在も頻繁に利用されているらしく、タイヤの跡が見られる。車のデポ地点まで約1時間の林道歩き。

 

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蛇に睨まれた蛙

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水の涸れた詰め

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立派な林道に出た

 

 ようやくデポ車に到着。入渓点の車を回収した後、奥伊勢フォレストピアで汗を流し解散。出発が遅れたがまずまずの時間で帰ってくることができて大満足。ダイナミックな景色とそれほど難しくない遡行で、なかなかいい谷でした。

 

 しかし、核心部はまだ残っていた。例によって必ず渋滞する亀山~四日市間の東名阪を避け、国道23号に降りたのが運の尽き・・。ちょうど国道23号線沿いで行われていた四日市の花火大会に巻き込まれ、鈴鹿から四日市を抜けるのに2時間以上かかってしまった。ようやく家に着いたのは22時を回っており、沢登りよりも疲れてしまった・・。(夏は花火大会に要注意)

 

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大渋滞のR23

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今回の地図