晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

藤原岳 吹雪の中の山納め 2008.12.28

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藤原山荘、手前約200m

 

<メンバー>
山仲間

 

<山域>

 

<コース>
大貝戸~8合目~藤原山荘(往路を戻る)


 前日(27日)の御在所本谷は力及ばず撤退となってしまった。2008年、これでは終われないと思い、翌日は藤原岳に向かう。藤原岳の表道なら昨日のトレースがついているだろうと、若干軟弱な発想に基づいたコース選択となった。

 

 集合場所の西藤原駅に着くとなんと雨が降っている・・。天気予報では晴れ時々曇りのはずなのに。冬型の気圧配置では平地用の天気予報は鈴鹿ではあてにならない。大貝戸登山口の立派な休憩所でゆっくり準備をしながら雨が止むのを待つ。駐車場は8割方埋まっており、この時期、この天気にしては多い様に思う。みんな好きだなー。

 

 9時半を回ると雨も小止みになってきたので出発する。神社の脇を抜け、照葉樹の多い九十九折りの道をゆっくりと登っていく。風もないので寒くはない。4合目あたりで積雪がしっかりと目につくようになる。

 

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4合目で積雪がはっきりと

 

 5合目までは木に積もった雪が自分の重みに耐えかねて落ちてくるのをよけながら歩く。6合目からは植林の中を歩くが、気温が下がったのか足下の雪質が乾いた感じに変わる。歩くとキュッキュと締まる感触がなんだか久し振り。

 

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6合目あたり

 

 7合目で犬連れのご夫婦を追い抜き、もうすぐ8合目というところで、我々よりも少し早く出発した5人程のパーティーが引き返してきた。聞けば8合目から上はトレースもなく、長靴の上まで雪が来たのだという。それならあれだけいた車の人たちはどこへ行ったのだろうか?8合目の積雪は30cm程だが、吹きだまりでは1m近く。風が強く、冬道のトレースは消えていた。

 

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8合目

 

 すでに登った人がいるので、行けない事はないはずだが吹きだまりに落ちると足の付け根まで沈んでしまう。スノーシューを装着していると上から下りて来た人がいたのでそのトレースをたどることにする。

 

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冬道を急登

 

 トレースは少し左にトラバースしてから一転急登で、まっすぐ尾根上に向かう。トレースはあるといいながらまだ降ったばかりの雪は、スノーシューと言えど結構な沈み込み。急な傾斜にふくらはぎが悲鳴を上げ始めたので元気なD君に先頭を代わってもらう。9合目には思ったより早く到着。

 

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9合目を越えて

 

 9合目を越えるとあたりが一気にガスに包まれ風が強くなってきた。視界は15m~20m。周りの木には樹氷ができかけている。小屋の手前で下山してくる4人パーティーとすれ違う(ひとり部さんとたくたくさん一行だったようです)。小屋はもう誰もおらず、展望丘方面は行けたものではないという情報。

 

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小屋まであと少し(のはず)

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吹雪~

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樹氷ができかけ

 

 やっと小屋に辿り着きほっとしたところでお昼ごはんにする。もっとごった返しているかと思ったが、我々3人と単独の男性一人の貸し切り状態。のんびりお湯を沸かし温かいラーメンをすする。一人だったら寂しかっただろうなあ。 

 

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やっと小屋

 

 お腹が落ち着いたので小屋付近の偵察をするが、やはり視界は20m以下で歩いたとしても楽しい訳はない。リスクを冒してまで先に進むほどの事ではないのでここで引き返すことにする。

 

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視界は20m以下

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寒い

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展望丘方面

 

 帰りはたっぷり積もった雪を利用してシリセード。この時のためにヒップそりを持ってきたかいがあったというものだ。やっぱり楽しいなあ。下界が近くなると樹林の間からきれいな虹が見え、2008年のフィナーレを飾ってくれているようだった。頂上には立てなかったが今年を締めくくるいい山行だった。

 

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締めを虹が飾ってくれた


 今年一年、よく遊ばせてもらいました。同行してくれた皆さん、快く送り出してくれたUちゃん(うちの奥さん)。本当にありがとうございました。感謝しています。
来年もこのペースで遊びに行くますので、よろしくお願いしますね。