晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

伊吹山 ホワイトアウトから紺碧へ  2010.01.24

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伊吹大斜面

 

<メンバー>
サークル
      
<山域>

 

<コース>
上野~1合目~3合目~頂上(ピストン)

 

 本来であれば藤原岳スノーシューを楽しもうという企画だったのだが、異常に暖かい大寒とその後の雨で鈴鹿の雪は溶けてしまったようだ。それならば・・と地図を眺めて決めた行き先は伊吹山。ここ数年、空振りを食っている伊吹山だが今年は雪がたっぷりと降っているらしい。関ヶ原経由で麓まで行くと道の傍にも雪が積もっている。やっぱり雪国なんだ。

 

 雪を求めてかたくさんの登山者が詰めかけてきており、近隣の駐車場(有料)は一杯。ゴンドラ駅の駐車地は雪が積もって駄目だったので少し離れた有料駐車場に車を停め、神社の脇からスタート。倒木でいっぱいの登山道を抜け、1合目から雪のたっぷり積もったゲレンデの脇を登っていく。

 

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どんよりのスキー場跡を行く

 

 徐々に高度を上げるがすぐにガスに包まれてしまい、ホワイトアウト状態。たくさんの登山者のおかげでトレースはしっかりしているので迷う心配はないが地面か背景かわからないような中を歩いて行くのは何だかな~。

 

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でも大賑わいです

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うーん、何にも見えません

 

 ガスの中に建物が浮かび上がってくるとリフトの基部だったりする。毎年これだけ雪があればスキー場もつぶれなくて済んだのに、なんて事を考える。3合目を通過し、徐々に傾斜が増してくるが5合目の小屋も6合目の小屋も素通りしてしまったようだ。視界は10mほどなので仕方ないか。

 

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動かないリフト

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余り離れると危ない

 

 先に続くトレースとガスの中から聞こえる人の声でコースを外していない事はわかるが、これだけ見えないとだんだん不安になってくる。風が強く吹き、一瞬ガスが晴れたがまた再びホワイトアウト

 

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一瞬ガスが晴れるが・・

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 雪はしっかり締まっているためツボ足で登るのに何の問題も無いが、徐々に傾斜が急になり直登が無理になりトラバースに逃げる。高度計ではそろそろ頂上台地のハズだがな~、と思っているとトラバースも厳しくなってきたので、登山靴を蹴り込んで四つん這いになって急斜面を直登、すぐに柵が現れて頂上台地に到着したのがわかる。

 

 登って来たところは登山道(夏道)とは違うようだが、視界がまるっきり効かないので自分たちがどこにいるのかさっぱり分からない。ホワイトアウトは怖いな~。GPSで何とか方向を定め歩き始めるとぼんやりと覚明堂が現れる。 

 

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頂上台地に到着・・

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視界10m以下、やっと覚明堂を見つけた

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ヤマトタケルはこんな感じ

 

 お堂の中は混んでいたので茶店の間でお昼にする。天気予報は午後から晴れだったのでのんびりしていたが、ガスはなかなか晴れない。

 

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茶店の間でお昼にする

 

 頂上台地をぐるっと一回りしても何にも見えないので、下山にかかろうとすると、なんだか明るくなってきた。下山するのをやめてしばらく様子を見ているとみるみるガスが晴れてきた。

 

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帰ろうとすると

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おや?

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おや、おや?

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晴れてきた~!!

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これは素晴らしい

 

 うーん、これは素晴らしい。こんな景色を見たかったという事で、下山をとりやめしばらくお散歩。周りの登山者も急に現れた青空に歓声を上げている。

 

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下山を中断し、お散歩

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歓声をあげる登山者たち

 

 下山はみんなが登ってくるルンゼから下る事に。ふと横をみるととんでもない急斜面にトレースが付いている。どうもあそこを登って来たらしい。多分、見えなかったから登れたのだろう。

 

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ここを下るのか

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登って来たトレース(あんなところ登っていたのか)

 

 ルンゼにたくさんのスキーヤーがさっそうと飛び込んでいく。かっこいいなあ。やってみたいが、この傾斜にはまだ恐怖感を感じる。ゲレンデで修業しなくては。紺碧の青空をバックに雪にかかとを蹴り込んで快調に下っていく。

 

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さっそうと滑っていくスキーヤー

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紺碧の青空をバックに

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まだ続々と登ってきます

 

 傾斜が落ち着いてきたところでヒップソリを使ってロングシリセード。気温が上がって来たため、滑りはよく無いが、傾斜があるので滑る事が出来る。これがやりたくて何年伊吹山に足を運んだ事か。

 

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ロングシリセード

 

 新しかった6合目小屋は倒壊していた。多分積雪の重さに耐えられなかったのだろう。露出している梁をみるとずいぶんと細く、雪の重さを見誤ったのかもしれない。

 

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倒壊した6合目小屋

 

 3合目から下は雪が腐ってグサグサでもはやツボ足では歩く事が出来ず、ここでスノーシューを装着。日差しはきつく汗をかきながら歩く。

 

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下のスキー場は雪がグサグサ

 

 辛い1合目から下の歩きも何とかこなしてようやく駐車場へ。お疲れ様でした。なんだか顔がヒリヒリするなあと思ったら日焼け止めを忘れていた。明日会社でなんて言い訳しようか・・。