晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

御在所 雪の本谷あえなく撤退 2008.12.27

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新雪のたっぷり積もった本谷

 

<メンバー>
山仲間

 

<山域>

 

<コース>
御在所山の家~不動滝~大黒滝~撤退(往路を戻る)

 

 今年はカレンダーの具合+不況の影響?で年末の休みが例年よりも3日も長い。そろそろ締めはどこにするかな~と考えていたところに年末恒例の寒波がやってきた。鈴鹿の山にも雪がたっぷりと供給されたようなので、御在所の本谷に出かける事にした。

 

 大雪の後でも湯の山温泉街は除雪がされており、一の谷茶屋の奥の駐車地まで車を進める事が出来た。9時の時点で車は4台ほど。スカイラインはきれいに雪に埋め尽くされている。

 

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一夜にして雪に埋もれたスカイライン

 

 中道に入ったと思われる先行者のトレースをたどって中道登山口まで、そこから鉄橋を渡り御在所山の家まで歩く。御在所山の家も雪におおわれ、静かな山小屋の風情を醸し出している。

 

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中道登山同にはすでにトレースがある

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鉄橋を通って御在所山の家へ

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御在所山の家も雪化粧

 

 本谷に入ると予想以上の雪でビビってしまうが、ありがたい事に先行者がいる。最初は極力巻き道を使い、うまい具合にコースをつけてくれている。上手く合流して共同でラッセルすれば頂上までたどり着けるかも。

 

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予想以上の積雪、でも先行者がいる

 

 谷に降りるとそこはあまり目にする事が出来ない幻想的な風景。岩の上にはマシュマロのように新雪がつもり、おとぎの国へ来たようだ(行ったことは無いが)。それほど気温は低くないので滝は凍っておらず、雪の中をサラサラと流れている。

 

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あまり見る事のない幻想的な光景

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まだ滝は凍っていない

 

 徐々に傾斜が立って来たが、先行者が上手くトレースをつけてくれているので比較的スムーズに距離を稼ぐ。そのうち、不動滝の手前で先行者の二人パーティーに追いついた。お二人は不動滝には行かず巻き道を登って行かれたが、我々は不動滝に向かう。

 

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傾斜が急になってきた

 

 不動滝の下で雪は膝くらいまで。今年の2月に来た時は凍っていたのだが、今回は雪と小さなつららがついている程度。流れ落ちる水がパシャパシャとさびしげな音を立てている。ここで紅茶を飲んで小休止し、不動滝の巻き道へ入る事にする。先行されていたはずのお二人は不動滝で断念するようで滝下でお茶の準備をされている。ここからは先頭になるので気合いを入れな直す。

 

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やっと不動滝、ここまで1時間半

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まだ氷結はしていない

 

 不動滝の巻き道は急傾斜だがそれほど険悪な印象では無い。しかし、これだけ雪が積もると道の痕跡も見当たらず、かろうじて雪の上に顔を出している赤テープと斜面の弱点を狙ってじりじりと進んでいく。いままで2番手で楽させてもらっていたのがよくわかった。何度か修正しながらようやく滝上へ。

 

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雪、雪、雪

 

 不動滝の上、谷筋へ復帰した地点で後方から単独の男性が追い付いてきたので、ここからは3人パーティーとなる(実際はほとんど先頭をお任せした・・)。ふかふかの新雪は踏んでも踏んでも足場が定まらず、もがくようなラッセルでスピードが急激に落ちてしまう。それでも分かり難い分岐をクリアし、大黒滝の巻き道を這い上がり、何とか大黒滝の上まで到達する事ができた。(単独の方、ありがとう!)

 

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もがくようなラッセ

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なんとか大黒滝上へ

 

 ここから谷は一気に細くなる。道は左岸の笹の中にあるはずだが、雪に覆われてどこが道なのか見当もつかない。傾斜が急なせいで目の前の雪壁を突き崩しながら進まなくてはいけない。一度、谷芯の突破を試みるも滑滝状になっており、あえなく敗退。

 

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左岸の巻き道を探すが・・

 

 時刻をみると13:30と、コースタイム1時間半程度のところを4時間半かかっている。このままではロープウェイの最終はおろか日没までに本谷を抜け出せないと判断し、撤退する事にする。

 

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振り返ると雲母峰が

 

 雪が豊富なのと登りの時に踏みしめたトレースがあるので、帰りは無雪期よりも神経を使わず歩く事ができた。少し下った所で昼食すら摂っていなかった事に気づき、紅茶とジャムパンで遅めの昼食を摂る。

 

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大黒滝を見上げる

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帰りはラクチン

 

 4時間半かけて登ったコースも帰りは1時間と少しでスカイラインに到着。やっぱり雪が降った次の日に二人で本谷はちょっと無謀だったかも。次は雪の状態の落ち着いた2月にでも、もう一度挑戦してみたい。

 

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温泉だったらいいのにな

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変わったつらら

 

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今回、ここまで頑張りました。