晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

鎌ヶ岳 冬の稜線あったか鍋山行 2008.12.23

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やっぱり冬は鍋にかぎる

 

<メンバー>
サークル

 

<山域>

 

<コース>
宮妻峡~水沢峠~鎌尾根~岳峠~鎌ヶ岳~かずら谷~宮妻峡



 クリスマスイブの前日、雪山でホワイトクリスマスを楽しもうと山行を企んだが、前日の寒波も思ったより勢いが無く、雪どころか大した冷え込みも無いまま当日を迎える。スタート地点の宮妻峡は紅葉もすっかり終わり、ひっそりと静まりかえっていた。

 

 準備をして林道をてくてく歩く。実はこのルート随分と久し振りなので林道から水沢峠への道の取り付きはいささか自信が無い。まだかな、と思っていたら随分と立派な道標が現れたのでほっと胸をなでおろす。道はさすがにメジャーコースだけあってしっかり踏まれた快適な道。植林を抜け、窯跡を見送って快調に歩いて行く。古いながらもしっかりとした道型をみていると昔の旅人が歩いた時代を想像してしまう。

 

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昔の旅人もこの道を歩いた?

 

 途中、ガレた沢を通過する。以前歩いた時の記憶は薄れているが踏み跡もしっかり残っており、9月の豪雨の影響はあまり受けていないようだ。急な傾斜を詰めて水沢峠にとびだす。

 

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途中ガレた沢を通過する

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水沢峠


 水沢峠で一服する。今回のコースが初めてのメンバーは「これで登りも一段落、これからは稜線散歩だ」と思っているようだが、少し甘い。ここから水沢岳までの登りが今日一番の急登なのである。高度を上げるに従って右手に伊勢湾の展望が広がる。

 

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水沢岳への急登

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伊勢湾への展望


 稜線にあがると一気に風が強くなる。痩せてザレた尾根を滑らないように慎重に歩く。足もとには霜柱ができており、雪も霧氷も無い中で、今日、初めて冬らしいものを見たような気がする。

 

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痩せた尾根

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霜柱


 水沢岳でやっと一息つく。ここからは終始鎌ヶ岳を眺めながら歩く、鈴鹿でも指折りの好展望コースだ。コースタイム2時間の距離にある鎌ヶ岳は結構遠いな~という印象。水沢岳北面には花崗岩が浸食された斜面があり「きのこ岩」と呼ばれてる。左側の樹林の中に踏み跡ができているのでそこを慎重に下る。

 

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ようやく鎌ヶ岳が見えた

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水沢岳北面のキノコ岩

 
 きのこ岩をクリアーしてしまうと後は適度なアップダウンを繰り返しながら鎌ヶ岳を目指して歩いて行くだけだ。途中、衝立岩のような鎖場もあるがそれほど危険な場所は無い。いつの間にか空は西から雲が広がり、頭上をすごいスピードで駆け抜けて行く。風が強く帽子が飛ばされそうだ。

 

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なかなか近づいてこないな~

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衝立岩

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鎌ヶ岳にはガスがかかってきた

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雲がすごい速さで駆け抜けて行く


 強風と空腹にに閉口していたが、鎌ヶ岳が眼前に迫り、お昼御飯までもう少しだとわかってくるとメンバーにもカメラにピースサインを返す余裕が出てきた。ちょといやらしい岩場のトラバースを抜け、笹のトンネルを抜けると岳峠(長石谷側)に到着。

 

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にっこり笑顔で

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風が強い

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慎重にね


 この風ではお昼ごはんを食べる場所は大丈夫かなと思っていたら、岳峠ではそれほど風の直撃は受けないようだ。風はニゴリ谷を駆け上がり、頭上を飛び越えて行ってくれるようだ。さっそく、今日のメインイベントである鍋の準備を始める。

 

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岳峠から見上げる

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早く煮えないかな~


 気温が低いせいで、できるまでじっと我慢を強いられたがやっとできたキムチ鍋は具材も豊富でボリューム満点。寒い中でもほかほかと温まる鍋だった。(準備のNさん、ありがとう)


 うどんで締めたあと、Mさん差し入れのいちごのデザートで本当の締め。赤いイチゴで少しだけクリスマス気分。

 

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あったかキムチ鍋

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デザートのいちご

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下界は晴れています

 

 ゆっくり食事をした後、空身で鎌ヶ岳まで上がる。さすがに14時を回っていたので他の登山者は誰もおらず、展望の良い頂上を貸切状態。南を見れば今日歩いた鎌尾根が一望できる。この風で雨乞やイブネ、クラシの頂上部は薄らと白くなっていた。

 

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今日のコースが一望

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あの山は何?

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雨乞、イブ、クラはほんのり雪化粧

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デジイチがほしいMさん

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もう一度、鎌尾根


 たっぷり展望を楽しんだ後はかずら谷コースを黙々と下って宮妻峡谷へ16時到着。ゆっくり鍋を食べていたので少し遅くなったがほぼ計算どおり。皆さんお疲れ様。

 

 これで今年、60回目の山行となったが今年は正月休みが長いのでもう少し行けそうだ。そろそろ雪がふってくれないと困るな~なんて思いながら、今年最後になるメンバーと「よいお年を」の言葉を交わすといよいよ年末だなという実感がようやく湧いてきた。