鈴鹿 ジャリガ谷から鎌尾根 沢登り 堰堤に寸断された無残な谷 2011.10.02
こんな奥まで堰堤が(標高600m)
<メンバー>
山仲間(3名)
<山域、形態>
<山域、形態>
<コース>
宮妻キャンプ場~ジャリガ谷~県境稜線~水沢峠~宮妻キャンプ場
10月に入ってもまだ沢シーズンは続く。ただ、気温がぐっと下がったせいか風邪ひきでメンバー二人が欠席。うーん、そろそろ終盤かなあ。
行き先は鈴鹿の未見の沢と言う事で宮妻峡にあるジャリガ谷を選ぶ。ネット上で若干の記録があるものの、近年、大規模な堰堤工事が行われており、現在の状況が気になるところだ。
すっかり涼しくなったせいか、宮妻峡キャンプ場はたくさんのハイカーで賑わっていた。一方、沢で水を浴びるのには若干勇気のいる気温。当初、ジャリガ谷が全く外れだったときの保険として、いったんカズラ谷を登り、反対側の支谷を下ってジャリガ谷の中流部に降りる予定だったが寒いのでジャリガ谷一本に変更する。
入道ヶ岳へ伸びる林道を歩き右岸に祠のある谷がジャリガ谷だ。左岸には車が通れる立派な林道が谷奥に伸びているのでそこを歩く。
ジャリガ谷入り口
堰堤を二つ見送ると谷の中に形のいい滝が現れたので一度降りてみる。しかしそこには無残な光景が広がっていた。水に濡れている部分だけ赤茶けた花崗岩と建築資材の残材・・ウォーミングアップに滝を越えるがすぐに堰堤があるのでまた林道に戻る。
林道がいったんカーブするところで再び立派な2条の滝が見えたので再入渓、その上にも滝があったが同じく岩が赤茶けている・・そして四つ目の堰堤が目の前に現れたので、もう一度林道へ戻る。
見事な滝のはずだが・・
四つ目の堰堤(これは以前からの堰堤)
五つ目のの堰堤 平成20年製
林道の終点は六つ目の堰堤になっていた、完成時期は平成21年。すでに標高600M、水平距離では約半分を越えたあたりまで林道を歩いた事になる・・。遡行するところなんて残っているのだろうか。
最後(六つ目)の堰堤 平成21年製
最後の堰堤を越えてようやく遡行開始。岩の色は本来の白色に戻っている。現れる3~10mの滝を直登していくとようやく楽しくなってきた。
ようやく本来の姿
左から越える
多段、直登
二股の滝、左が本流
左側の滝、直登
と思ったのもつかの間、8Mの滝を越えると谷はガレ状になり、水が伏流してしまった・・。まだ遡行開始して30分程しかたっていない。このまま稜線に達してしまったらどうしようかなどと考えながらゴーロを詰めていく。
水が涸れた・・
すると水音が聞こえ始め、10M程の滝が現れた(ほっ)。滝は細い溝状になっていて上部にはCSが乗っかっている。強引に溝の中を進めるかなと思ったが、岩が脆そうで高度感がある。今日は無理をする気も無いので左のルンゼを大巻きする。その上の滝も一緒に巻き、ロープを使わずに谷に戻る事ができた。
滝が現れた
突破出来るかなあ
左側のルンゼ、巻きの途中から
滝の上は二股になっていて、右からは落差のある滝が流れ込んでいる。おもしろそうだと思ったが本流である左側を進む。
右から流れ込む滝
またチョロチョロに
水がチョロチョロになり、涸れかけたところに再び溝状の滝が現れた。これも巻いては面白くないので直登。岩が脆く、セカンドをM君が登った時、私も足をかけたスタンスがガバッとはがれてしまった。幸いロープを付けていたおかげで事無きを得たが、トップで行っている時じゃなくて助かった。
溝状滝、直登
その上にも右側がハングした溝状滝が現れるがこれも直登。滝の上で水は涸れてしまい、後は最近崩れたばかりのようなゴーロを詰め、中ノ谷との中間にある支尾根(空中回廊)にたどり着いた。支尾根を詰め鎌尾根に到着。
右側がハングした滝、直登
釜跡
土石流跡
麓が見える
支尾根に到着
鎌ヶ岳
時間は12時30分。遡行での見せ場が余りなかったので(それなりに楽しめたが)、帰路は鎌尾根を歩き、水沢峠経由で帰る事にする。
鎌尾根
途中、見晴らしのいいところで昼食を取っていると次から次にハイカーがやって来る。さすが鈴鹿有数の名コースだ。若い人も以前よりも多くなっており少しうれしいサークルの勧誘のビラでも配ったらなんて冗談を言いながら水沢岳を目指す。
途中、見晴らしのいいところで昼食を取っていると次から次にハイカーがやって来る。さすが鈴鹿有数の名コースだ。若い人も以前よりも多くなっており少しうれしいサークルの勧誘のビラでも配ったらなんて冗談を言いながら水沢岳を目指す。
衝立岩と鎌ヶ岳
鎌に背を向けて鎌尾根を歩くのは実は初めての経験で新鮮だった。少しずつ遠くなる鎌ヶ岳を振り返りながらキノコ岩のザレを登って水沢岳。水沢峠からの下りは記憶にあるよりもかなり荒れていた。宮妻峡に着いた時にはハイカーの車はほとんどいなくなっていた。
キノコ岩
林道に降り立つ
ジャリガ谷は堰堤工事と中流部のガレのおかげで遡行の対象としてはかなり残念な谷になっていた。もう少し水量が多いと違った印象なのかもしれないが、1日かけて遡行する谷ではもうなくなってしまったような気がする。こんなマイナー沢に付き合ってくれたお二人に感謝。
今回のコース