晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

御池岳 晩秋と初冬の間 2008.11.23

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夕暮れのぶな林

 

<メンバー>
サークル

 

<山域>

 

<コース>
御池橋~ゴロ谷出合~アザミ谷~伊勢尾~ヒルコバ~鈴北岳~道池~丸山~ボタンブチ~幸助の池~T字尾根~御池橋


 11月後半の三連休はテント泊の予定でしたが、月曜日は生憎の雨の予報。仕方がないので急遽日帰り山行きに変更です。コースは滋賀県側から御池岳。御池岳は何回も歩いていますが、いつも三重側からのアプローチなので楽しみです。おなじくテント泊が中止になったbiwacoさんパーティーと合流の予定です。

 

 メンバーの集合が遅れたので、biwacoさん達には先に行ってもらい、我々は30分遅れで出発です。永源寺ダムから政所経由で山に分け入ります。御池川沿いにある「ヒルコバ」、「君が畑」はよくこんな場所に集落が、と驚くような山村です。昔はさぞ不便な生活を強いられていたのでしょう。まあ、今は車で30分も走れば町に出られるんですが。

 

 クネクネの林道をしばらく走ると出発地点の御池橋に到着です。この場所の標高はすでに600m以上あり、紅葉はすっかり終わっています。伊勢尾に取り付く前にゴロ谷出合からアザミ谷へ河原を歩いて行きます。谷は落ち場に埋め尽くされ、秋の終わりの最後の一コマを見せてくれます。

 

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落ち葉で埋め尽くされる谷

 

 伊勢尾への取り付きはどうするか決めていませんでした。尾根の末端から乗るのが正解だったようですが、あえて谷沿いを進みます。しかし、谷の両岸が少しづつ両側が狭まったきたのでこれ以上の谷歩きは時間がかかりすぎると判断し、適当な斜面を見つけて尾根に駆け上がります。ザレた急斜面でしたが、みんな何の問題も無くクリアです。

 

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ザレの急斜面を駆け上がる

 

 伊勢尾は思ったより歩きやすい尾根でしっかりとした踏み跡もあります。左側(西)は暗い植林、右側(東)は葉を落とした明るい2次林です。P894を右折し、鈴ヶ岳から伸びる尾根に乗り換えます。

 

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すっかり葉を落とした森

 

 鈴ヶ岳へは直接登らず、トラバースでヒルコバに向かいます。落葉が絨毯のようにつもり、傾斜の急な斜面ではスリップをしないように神経を使います。昨日の雪が溶けて足元もずるずるです。

 

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ヒルコバへのトラバース

 

 やがて、正面に青空が見えてくると鈴ヶ岳と鈴北岳の鞍部「ヒルコバ」に到着です。それにしてもすごいネーミングです。まあ、この辺りは夏場は激ヒル地帯になりますが・・。

 

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この鞍部がヒルコバ

 

 ヒルコバから進路を南東に取り鈴北岳に向かいます。この辺りに来ると昨日の雪がまだ残っており、歩くのに一苦労です。運動靴で参加のT君はよく頑張ります。

 

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しっかり雪が残っている

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滑りやすいな~

 

 樹林が途切れ視界が広がると鈴北岳は目の前です。せっかく展望が開けたのに、頭上には冬型の気圧配置時特有の灰色の雲が流れています。biwacoさん達にはまだ追いつけません。

 

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正面の丘が鈴北岳

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丸山方面 (雲が厚い・・)

 

 集合場所は真の谷から丸山へ向かう分岐点辺り。鈴北岳から見下ろすと小さくbiwacoさん達と思われるパーティーも見えます。もう少し頑張って追いつきますか。日本庭園にも雪がうっすらと積もっています。この辺りまで来るとハイカーもたくさんです。

 

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雪の日本庭園を歩く

 

 表面がしっかり凍った真の池を通り過ぎ、少し歩いたところでbiwacoさん達と合流できました。もうお昼は過ぎているので、このあたりでご飯にしましょうか。道池のほとりでシートをひいてランチタイムです。じっとしていると寒いのですが、biwacoさんパーティーにふるまってもらった豚汁が最高でした。

 

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真の池

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道池


 クロオさんから暖かいコーヒーもいただいて、楽しいランチタイムが過ぎて行きます。でもあまりのんびりしてはいられません。秋の日はつるべ落とし。さあ、そろそろ出発しましょうか。

 

 いったん丸山へ登り返した後、ボタンブチへ向かって歩きます。心配していた雪もそれほどありません。天狗の鼻、ボタンブチからは眺める景色はガスがかかって行く分霞んでいますが、歩いてきた伊勢尾、これから歩くT字尾根が一望のもとに見渡せます。

 

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いざ、奥の平へ

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天狗の鼻

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ようやく太陽が

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T字尾根

 
 空には相変わらず厚い雲が走っていますが、時折、雲の切れ間から太陽が差し込むと、急に暖かく感じられます。風も収まったようなのでのんびり気分で歩きます。広々とした奥の平を眺めながら、ここが雪で覆われる日が楽しみだな~と今から考えてしまいます。

 

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雲が走る

 

 幸助の森を過ぎ、青のドリーネを超えてT字尾根の下降点に到着です。ここからは急斜面なので少し気をつけないといけません。雪も溶けてずるずるの状態です、
 

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 幸助の森

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幸助の池

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何年か前は背丈を超える笹原だったという

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ボタンブチ方面を振り返る

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一番向こうが綿向山


 落石と尻もちに注意しながらゆっくりと下って行くと、いつの間にかボタンブチがはるか頭上にそびえているのが見えます。ああ、もうこんなに下ってきたんだ。

 

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ボタンブチを見上げる

 

 P967を過ぎるとシャクナゲのやせ尾根になりますが、すぐに雰囲気のいいぶなの尾根に変わります。ここはのんびり歩きたいところですが、日没時間が気になるので先を急ぎます。

 

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夕暮れのぶな林

 

 T字の交点にある「お父さんぶな」にちょっとだけ挨拶をして、北西に延びる尾根を歩きます。最後の植林の斜面を降りると御池橋に到着です。

 

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お父さんのぶな

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T字尾根北西尾根

 

 テント泊は中止になって、ちょっぴり意気消沈でしたが思いがけず賑やかな山行になりました。豚汁、コーヒーも美味しく、心も体もあったかでした。次はいよいよスノーハイクになるでしょうか。みなさん、またよろしくお願いします。 
 

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 今回のコース