八風大谷から岩ヶ峰 山桜の巨木を訪ねて 2008.04.19
山桜の巨木
<メンバー>
単独
<山域>
<コース>
八風大谷~岩ヶ峰~八風キャンプ場
春たけなわの最近。里の桜は既に散ってしまったが、山の桜はどうだろうか?ハリマオさんのHPに八風大谷の山桜が紹介されていたので早速たずねてみる事にした。
久し振りに初めて歩くルートを歩く。西尾本をめくり、地形図とニラメッコする、なんだかワクワク。最初は林道歩きで、その後沢歩きが楽しめそうだ。帰りは岩ヶ峰を経由してイワウチワの鑑賞といこう。頭の中で想像するだけで歩いたような気になってしまう。
菰野町に入り八風キャンプ場に向かう道を西に走る。切畑集落を過ぎ、東海自然歩道が道を分けるところで左に入り、入り口の広場に車を止める。歩き始めてすぐに八風の大石に行き当たる。昔から村と村の境界になっていた重要な石で、この石の上で会合を開いた事もあったという。そういえば千種街道沿いの根の平集落あたりにも似たような石があったなあ。
八風の大石
東海自然歩道が左に分かれるところを更に直進すると、やがて大谷と思われる水の流れに出合う。しばらくは右岸の林道をテクテク歩く。林道沿いの山桜は今が見頃とばかりに咲いている。30分ほど歩いたところで、林道の様子が西尾本の記載と違う事に気が付いた。畳岩も出てこなければ、キャンプに適した台地も出てこない。堰堤の位置もなんだか違うしこれはおかしいと思い引き返す。しかし、これが大失敗。大石までもどっても間違うような分岐は出てこない。結局思い直して一度歩いた道を再び歩きはじめる。45分のロス・・。
林道沿いの山桜1
林道沿いの山桜2
春だねえ
満開
天気も上々
右側に採石場が見えるあたりで林道は右に曲がり急に乏しくなる。ちょっとした土手を超えるちょっとした滝場になっており気持のいい沢沿いの風がすーっと通り抜けていく。冬の間忘れていた感覚だ。なんだかわくわく。
八風大谷 気持ちいい~
しかし、驚いた事にエンジン音もけたたましくトライアルバイクが沢沿いの斜面や谷中の石の上を走っている。しばらく眺めていたが、このバイクの踏破性はすごく、人間一人がやっと歩けるようなソマ道も難なく走ってしまう。いろんな趣味があるのは結構だが、ちょっと自然へのダメージが大きいかなと思ってしまう。こけてオイルでも漏れたら・・。
こんな人たちが
気を取り直して遡行開始。今日はハイパーV出来たので水陸両用だ。厳しい沢には少し怖いが、今日のようなやさしい沢とソマ道のミックスにはちょうど良い。気温は高いが水は冷たく、膝まで水につかっていると足がジンジンしてくる。(でも気持ちいい)
やっぱり沢はいいな~
谷は沢登りと言うほどの滝はなく、飛び石とソマ道歩きを繰り返しながらさかのぼっていく。古いテープがあり、わずかではあるが人が歩いている跡が見える。左側の大きな岩を過ぎ、小さな滝を登って行く。
大きな石
小滝が続く
件の山桜は窯場にあるらしい。しばらくは窯跡があるような平坦地は見られなかったが、流れが伏流になったあたりで急にぽっかり広場のような場所にでた。広場の中央には人間一人では抱えきれない程の太さの山桜。近くには2基の窯跡。ここだー。しかし、ふもとに比べて標高が高いせいか桜は咲いていなかった。(もう少し後かな?)
窯場の山桜
残念ながらまだ咲いていない
これで目的の大半は達成できた。ふと空を見上げると主稜線あたりはどんより雲がかかっている。日本海側からの風が鈴鹿山脈で雲を作っているのだろう。このまま稜線に上がっても仕方ないので、右の涸れ谷を登り、岩ヶ峰の稜線に出る。
稜線への上りは厳しい急斜面で木の根、木の枝をつかんでのモンキークライムとなる。これだけ腕を使うのも久しぶりだ。途中の斜面ではイワウチワがきれいに咲いていた。
イワウチワ1
イワウチワ2
イワウチワ3
イワウチワ4
なんとか岩ヶ峰の稜線に辿り着いたがものすごい風が吹いている。眼下の伊勢平野は暖かく日が差しているが、主稜線に近ければ近いほど雲が厚い。とにかくじっとしていられないほどの風なので、足早に下山を開始する。標高700m辺りではアカヤシオが咲き始めていた。
アカヤシオが咲き始めた
岩ヶ峰からの下りはやせ尾根で道を間違う心配は少ないが、傾斜が急で歩くのに難儀する。途中、きれいに咲いているアカヤシオに遭遇するが、強風のせいで花も飛ばされそうだ。
風で飛ばされそう
八分咲きのアカヤシオ
尾根沿いの道にもイワウチワがたくさん咲いていた。鎌ヶ岳のイワウチワよりも多いかもしれない。天気が良ければもっと気持ちよく歩けただろう。
再びイワウチワ1
イワウチワ群落
尾根の末端は植林帯になっており、そこから谷沿いに降りると八風渓谷の支流のひとつにでた。林道を歩くとすぐにキャンプ場の看板がある。ここから車が置いてある場所まで30分ほどテクテク歩く。
車を東へ走らせるとそこは太陽がさんさんと降り注ぎ、山中の強風が嘘の様だ。振り返り鈴鹿の山を見ると厚い雲が稜線上を流れていた。
雲がかかったままの稜線