晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

雨乞岳 雪タップリの稜線より 2008.03.02

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白きたおやかな峰

 

<メンバー>
山仲間

 

<山域>

 

<コース>
甲津畑-奥の畑-南雨乞岳-雨乞岳-(西尾根)-甲津畑

 

 今日は久し振りの仲間と久し振りに滋賀県側から登ることになった。3月は鈴鹿越の三つの峠(武平峠、石グレ峠、鞍掛峠)が冬季通行止めになっているので滋賀県側に回るのは大変なのだが、新しく開通した新名神を使えば多少なりとも早く行けると考えた。

 

 伊勢湾岸から東名阪に入り、新名神に乗るところまでは非常にスムーズ。ただ、休日の朝にも関わらず結構車(特にトラック)が多いように感じた。土山SAでトイレを済ませ、あとは最寄のインターを降りるだけとなった。看板を見ると「甲賀土山IC」の先の「甲南IC」が最も近そうな感じだったので、土山ICをパスし、しばらく走ると、なんと「甲南IC工事中」の看板・・。結局「信楽IC」まで遠回りする事になり、15分遅刻で集合場所に到着。みなさんスイマセン。

 

 甲津畑の集落を過ぎると道沿いにも雪がいっぱい。登山口までは完全な雪道走行になってしまった。なんとか登山口まで車を進め、準備をした後、出発進行。

 

 林道は最初から20cm程の積雪。昨日のものと思われる踏み跡が凸凹で歩きにくい。この積雪では時間がかかると思い、意識的に飛ばす。標準タイム×1.1ぐらいで桜地蔵に到着。ここで休憩。

 

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桜地蔵で安全祈願

 

 千種街道にかけられた橋はいつの間にかきれいに掛け替えられていてたっぷりの雪を乗せてもしかっかリしている。途中、引き返してきた人や釣り竿を持った人を追い越してひたすら歩く。

 

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雪の千種街道

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渋川源流

 

 奥の畑出会いを過ぎたところで壷足ではきつくなってきたのでワカンタイム。近くに噂の蓮如小屋があったのでそこで休憩。壁は周りの木を切ってきたようだが屋根は立派なトタンでできている。ここまでどうやって運んだのだろう?

 

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噂の蓮如小屋?

 

 少し戻って奥の畑に向かう。踏み跡のほとんどは杉峠向かっており、奥の畑方面はスノーシューが一人のみ。少しトラバース道をこなすと山に囲まれた平坦地に出た。奥の畑だ。畑があってもおかしくない疎林の広場で、今日は一面の雪原となっている。ちょうど青空も出てきて思わずテンションアップ!

 

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奥の畑に到着

 

 雪を踏み、渡渉を繰り返しゆっくりと高度を上げていく。途中奥の畑の主「シオジ」の木に挨拶をする。朝のうちは霧氷が付いていたようで、日光で溶けた霧氷がポタポタと頭上に降り注ぐ。

 

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奥の畑の主 シオジ

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青空が気持ちいい

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雪の渡渉は難儀します

 

 昔の炭焼き道でもあるこのルートはゆっくりと気づかないうちに高度を上げるようになっていて、遠くに見えていたと思っていた稜線が手の届くような高さになってきた。 あとは急斜面を一気に上ると綿向山から雨乞岳に向かう稜線いでることになる。すきっ腹を抱えて、何度もへこたれそうになるが、重い体に鞭をうって足を前に動かす。

 

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稜線目指してガンバレ

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稜線まであと少し

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雨乞岳に延びる稜線

 

 やっとのことで稜線に上がると驚いた。綿向山から延びる稜線が真っ白の雪におおわれ、なだらかなうねりを見せながら伸びている。普段は笹におおわれた尾根だが、雪化粧するとなんとも言えない姿を見せてくれる。疲れも忘れてただ息をのむ。

 

 少し西側には別のパーティーが休憩していた。鈴鹿スカイライ方面から登って来たようで、ここで昼食し、荷物をデポして雨乞岳を往復しているようだ。

 

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清水の頭方面

 

 稜線上のくぼ地に陣取って待ちに待った昼食タイム。今日は豪華中華鍋。家庭菜園で採れた水菜や白菜をふんだんに使った鍋にキムチを投入。豚肉、鶏肉、キリタンポ、モチ・・どこにこれだけ入っていたんだろうと思うだけの材料が瞬く間にみんなの胃袋に消えてしまった。

 

 1時間の昼食タイムのあと、雨乞岳を目指す。かなり食べ過ぎてしまったので体が重いのなんの・・。

 でも雪質は良く、スノーシューのグリップも快適にぐんぐん高度を上げる。途中、歩いてきた尾根を上から見下ろすようになり、展望はさらにすばらしくなる。雪庇が伸びる尾根を歩いていると、ここが本当に鈴鹿なのかと思ってしまう。

 

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南雨乞岳を目指します

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綿向山から続く尾根

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雪庇の尾根

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綿向山(奥)と清水の頭(手前)

 

 南雨乞岳からは360°の展望が広がる。しかし、空はいつの間にか曇りはじめどんよりとしてきた。ここから雨乞岳本峰へはこれまた雄大な雪の尾根が広がっており、何とも絵になる光景。

 

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雨乞岳本峰へ

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先頭は早いな~

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もう一度綿向山

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近郊の低山とは思えない景色

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振り返る

 

 みんなすばらしい景色に歓声を上げながら歩いているとあっという間に雨乞岳に到着。山頂の道標(カヌーのパドルや鯉のぼり)が、ずいぶん下に見える。やっぱり相当積もっているようで、山頂の池は影も形も見えなかった。時間はすでに15時を回っていたが、あとは下るだけなので心配はない。西尾根をシリセードで下るとあっという間に千種街道に合流した。

 

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兎の足跡を追って

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雨乞岳山頂

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イブネクラシの台地

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千種街道に戻ります オオシデとご対面

 

 あとは雪の街道を甲津畑へ歩くだけ。最後の林道歩きはさすがに退屈したが暗くなる前に車に到着。

 

 再び雪道運転で駐車場に戻った後、再開を誓って解散。今日はたっぷり歩き、たっぷり遊び、たっぷり食べることができた大満足山行だった。

 

みなさん、どうもありがとうございました。