晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

藤原岳 福寿草偵察山行 2008.03.08

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今年最初の福寿草


<メンバー>

単独

 

<山域>

 

<コース>
西藤原-天狗岩付近-藤原山荘-(表道)-西藤原



 天気の良い土曜日。次の日曜はサークルの山行があるので自重しようかとも思ったが、仕事のストレスがあまりにも大きく、これは山へ行って発散しないといけない思い、ひとりで出かける事にする。

 

 気温からいって最後の雪山になりそうなので、今年はついに青空で臨めなかった冬の御池にしようかとも思ったが、疲れからか寝坊してしまった・・。仕方がないので藤原岳福寿草の様子を見に行こうと、山へ行くには少し遅い時間になってしまったが、西藤原へ向かう。

 

 3月の第1週であれば例年なら稜線あたりでも福寿草が咲き始める。当然、それを目当てのハイカーも多く、西藤原の駐車場はどこもいっぱい。さすがやねー。隙間を見つけて車を置き、そそくさと準備をして歩き始める。時刻は10:30.

 

 麓から見る藤原岳はまだまだ雪がたっぷりで、一般登山道では福寿草にはお目にかかれそうにないだろう・・。

 

 そう考え、少し離れた場所から適当に場所を決め、えいやっと登り始める。それほど険しくないだろうとタカをククッタのが大間違い。雪解けの泥濘状態の急斜面をずりずりと登るはめになってしまった。靴もソールがすり減った夏靴なので非常に効率が悪い・・。3歩登って2歩すべり落ちるというのを繰り返す。

 

 木を掴み、岩を頼りになんとか標高500m辺りまでやってくると雰囲気が変わり、手を使わなくても登れる傾斜になってきた。日当たりのいい南斜面では雪が解け、陽だまりができている。花が咲いていてもおかしくない雰囲気になる。

 

 やがてコバ状の平坦な場所に来たな~と思ったら地面に黄色いものがチラホラと。咲いていた~!

 

 べつだん珍しい花でもないのだが、やっぱりこの季節には見たくなってしまう。
ああ、今年もこれで春が来たのを実感できる。ザックを下ろし、おにぎりを食べながら今までの苦労を忘れて写真を撮る。

 

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今年初めての福寿草

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この黄色に癒されます~

 

 あまりのんびりしていられないので、再び登り始める。登山道からは離れているので踏み跡も全くないが、鉱山会社のものと思われる石柱がいくつか見られる。標高700mを超えると完全な雪山になり花は全く期待できない。雪はザラメ状の軟雪でワカンが沈む・・。高度計と時計を睨み、稜線に上がれる時間を逆算する。けっこうきついなー。

 

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700mより上は雪山

 

 高度がある程度上がってくると雪の状態も少しはマシになってきて、沈んでもせいぜい脛までになってきた。足を上げた分だけ確実に高度が稼げるのがうれしい。900mを超えると木もまばらになり、見晴らしが良くなる。自分の付けたトレースを眺め、しばし休憩。

 

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雪に映る自画像撮影


 昼食込みだがなんとか3時間半で稜線に出ることができた。天狗岩の少し北にでたようだ。白船峠から歩いてきたトレースを見つけて合流する。トレースの主はせいぜい2、3人で思ったより少ない。

 

 歩幅が合わず歩きにくいが、外すと結構沈むので忠実に辿る。空は気持ちよく晴れ渡り、青空が目にまぶしい。鉄塔の向こうに御池岳が見える。今日、テーブルランドに行けた人は最高だろうな~。

 

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稜線上は気持ちのいい青空


 天狗岩を過ぎるととたんにトレースが増えた。まるでマラソンでもあったかと思わせるようなおびただしいトレース。メインルートはカチカチに踏み固められてまるでアイスバーンのよう。時間が遅いので、誰の人影も見ることは無い。

 

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天狗岩~藤原山荘は足跡でいっぱい1

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天狗岩~藤原山荘は足跡でいっぱい2


 藤原山荘のあたりもまだたっぷりと雪が残っている。この辺で福寿草が見られるのはまだまだ先だろう。時間も迫っているので小屋ぬもよらず、表道を使ってまっすぐに帰る。

 

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てらてらと光る雪原

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だれもいない藤原山荘付近

 

 8合目までの冬道も踏み固められてアイスバーン状態。だれもいないのでシリセードを多用し、一気に下る。8合目の手前で今日初めて人に出逢う。今日はゴアの合羽ではなく、安いナイロンのオーバーパンツをはいているので、思いっきりシリセードができる。7合目までの九十九折の道もショートカット&シリセード。あとは半分走るように大貝戸まで下りる。

 

 大貝戸には4時過ぎに着くことができた。ふーヤレヤレ。最初はどうなる事かと思ったが、福寿草が見られて満足、満足。明日の山行も大丈夫だろう。でもやっぱり遅い時間に初めてのルートはいかんなーと、少し反省した久しぶりの単独行だった。