晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

下谷尻谷からお金明神 鈴鹿秘境探訪 2007.08.26

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下谷尻谷出合


<メンバー>

サークル

 

<山域>

 

<コース>
朝明-ハト峰-ヒロサワ-下谷尻谷出合-コリカキバ-お金明神-大瀞-中峠-朝明

 


 お盆も過ぎて夏休みももうすぐ終わり・・。夏休みなんて無い大人になっても8月の終わりは何だか寂しい気持ちになるもんだ。が、時間に限りのある大人は、限りある時間の中で目一杯遊ばなくてはいけないので、8月最後の日曜日も鈴鹿の沢に出かけてしまった。

  行き先は愛知川の支流、クラシを源に鈴鹿の秘境を流れる谷尻谷の下流部、下谷尻谷。愛知川西側の支流と違って少し暗い雰囲気の谷だが、岩提の滝など見所もあり、お金明神とセットにすれば鈴鹿の秘境探訪が楽しめる。

 

 例によって太陽のギラギラ照りつける朝明をハト峰に向かって歩き始める。でも、心なしか照り付けが弱くなったと思うのは気のせいか?

 

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今日も太陽ギラギラの朝明


 ハト峰で記念撮影の後、ハト峰湿原を通過。サギソウが二つ三つ咲いていたが、今日は先を急ぐので写真を撮らずに通過。

 

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例によってハト峰で記念撮影

 

 今日の入渓はヒロサワから。愛知川本流を下って谷尻谷出合まで行こうと言う寸法だ。この所雨が少ないせいか、水の流れが弱々しいが水遊びには十分だ。ヒロサワでさっそくはしゃぎ始めるメンバー達。

 

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ヒロサワでさっそく水遊び


 少し下るとすぐに七丈淵。ウォータースライダーの滝は前回に比べ、ずいぶん小さくなっていたが、例によって遊んでしまう。今日、沢デビューの"くま姉さん"もエンジン全開でおおはしゃぎ。スライダー2回では物足りなく、ダイビングにも挑戦。

 

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ウォータースライダーは素通りできません

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ダイビング(くま姉さん)

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スライダー

 

 まだまだ先は長いのだと、遊びたがるメンバーを急かして先を進む。しかし、次の天狗滝でも滝裏に下りて見たり、飛び込んで見たり、予想通り時間がかかってしまう。

 

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ラッコ泳ぎ~

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天狗滝


 天狗滝を過ぎ、廊下を泳ぎで通過する。下りなのでラクチンだ。そうこうしているとようやく下谷尻谷出合のチョックストーンの滝が現れた。

 

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廊下泳ぎ

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下谷尻谷出合CSの滝


 この滝は通過が難しい。いつかは挑戦してみたいが、今日は時間最優先。すぐ横のガレ場を乗り越して、ロープで谷尻谷に入る。谷は両側が切り立った壁になっており、中は巨石で埋もれている。水温も幾分低いようで、雰囲気が一転する。

 

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谷の中は巨石でいっぱい

 

 巨石群を乗り越えてしばらく遡行すると、もう一箇所チョックストーンの滝が現れる。右側のバンドから残置ロープを利用して高巻くが、かなり傾斜が立っており少し緊張する。

 

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これまたCSの滝、高巻き

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ロープを頼りに木の根を掴んで


 滝を超えると渓相は少し穏やかになる。谷の底なので日が差し込まず、少し肌寒いくらいだが、元気一杯の"クマ姉さん"は真っ先に釜に飛び込み、泳いでいく。

 

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釜泳ぎ~

 

 やがて、V字に切れ込んだ廊下の奥に右側から流れ込む滝が見える。岩提の滝だ。真横から流れ込む様が天然の堤に見えるようでこの名がついたとか。ここは滝に打たれながら下を通過。シャワーが気持ちいい。

 

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奥に岩堤の滝が

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シャワー爽快

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早く早く

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岩堤の滝 上から


 岩提の滝を通り越せば両側がいくらか開けてくる。谷の中にワイヤーロープが見えるのは昔の林業の残骸か?。岩穴をくぐりったり、変化に富んだコースで面白い。

 

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穴くぐり

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ガマも登場


 やがて、右側からの流れが2条の滝で出合う釜に着くと、そこがコリカキバである。昔、滋賀県佐目の集落の人たちが、ここで身を清めて(コリをかいて)からお金明神に参ったという由緒ある場所。

 

 ここで、遡行を終了し、沢靴を履き替えて朝明へ戻ることにする。まずはお金峠を越えてお金明神に向かう。水で冷えた体に急登が堪える。

 

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コリカバで遡行打ち切り

 

 峠を越して少し下るとお金明神が現れた。久しぶりだがその特異な姿は変わっていない。金属精錬の神様なので、商売繁盛と無病息災をお願いする。

 

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お金明神に立ち寄って


 愛知川左岸の登山道に出ると、右へ進んで大瀞へ向かう。最短コースの中峠超で朝明に変えるのだ。大瀞の鉄橋は更に傷みが増していて、歩いているとグラリとゆれた。そのうち落ちてしまいそうだが、自分の時でない事を祈ろう。

 

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大瀞鉄橋はヒヤヒヤ


 やっとの事で中峠までたどり着くと太陽が西の空に沈もうとしていた。ぎりぎりセーフである。足場の悪いガレた下りをこなしてようやく朝明に到着。

 

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中峠で夕焼け


 朝明の駐車場では我々の車を残すのみとなっていた。着替えをしていると、もう辺りは真っ暗。日もずいぶんと短くなってきた。なんだか秋の気配だ。

 

 それにしても今日のよく遊んだ。沢デビューの人もたいそう楽しんでもらえたようで一安心。秋の気配が忍び寄ってきているが、まだまだ遊び足らない。9月一杯は沢を続けるか。改めてそう思った今回の山行だった。