黒部五郎~双六縦走③ 晴天の稜線散歩 2006.07.30
朝日に映える黒部五郎のカール
<メンバー>
サークル
<山域>
<コース>
3日目:黒部五郎小屋(テント泊)~三又蓮華岳分岐~三又蓮華小屋~鷲羽岳(ピストン)~三又蓮華岳~(中道)~双六小屋
朝、3時に目を覚まし、テントから出ると満天の星空だった。いきなり言葉を失う。今日はどうやら晴れらしい。
雨と結露でびしょびしょになったテントを撤収し、朝食を済ませる頃には、すっかり朝日が昇ってしまいあたりは眩しい光に包まれる。よし!やっぱり山には青空と太陽だ。(今回の山行は天気のことばかり言っているような気がする)
朝日がまぶしい夜明け
まだ、目覚めていない体に鞭をうって、何とか三又蓮華岳への稜線に駆け上がると青空に大パノラマが広がっていた。まだ、歩き始めたばかりだが景色に見とれたり写真を撮ったり。今までの二日間を取り戻さなければ、そんな気持ちになる。
黒部五郎をバックに撮影会
今年は雪解けが遅かったのか、あちらこちらに雪渓が残る。朝日に輝き美しい。重い荷物に久しぶりの雪の感触とあっては、おっかなびっくりに下ってゆくしかない。
薬師岳があんなにはっきりと
雪渓が輝く
雪渓歩き おっとっと
振り返ると、昨日歩いた黒部五郎岳のカールにえぐられた特異な山容が青空の中に浮き上がっている。うーん、すばらしい。
黒部五郎岳、青空に映える
雪渓の斜面を下ると三又山荘に到着。テントが数張りあったが静だ。みんなもう出発したのだろう。しかし、ここは最高のロケーションの山小屋だ。北アルプスのほぼ中央に位置し、四方を山に囲まれている。ハイマツの中の赤い屋根が絵の中の世界のようだ。
三俣山荘
小屋にザックをデポして登り始める。思いザックの呪縛から解き放たれた体はまるで羽が生えたよう(少し大げさか)。景色が良いこともあってグングン高度を稼ぐ。三俣山荘があっという間に小さくなり、三俣蓮華岳が目と同じ高さになってくる。
ここからはアルプスの盟主とも言える槍ヶ岳が、ほんとうに槍のように尖った頂を見せている。
三俣蓮華岳
やっぱりアルプスといえば槍ですな
ここで、一日遅れで出発しているはずの山仲間に電話(携帯がつながる!!)すると、なんと家にいた。仕事上のトラブル発生で断念したようだ。しかし、彼以外のメンバーは予定通り出発しているという。なんともご愁傷様である。
鷲羽岳山頂で
今まで歩いてきた道が全部見える
鷲羽岳からのパノラマ1 岐阜(南)方面
鷲羽岳からのパノラマ2 富山(北)方面
お花畑に佇む
鷲羽岳を降りて再び三又山荘。ここからは荷物を背負い、三又蓮華岳山頂を目指す。しかし、この登りがきつかった・・。鷲羽岳で遊びすぎたのかもしれない。既に山行も三日目に突入。私にとって三日連続の山歩きは未体験。暑さのせいもあり、バテバテで三又蓮華岳に到着。
三俣蓮華山頂にて
ふと目の前を動く物体が!良く見ると「雷鳥」だった。我々を恐れるふうでも無く、悠然と砂浴びをして、目の前をさって行く。みんな息を殺しての撮影会になる。
雷鳥登場!
予定では稜線伝いに双六岳を経由して双六小屋に向かう予定だったが、行動時間は既に10時間を経過し、消耗が著しい。これ以上の登りは小屋到着時刻を遅らせるだけだと判断し、トラバース道である中道を歩いて双六小屋に向かう。夕方が忍び寄ってくる時間にようやく双六小屋に到着。
ここで、こちらに手を振る人がいる。一瞬人違いかと思ったら、今朝、太郎平小屋を出発した後発隊だった。本来なら、三又山荘泊まりで明日の朝、双六小屋で合流のはずだったのだ。小屋泊装備とは言いながら、彼女達の健脚ぶりにあきれてしまう・・。
やっと双六小屋が見えた
小屋は人でごった返していた。テント場も混んでおらず今日は初めて5人でテント泊が出来る。平地にテントを張り、食事の支度に取り掛かる。雨を気にしないでいいのはとてもすばらしい。
明日は新穂高温泉に向けて下るだけ。なんだかもう帰路に着いたような気分になる。3日間歩いてきたご褒美と、無事に歩いて来れたこと、そして今日の青空に、生ビールで乾杯する。(山小屋で生ビールが飲めることにとても驚いた!)
今日の晴天に乾杯!!!
続く