晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

黒部五郎~双六縦走④ 有終の美を飾る、双六岳の日の出  2006.07.31

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双六岳の稜線から見る日の出

 

<メンバー>
サークル

 

<山域>

 

<コース>
4日目:双六小屋~双六岳~双六小屋~鏡平~新穂高温泉

 

 今日は御来光を見ようと昨夜のうちに決めていた。3時起床。湯を沸かし、すばやく雑炊をかきこんで、身支度を整える。

 

 出発は午前4時を少しすぎたところ。夜が明けるまでに双六岳の稜線に駆け上がらなくてはいけない。山行も4日目となったせいか足の疲れが気になるが、今は時間との戦い。チラチラと東の空を見ながら、一刻も早く稜線に上がろうと必死に足を進める。

 

 心臓が飛び出しそうになるのを抑えながら、岩嶺を越えると一気に視界が広がる。稜線にでた。東の空は徐々に赤みを帯びてきたところだった。間に合った。適当な場所に腰を下ろし、カメラを構え、太陽が出るのをじっと待つ。静かな時間が流れる。

 

 東の空が青から徐々に赤みを帯びていき、その赤がにじむように広がる。荘厳な眺めだ。


 

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 稜線からの日の出①

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稜線からの日の出②

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稜線からの日の出③

 

 太陽が地平線から離陸した後も、あたりは真っ赤な朝焼けに染まっている。山にでも来ないとこんな早い時間に起きていることは無いのでとても貴重な体験だ。雲海をバックに記念撮影をした後、稜線を詰めて双六岳山頂を目指す。

 

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雲海をバックに

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朝日に燃える傘ヶ岳

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双六岳へ向かって


 双六岳山頂では朝日に映えるアルプスの山々を眺めながらみんな物思いにふけっている。辛く、楽しかった三日間を振り返ったり、明日からの日常生活を思い浮かべたり、はたまた、何も考えずにボーっとしたり。ただ、共通しているのはこの場所を離れたくないなーという事だけ。

 

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いつまでも眺めていたい

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何を思う


 この辺で何だかカメラの調子がおかしくなってきた。雨の中で撮影してきたのが影響しているのだろうか?何枚かに1枚は全くでたらめな写真が写るようになる。だましだまし、なんとか集合写真を撮る。

 

 そろそろ時間が気になる。帰り支度をするため、朝日に映る槍の穂先を眺めながら山小屋へ戻る。

 

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槍をバックに

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さあ、帰り支度だ

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焼岳そして御岳

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槍の穂先

 

 で、小屋に戻る途中でカメラが全く動かなくなったので、この先の映像はなし。

 

 テントを撤収し、一路、新穂高温泉へ向かう。大した登りは無いがダラダラと谷へ降りるコースタイム6時間の長丁場だ。弓折岳の稜線にいる間は景色が良く、気分も良かったが、谷へ入るとガスがかかり展望はなく、高度が下がるにつれて気温が上昇。下界に近づくにつれ段々無口になってくる。

 

 途中、平日にも関わらず数え切れないほどの登山者(ほとんどが中高年)とすれ違いながら、ひたすら下って行く。ようやく林道が見えてきてからが更に長い・・・。結局、コースタイムより+1時間で新穂高温泉に到着。長かった山旅もようやく終わり。

 

 バス停前の公共浴場で4日間の垢をおとし、極楽気分を味わう。あとは、バス、電車を乗り継いで名古屋へ。帰りの車中ではずっとビールを飲んでいた。4日間を振り返り、あの時はあーだった、こうだったと取り留めのない話をしながら、いつまでもなごりを惜しんでいた。

 

 この4日間、同行してもらったメンバーに深く感謝。言葉では言い尽くせないほどの貴重な時間を共有できたことをとてもうれしく思った。

 

終わり(お付き合いいただきありがとうございました)