晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

御嶽山 快晴の下、痛恨のゲレンデ歩き 2011.02.26

紺碧の空(8合目より)

 

<メンバー>
山仲間(3名)
      
<山域>
木曽

 

<コース>
おんたけ2240リフト券売り場~田の原~8合目石室(ピストン)



 移動性高気圧にすっぽりと覆われた土曜日。もう鈴鹿の雪は溶けているだろうと言う事で、まだまだ寒さの厳しい3000m峰を狙う。ターゲットはスキー場のゴンドラで2200mまで上がる事の出来る御嶽山だ。

 

 御嶽ロープウェイは今年から冬季の営業をやめているので、まだ営業している「おんたけ2240」に向かう(スキー場の経営は厳しいらしい)。早朝に名古屋を出発し、もうすぐスキー場というところまでたどり着いたのは営業開始から30分を経過したころだった。

 

 しかし、スキー場から折り返してくる車と何台もすれ違う・・。なんかおかしいなあと思ったら強風の為、ゴンドラリフトが全て運休しているとの事。ここまで来て引き返すのも癪なのでとりあえず準備をする。

 

 ここで少し考える。田の原と現在地の標高差は約500m、歩いて登れば2時間弱。その間にゴンドラが動き出すのであればここで運転を待っているのも手だがその保証は無い(こういう場合、スキー場は決して見通しは言わない)。ただ、予定の行程に+2時間してしまえば到底頂上にはたどり着けない・・。
悩んだ結果、下から歩く事に決定。まあ、行けるところまで行きましょうか。

 

ゲレンデを歩く羽目に・・

 

 歩き始めてしばらくすると風の影響の少ないゲレンデ下部のリフトから動き出した。リフトに乗れば少しは高度を稼げるかな?と思ったらパトロールに呼び止められ、板を履いていないとリフトには乗れないと注意される。どんくさいボーダーよりこっちの方が機敏動けるのに!と内心思ったが、おとなしく従う。

 

下のリフトは動き出したが・・

 

 ゴンドラの駅は近くに見えているのだが中々近づいてこない・・。リフトの止まっているゲレンデ上部はスキーヤーもいないので一人占め状態。でも余りうれしく無い。

 

ゴンドラの駅

ゲレンデを一人占め(うれしくない)

 

 ゴンドラ山頂駅のある三笠山を回り込むように林道を歩いて行くとやっと御嶽山がその姿を現した。雲一つない青空の下に聳えるその姿はやっぱりカッコイイ。

 

やっと御嶽山が見えた

威風堂々の姿

田の原

 

 田の原に到着時刻は11:30。予定より2時間以上遅れている。ゴンドラが動いていれば今頃王滝頂上まで行っているのに・・。と恨み言を言っても仕方がないので行けるところまで行く事にする。鳥居の前で大休止をして腹ごしらえ。そしてワカンを装着しいざ出発。

 

いざ出発

 

 もう昼近くなので雪が若干緩んではいるものの快適に歩いて行ける。空には一片の雲も無く風も穏やか。あのゴンドラ運休は何だったんだろうと思ってしまう(まだ根に持っている)。大江観音を過ぎたところで先行していた女性二人パーティーに追いつき、先に行かせてもらう。

 

積雪量はこんな感じ

先行者がいた

大江権現を通過

 

 やがて森林限界を超えると一面の銀世界。空は青と言うよりも紺色に近く、宇宙にだんだん近づいて行くような錯覚を覚える。Yさんもウキウキとなってポージング。今日はこの冬一番の山日和かもしれない。

 

ウキウキのYさん

王滝頂上が見える

 

 近くに適度な目標が無いので歩いても歩いても景色が変わらないが、それでも一歩一歩登って行くと着実に高度は増してくる。何度も立ち止まって何度も景色に見とれながら歩いて行くと当初目標にしていた金剛童子に到着。風が弱いせいかエビのしっぽはそれほど成長していなかった。

 

一歩一歩登っていく

紺碧の空

飛行機雲

金剛童子に到着

 

 思ったよりも早く着いたのでタイムリミットギリギリまで歩く事にする。雪面は粉雪が吹きだまっているところとアイスバーンが交互にあらわれるが、アイゼンの上からワカンを装着しているので、特に問題にならずぬ歩いて行ける。

 

行けるところまで行こう

見上げる

 

 13:30 8合目石室でタイムアップ。見上げれば王滝頂上の建物がすぐ近く(のように)見えている。あ~、返す返す恨めしい。と嘆いていても仕方ないので急いで下山する。下りは登りの苦しさが嘘のようにサクサクと下れる。あっという間に田の原に戻ってくる。

 

8合目、ここでタイムアップ

もう少しなのにな~

石室は雪で埋まっていた

仕方がないのでポーズ

恨めしいのでもう一度振り返る

中アにも行ってみたいなあ

さあ下山

 

  田の原ではテントを張っているパーティーが。今日は宴会で明日の朝、頂上を目指すらしい。午後からはゴンドラ動いていたのでここまでは楽チンだったようだ。うーん、次はこのスタイルがいいかなあ。

 

 ゲレンデの下りは迂回ルートを使わず、そのままかけ下る。ちゃんとヒップソリを持ってきたD君は起きて破りのシリセード。下りは1時間弱でゴンドラ駅に到着。

 

おきて破りのゲレンデシリセード

 

 お手軽3000m峰と思って来てみたものの、結局高低差1000m以上のハードな山行になってしまった。でもこれもいい経験だ。来年に向けての課題がまた出来てしまった。冬山は甘く無いなあ。