晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

中央アルプス 三ノ沢岳 独標尾根 敗退 2023.03.11-12

ここを越えれば独標

 

<メンバー>

鈴鹿ハイキング倶楽部 3名

suzuhai.sakura.ne.jp

 

<山域・形態>

中央アルプス・積雪期登山

 

<コース>

1日目

風越山登山口(6:25)~風越山(8:00)~天狗山(11:40~11:55)~独標(14:45)~Ca2275(15:00)泊

2日目

泊地(6:10)~独標(6:35)~天狗山(8:10)~風越山(11:05)~風越山登山口(12:10)

 

 今シーズンの雪山は空木岳連敗など消化不良気味・・。雪山シーズン終盤に挽回しよと数年前から温めていた中央アルプス三ノ沢岳の独標尾根にトライする事に。

 

 入山の記録がほとんどないコースですが、ちょうど1週間前に単独の方が独標で敗退の情報が入っていたのが気になります。しかし2週間前の空木岳は堅い雪で苦戦したし、同行メンバーは20代男子2名。これは楽して静かな稜線歩きが楽しめるかもと内心ほくそえんでいました。

 

 下山予定の菅ノ台に車をデポ、権兵衛トンネルを通って木曽側に回り風越山登山口からスタートします。登山口に雪は無く、もう春の雰囲気。 

 

風越山登山口

 

 最初は落ち葉の積もった急斜面の登山口をふうふう言いながら登って行きます。空は雲一つない青空が広がっていますが、心なしか黄色く霞んでいます。もしかして花粉?(おそろしい)

 

雲一つない

 

 避難小屋を過ぎ、風越山には1時間半ほどで到着。ここまでほとんど雪もなく何だか拍子抜け。でも展望所から見る稜線にはしっかり雪があり期待が高まります。(この後、苦しめられるのも知らずに)

 

避難小屋

風越山

三ノ沢岳が見えた

 

 風越山から少し歩くと雪が出てきます。気温が高くゆるゆるなのでワカンを装着。先週の方のトレースがうっすらと残っているので踏み抜きに気を付けながら歩みを進めます。

 

雪が出て来た

 

 P1784の鞍部を過ぎると天狗山への急登。うっすらと雪の付いた急斜面をアイゼンを利かして登ります。この辺りは少し難易度アップ。

 

天狗山への急登

雪は薄っすら

 

 天狗山で昼食休憩。ここまで5時間ほどかかりましたが、このペースだとあと3時間ほどで予定泊地の中三の沢岳まで行けるだろうと踏んでいました。

 

 しかし、ここからが大変。藪の上に積もった雪は30cm程度でその下には1mほどの空洞があり、一歩歩くごとに落とし穴に落ちる感じ。一度はまってしまえば脱出にも時間と体力を消費します。

 

あれは偽独標

ひざラッセルの箇所も

 

 落とし穴踏み抜きゾーンと急斜面が交互に出てくるので頻繁にワカンの脱着が必要になってきます。途中からアイゼンつけっぱなし、その上にワカンを履くというアイゼンワカンでしのいでいきます。

 

三ノ沢岳、遠いなあ~

 

 時計を見ると時間はどんどん進んで行きますが、独標は中々近づいてきません。何回か偽ピークに騙され、やっと独標に辿り着いた時には14:30を回ってしました。(テンバ到着予定時刻)

 

こんな所も踏み抜き注意

急斜面を登ると

独標に到着

 

 ここでこれからの行程をシミュレーション。天狗山から独標までのわずか900mほどの距離に3時間弱かかっています(時速300m!)。でも暗くなる寸前まで頑張ればP2368位までは行けるかも。

 標高を上げれば雪質も良くなるのに期待できるし。行ける所まで行ってみようと独標を下り始めます。

 

 しかし、独標からの下り斜面はサラサラのビーズか発砲ウレタンの粒のようなザラメ雪。踏んでも固まらず、ズルズルと滑るように降りて行きます。この先もこんな雪が続くようでは明日の三ノ沢岳登頂も怪しく、これ以上進むと引き返すのも難しくなりそう。そして何より、この不安定な雪に心が折れてしまいました。

 

 今日はここで終わり~!

 

 独標直下の樹林帯でテントを張り、失意の宴会。テントの中でせい君の恋バナとGWの壮大な計画を聞きながらそれなりに楽しい夜を過ごしました。

 

 翌日、帰路も踏み抜き地獄が予想されるので早めの出発。さすがに雪は少し締まっていたので独標への登り返しもそれほど踏み抜きませんでした。

 

独標への登り返し

独標到着、ここでテントでも良かった

三ノ沢岳、遠いなあ

 

 独標でご来光を眺めてから改めて下山。気温が上がってくると踏み抜きに苦しみましたが、何とか6時間ほどで下山できました。

 

ご来光

下山

慎重にバックステップで

下りの方が難しい

今日もいい天気(泣き)

 

 菅ノ台に戻り、風呂に入って汗を流して解散(このパターン、今シーズン3回目・・)。やっぱり雪山はコンディションによって大きく変わるので改めて難しいなあと思いました。

 

 あと、個人的には若者二人の倍くらい踏み抜いたので、少し痩せないといけないなあと思いました。

 

 同行してくれたお二人、ありがとう。