晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

天狗岳 冬の八ヶ岳に挑戦 序 黒百合ヒュッテ 2011.02.12

黒百合ヒュッテ

 

<メンバー>
サークル(2名)
      
<山域>

 

<コース>
渋の湯~黒百合ヒュッテ~中山峠~黒百合ヒュッテ(泊)



 一度は行ってみたかった冬の八ヶ岳森林限界の上から見る雪景色はどんなものだろう。そんな思いを今年は実行に移す事にした。目指すは入門コースとして多くの人が訪れると言う天狗岳。状況によっては日帰りも十分可能なコースなのだが、2月の標高2000m超がどんなもんなのか。この時期の山小屋がどんなものなのかを経験するため、あえて小屋泊とした。(テント泊する根性はありませんでした)

 

 通常の日帰り登山の時よりもゆっくり目の出発で東に向かう。心配していた南岸低気圧の影響もピークを過ぎ、高速道路はいたって順調。高速を降りてからの下道はさすがに雪が多かったが、出発から3時間と半で渋の湯に到着。なんだか大台に行くのと変わらないなあ。

 

 前日の悪天にもかかわらず渋の湯の駐車地には車がいっぱいだが何とか停める事ができた。普段はあまり見る事のない関東ナンバーの車が多い。御殿湯で駐車料金を支払いいざ出発。

 

渋御殿湯

 

 11日にはかなりの積雪があったようで登山道の両脇にはフワフワの新雪が1m近く積もっている。しかし、人気の山の人気のコース。トレースはしっかりと踏み固められ、高速道路のような状態。ただ、すでに標高2000mを越えているので若干息が上がるのが早いのと雪がサラサラで滑りやすくなっている。

 

新雪80cmくらい

 

 それでもエアリアのコースタイムもほとんど変わらない時間で八方台分岐に到着。休憩しているとびっくりするくらいの数の団体さんが降りてくる。昨日は低気圧のせいでそれほど人は入っていないのかな?と思っていたので驚いてしまった。ここでやせ我慢をやめてアイゼンを装着。

 

びっくりするぐらいの団体さん

 

 八方台分岐から先は傾斜も緩くなり快適に歩いて行ける。空はずっと曇っておりモノトーンの世界を歩いて行くがこれは織り込み済み。アイゼンを履いたので微妙なスリップも無く効率もアップ。歩き始めてから2時間と少しで黒百合ヒュッテに到着した。

 

トレースはバッチリ

黒百合ヒュッテに到着

 

 受付を済ませ、さてどうするか。このまま小屋でごろごろしていても退屈なので中山峠から天狗岳方面に少し偵察に行く事にする。中山峠まではほとんど登りはなく、あっという間についてしまった。展望のない、樹林帯の中の峠でイメージとはかなり違っていた。

 

 天狗岳方面へのトレースもしっかりあるので樹林帯が途切れるところまで歩いて行く。風も無く穏やかだが相変わらずのモノトーンの世界。これ以上進んでも仕方がないので小屋に引き返す事にする。気温はかなり低いようで降ってくる雪の結晶が綺麗に見えた。

 

中山峠の少し先まで偵察(何も見えない)

結晶のまま降ってくる雪

 

 小屋の今日の宿泊者はおおよそ60~70人位か。天気が良ければもっと混んでいたのかも知れない。学生時代から山をやっているたけやんは何と小屋泊初体験。しきりに暖かいですね~、楽ですね~と感心していた。

 

ヒュッテも戻る

 

 いくつかのグループは個室に移って行ったが、その他のグループは一階の大広間?の思い思いの場所に陣取ってくつろぐ。ここでも人数の多い年配のパーティーがにぎやかにやっていた。我々パーティーは二人だったので暖炉のそばの隅っこでごろごろしていた。

 

賑やかなヒュッテ内

 

 夕食は豪華とは言えないものの、温かいご飯とみそ汁が何の準備もせずに食べられる事に感激。(特にたけやん)ご飯のおかわりが一杯だけで満腹してしまったので、もう若くないのだな~なんて思ってしまう。

 

 夕食の後はまた暖炉の前で小宴会。こんな時はもう少しメンバーが集まればよかったなあと思ってしまう。とくに今日は時間的な余裕もあり、行動時間も短かったのでさほどつかれてはいない。こんなことで眠れるのかなあと密かに心配する。

 

飲みながら作戦会議

 

 とりあえず明日はゆっくり朝食をとって天狗岳を目指す事にして就寝。布団は一人一枚は確保されるようで一安心。心配していたイビキもそれほどでは無く、いつの間にかうつらうつらと眠ってしまった。
 
<翌日へ続く>