安楽川水系 カクレ谷 沢登り 2010沢納めは鈴鹿の秘渓で 2010.11.27
さあ、このスラブをどうするか?
<メンバー>
山仲間
<山域>
<山域>
<コース>
せきすいけい橋~白船谷~カクレ谷~長坂の頭~林道~せきすいけい橋
2010年沢納めは奥美濃方面へ遠征。ただ、入渓地点に向かうに従って気温はグングンさがり、まだ日の出直後とは言え、電光表示板の気温は1℃を指していた。それでも遡行意欲はあったのだが、沢靴を履いている途中に雨が降り出した・・。上を見上げると近江-美濃国境の稜線には冬型特有の鉛色の雲がかかっている。思わず相棒のI君と顔を見合わせ「鈴鹿に行こうか?」と言ってしまう。
I君も同じ気持ちだったようで、「ここからなら3時間ぐらいで行けますよ。沢に入るまえの雨で良かった」と前向きに答えてくれた。そこで再び車に乗り込み、関ヶ原経由で鈴鹿山脈の麓を南下。10時半に石水渓に到着。ここまで南下すれば冬型の影響も弱く、日差しの温かい絶好の沢納め日和になっている。
林道の脇に車を停め、橋のたもとから入渓。今回のコースはI君が今年の沢初めに単独で来て敗退したコースらしい。是非リベンジをという事で、もともと沢納めの候補に入っていた。車を停めた辺りではまだまだ名残の紅葉が目を楽しませてくれる。
この橋のたもとから入渓
最初はウォーミングアップとして白船谷を遡る。もう水も冷たくシャワーを楽しむような気温でも無いが、水の流れの傍らに身を置き、せせらぎに耳を傾けると改めて沢っていいなあと感じてしまう。きれいな滝や淵、ナメがいくつか現れるが、積極的に濡れていく局面では無いので巻きを交えながらのんびり登って行く。堰堤が現れると右手の林道に戻り、カクレ谷へと入る。
きれいな5m滝
泳ぎは無理だなあ
落ち葉が面白い形
夏なら楽しそう
美しいナメ
堰堤
カクレ谷は入口が雑木に隠された見るからにショボイ谷。おまけに水の流れもほとんど無く、よくまあ、こんな谷を見つけてきたものだと思ってしまうが、鈴鹿の山と谷やナカニシヤから出版されている本でも遡行図付きで紹介されている。
カクレ谷に入る
谷の造作は鈴鹿南部特有の花崗岩の明るい谷。だが、降り積もった落ち葉に谷床は覆われ、水がほとんど流れていないので、沢登りというより溝登りという感じ。水流が少ないので分岐ではどれが本流かよくわからないところもあったが、ここは2回目のI君がしっかりナビゲートしてくれる。スラブ状の岩をよじ登ったりすると少しは沢らしくなってくる。
正面の凸部を登る
ここも真ん中のスラブを登る
少しヒヤリとする
谷が左に折れるところにある4m滝を左から越えると、その上は気持ちのいいナメ床になっていた。水がそこそこ流れていればきれいななんだろうなあ。今日の行程はあまり長く無いのでここで小休止。
左に折れると4mの滝(水がほとんど無い)
滝の上はナメ
ナメの上で休憩
休憩を終えるといよいよ核心の8m滝。滝といっても例にもれず水は右側をチョロチョロと流れるのみだが、ルートと思われる正面のスラブは角度も立っており、下部にはホールドもほとんど無い。春に来たI君はここで敗退したらしい。
核心の8m滝
ルートを探っていると、目の前のスラブに立派なボルトが2本打ってある。こんなところに他に入る人がいるのも驚いたが、ボルトを打ってまで突破しようとする人がいる事にも驚いた。I君はボルトを支点に登ろうとするが、ここはアブミで上がった方がよいだろうと思い、カラビナとスリングで作った簡易アブミをかける。まさか沢納めで人工登攀をするとは思っていなかった。
残置ボルトを利用して人口登攀
いつものように私はセカンドでアブミやヌンチャクを回収しながら登って行くが、確保されているとはいえ、かなり厳しかった。今年はI君の登攀能力にずいぶんと助けられた気がする。私も頑張らねば。
滝の上は未知のゾーン。ちょっとした滝やナメ、ゴルジュ状の地形も現れて、最初に思ったよりもずいぶんと楽しめた。
ちょっとだけスリリング
階段状のナメ 水があればなあ・・
溝状のミニゴルジュ
見た目より簡単
詰めはガレた斜面を木の根につかまりながらのモンキークライムでポンと登山道に飛び出した。せっかくなので、と登っていったピークは長坂の頭。雑木に囲まれて展望がイマイチだったので少し移動して仙ヶ岳が眺められるところで昼食にした。
長坂の頭
展望が最高
昼食を食べながら、今年行った沢の話や来年の話で盛り上がる。「来年は是非○○へ行きたいねえ」「そのためにはこんなトレーニングがいるねえ」、なんて話をしていたら、もう来年が待ち遠しくなってきた。
仙ヶ岳から御所平の稜線(翌日歩く予定)
下山は林道方面へ急坂をトラロープにつかまりながら一気に下って行き、1時間弱で到着。帰りに鬼ヶ牙の下のゲレンデを少しのぞいて今年の沢は終了。I君を始め、ご一緒していただいた皆さんありがとうございました。
また、来年もよろしくお願いします!
今回の地図