晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

北アルプス氷河公園 秋晴れ槍穂見物② 2009.10.11

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槍ヶ岳

 

<メンバー>
サークル

 

<山域>

 

<コース:2日目>
ババ平~大曲り~天狗原分岐~天狗池~横尾尾根~南岳~南岳小屋(泊)



 夜の間に雨は上がったようで、夜明け前にテントから顔を出すとオリオンが沈むところだった。もう秋なんだな~と改めて思う。6時には小屋泊りのメンバーがやってくる手はずなので、それまでに撤収しなくてはいけない。しかし夜明け前のアルプスはやっぱり寒くテントから出るのが億劫だ。

 モタモタしている間にメンバーが到着したので急いで撤収し出発の準備。夜露に濡れたテントを畳むのは手が冷たい。

 

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夜明け前のオリオン

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ガスもすっかり引いている

 

 大方のテントはまだ張ったまま。みんなのんびりしているんだな。槍沢の左岸に着いた道を歩いて行くと後ろから朝日が追いかけて来た。

 

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朝日が追いかけてきた

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徒渉あり

 

 大曲を過ぎると視界がバーンと広がる目の前の中岳はうっすらと雪化粧している。青空がまぶしい。未だ雪渓の残るカールは登っていくにつれ傾斜が徐々に増していくのだが、青空に照らされてみんなにこにこ。疲れを感じるのも忘れて登っていく。

 

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雪?

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雪渓残る槍沢

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うーん快晴

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中岳

 

 天狗原分岐では数組のパーティーが休憩していたので、我々も小休止。ザックをデポする相談をしている人もいて、みんな天狗池を目指すようだ。それにしても大きいカメラ、三脚を担いでいる人が多いなあ。

 

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天狗原分岐

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青空に月

 

 槍沢のカールを横切るとようやく槍の頭が見えた。今回の山行で初めてだ。急いでカメラを向けるが、これ以降はずっと槍を見ながらの歩きになる。別に慌てなくてよかったな。途中、色着いたナナカマドがあったが、台風の影響か、時期が遅かったか、色はイマイチだった。

 

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槍が見えた

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紅葉と槍ヶ岳

 

 カールの淵に向かってジリジリと高度を上げる。振り向くと槍ヶ岳の雄姿が目に飛び込んでくる。かっこいいなあ。やがて小さな乗越しを超えるとたくさんの人が三脚を立てている。見ると小さな池があり、みんなこっちへ向かってカメラを向けている。ああ、ここが天狗池か。

 

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高度を上げます

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かっこいいなあ

 

 ここは写真撮影のポイントになっているようで、ウン十万もするようなカメラを持ったおじさんたちが、所狭しと三脚を立てているので、なかなか思うような写真が取れない。まあ、時間はたっぷりあるので、紅茶を飲みながらのんびり逆さ槍見物をする。

 

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天狗池に到着

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逆さ槍

 

 カメラマンたちを見ているといい場所を取ろうとエゴむき出しの輩もいて、とても見苦しい。あるオヤジは休憩している人に向かって「ファインダーに入ってしまっているのでどいてくれないか」等と言っている。(これって当たり前ですか?)先着組の写真撮影タイムが一段落したので、我々も記念撮影。

 

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記念撮影

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槍を眺める人たち

 

 景色を存分に楽しんだら南岳に向けて出発。氷河公園なんて名前が付いているのでどんなところか楽しみにしていたのだが、殺風景なガレガレの斜面。沢の飛び石の要領で岩の頭を踏んで登っていく。

 

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一転、殺風景なガレ

 

 高度をどんどん上げていくに従って燕岳から大天井岳表銀座が一望できる所まで来た。双眼鏡で眺めてみると稜線上にはたくさんの人が歩いている。夏はここが全部人でつながると聞いて驚く。

 

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表銀座一望

 

 横尾尾根に出ると横尾本谷の源頭部がきれいなカールになっている。下の方に屏風岩や涸沢に向かう登山道が見える。この下は黄金ダイラと呼ばれているらしく、バリエーションルートのひとつのようだ。

 

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横尾本谷の源頭

 

 さあ、南岳への登りは見上げんばかりの急傾斜で空に向かっている。道といっても岩峰に◎が書いてあるだけだ。おまけにところどころ雪が付いていてスリップの危険もある。今までののんびりムードから一転、緊張感の漂う登りになってきた。上にはどんな展望がまっているんだろうか?

 

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南岳への登り