涸沢 GW明けの長閑なカールで その2 2010.05.09
奥穂高とジャンダルム
<メンバー>
サークル
<山域>
<山域>
<コース>
<1日目の記録>
夜、トイレに行こうとテントを出たC君が外で「おおっ」と声をあげている。きっと満天の星が見えているのだろう。寝る前は少し雲が出ていて心配したのだがどうやら明日はいい天気のようだ。
朝起きてみると空には雲ひとつないいい天気。準備をしていると朝日が昇ってきて穂高の峰々を赤く染めだした。燃えるようにとは行かなかったけれど、空の青がいっそう鮮やかになったような気がした。
朝日に染まる稜線
みんな撮影に大忙し
まずは奥穂高と涸沢岳の間の鞍部にある穂高岳小屋を目指す。さすがに今日は人が少なく、我々の前に人はいない。昨日のトレースを辿りながらゆっくりと登っていく。日陰から日向にでると辺りが一気に明るくなる。ふと振り向けばテン場がずいぶんと小さく見える。
まずは穂高岳山荘を目指す
ヒュッテがあんなに小さく
カールを囲む白い壁が織りなす雄大な景色を眺めながら登っていく。朝早く出発したおかげで足元の雪は硬く締まり、アイゼンの効きもちょうどよい。傾斜が急なところでは昨日のトレースが上手い具合にステップとなっていて無理なく登る事が出来る。しかし、眺めている景色はゆ~っくりとしか変わらないので進んでいるのかどうか分からなくなりそうだ。
吊り尾根から北尾根パノラマ
涸沢槍もとがっている
一歩一歩前進
でもなかなか前に進みません
やがて傾斜が一段と増してきたところでザイテングラードの尾根に乗る。この辺りから穂高岳山荘から下山してくる人とすれ違うようになる。後少しだから頑張ってと声をかけられると、なんだか力が湧いてくる。
近づいてきたかな?
はいポーズ
やがて目の高さと吊り尾根が同じになってきたらひと踏ん張りで白出沢のコルに到着。穂高岳山荘は2階まで雪に埋もれている。やっぱり去年よりかなり雪が多いようだ。
吊り尾根が目の高さに
もう少しだよ~
穂高岳山荘
カールを見下ろす
奥穂高
最初は雪の無い岩場だったが新穂高側の斜面は氷結していた。慎重にアイゼンの歯を氷につきたてて登っていく。滑るとヤバイ箇所ではロープを出す。登っていくにつれて目の前に絶景が広がっていく。
奥穂~前穂
山荘から30分程で涸沢岳に到着。ここから眺める景色はもう言葉では言い表せない程の美しさ。去年の秋に反対側から見た大キレットの向こう側に槍が連なり、槍穂の稜線が一望のもとに見渡せる。反対側に目をやるとこれまたジャンダルムがその勇ましい姿を見せてくれる。ここを縦走するツワモノもいるんだなあと思うとまだまだ修行が足りないなあと思う。追いついてこられた単独の女性と写真の撮りあいっこをする。
涸沢岳山頂
大キレットの向こうに槍
ジャンダルム
小屋までの下降も念の為ロープを出す場面も。慎重に雪渓をトラバースして小屋の前で小休止。そろそろ帰りの時間が気になってきた。
ヒュッテまでの帰りは立山に続いてロングシリセード。雪が程良く緩んでちょうどいい感じになっていた。滑っても滑っても終わらない大滑降は何だか病みつきになりそう。
緊張の雪渓トラバース
帰りはシリセードであっという間
2時間半の登りのコースを30分で滑ってあっという間にテン場に到着。撤収し、涸沢ヒュッテを出発する頃には大工さんの仕事も佳境にはいっているようだった。
ヒュッテ修理中の大工さん
帰りはもと来た道を下っていく。登り程きつくはないが、重い荷物と緩んだ雪で快適とは言えない歩き。それでも横尾まで2時間程で到着。
涸沢カールに別れを告げる