晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

十津川水系 前鬼川~杖谷 コバルトブルーを求めて 2009.08.15

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コバルトブルーの釜


<メンバー>

山仲間

 

<山域>
大峰

 

<コース>
林道終点~前鬼川本流~垢離取場~杖谷出合~杖谷~地蔵尾根~前鬼宿坊~林道終点


 北海道遠征でしっかり休んだのだが、お盆休みもちゃっかりとってしまった。(どうせみんな休んでいるもんで)。でも時間はあってもお金がすっかり無くなってしまったので、山小屋を利用した北アルプス遠征は無理・・。でも、今まで行った事の無いところへ行きたいな~という事で、ついに大峰の沢へ足を延ばす事に。場所はコバルトブルーの水で有名な前鬼川に決定。

 

 金曜日の夜に車を走らせて、榛原から延々と紀伊半島を南下。前鬼林道の終点に着いた時には0時前。走行距離は220km・・。アルプスより遠いかも。運転疲れもありすぐに就寝。

 

 翌朝は7時には準備を終えて入渓。吊り橋を渡り黒谷に降り、少しばかり下る。出合から前鬼川の遡行を開始。天気は思ったほど良くなく、薄曇りだが噂通りのコバルトブルーの水が出迎えてくれる。

 

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つり橋を渡って入渓

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前鬼川名物のコバルトブルー

 

 ちょっと滑状の平流を歩いて行くと滝が落ちる轟音が響いてくる。記録に必ず出てくる釜の美しい2段10mの滝。釜の色が美しい~。ここは右側を登り、滝上を徒渉する。

 

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ちょっと滑状

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2段10mの美しい滝

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滝上より

 

 滝の上は100m以上続く滑、ここもコバルトブルーの水が美しい、この光景だけで片道200kmの価値はあるかも。

 

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コバルトブルーの釜

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滑状が続く①

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滑状が続く②

 

 滑をぴちぴちちゃぷちゃぷ歩いて行くと右からの流れ込みの向こうにドーナツ状の釜を持つ変わった滝、そしてこれまた必ず写真が出てくる箱状の廊下が現れる。いちいち景色に見とれてしまうが、今日は杖谷まで行くつもりなのでテキパキと遡行していく。

 

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ドーナツ状の釜を持つ滝

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箱状廊下

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左岸から流れ込む

 

 やがてきれいな釜を持つ斜瀑が現れた。垢離取場だ。行者さんはここで滝に打たれるのだろうか。普通の観光沢ならここで終了とすることが多いらしいが、今回はさらに奥に進む。その前に垢離取場で大休止。

 

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垢離取場

 

 垢離取場から先はゴルジュになっていて遡行の醍醐味が味わえる。水流がジャンプしている2段6mの滝は左側をへつって通過。CSの滝をいくつか通過するが、どれも岩が大きくて苦労する。

 やがて雲が薄くなり、谷の中にも日が差し込みだした。あたりが一斉に輝きを増したような気がした。

 

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2段6m (水流がジャンプしている)

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日が差し込んできた

 

 内雛谷の出合は左ヘ進む。右も左も巨大なCSが多い被さるように座っており、苦労しそうだったが、真ん中からうまい具合に岩をよじ登りあっさりと通過する事が出来た。

 

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覆いかぶさるような巨石

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キラキラ輝いてきれい

 

 やがて現れた2条12mの滝。ガイドには中央突破で容易とあるが、なかなか後一手が見つからない。新しい残置ハーケンもあったのだが、それを使ってもどうも巧く行かない。ロープを出してじっくりという手もあったが、左手から巻く事にする。巻きもちょっと微妙でショルダーを使った。うーん、まだまだ修行が足らないなあ。

 

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中央を突破とあるが左巻き

 

 ここから先はゴーロになるので、少し早いお昼ごはんにする。コバルトブルーの淵の中を覗いてみるが魚はいなかった。

 

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青いねえ

 

 深仙股谷に名前が変わった辺りでゴーロ歩きになるので、杖谷の出合を探しながら谷の左側を歩く。地形図をみると支流がいくつか入っているが、谷の角度を見定めて杖谷へ。最初は水量もそこそこだが、滝を二つばかり越えるとすぐに伏流し、辛い涸谷歩きになる。

 

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ゴーロになる

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杖谷へ

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水はここも青いが

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山にはガスがかかっている

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すぐに伏流

 

 水が涸れると一気に暑くなってくる。汗を流しながら歩いて行くと不思議に水の音が聞こえるな、と思ったら滑滝が現れた。苔の緑が美しく、再びの水の感触を楽しながら登っていく。

 

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滑が現れた

 

 滑滝が終わると水量はさらに乏しくなり、谷歩きも面白く無くなってくるので遡行打ち切り。左手の尾根によじ登り、稜線沿いに歩く。しばらく歩くと尾根の反対側に木道が見えた。釈迦ヶ岳から降りてくる登山道だろう。斜面をずり降りて登山道に合流

 

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登山道が見えた

 

 あとは登山道をゆっくり下り前鬼宿坊から林道終点へ。林道歩きが思ったより長く、最後はへばってしまった。

 

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前鬼宿坊

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無事を感謝

 

 帰りは不動七滝を見学する。遠くから見ても伝わってくる迫力にしばし呆然。機会があれば是非近くまで行ってみたいなあ。

 

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不動七滝を見学

 

 帰路は再び200km以上車を走らせて名古屋まで。運転は疲れたけど、それを補って余りある谷の美しさ。また頑張って大峰まで足を延ばすことにしよう。