晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

御池岳 もう残雪のテント泊 ① 2009.02.07-8

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青のドリーネ

 

<メンバー>
サークル

 

<山域>

 

<コース:1日目>
国道306~コグルミ谷右岸尾根~カタクリ峠~丸山~ボタンブチ~幸助の池(泊)


 所属サークルの恒例山行だった御池岳テント泊。にぎやかなのは2005年が最後で、2006年、2007年は実施されず、冬山合宿として臨んだ昨年は参加者2.5人(0.5人は日帰りだったBやん)になってしまった。このままではいけない、あの楽しかった山行を途絶えさせてはいけないとの思いから、今年はリーダーを買って出た。

 

 しかし、予想通り参加者希望者はなかなか現れず、個人山行に変更かと諦めていた矢先、Kちゃんが参加表明をしてくれた。よしそれならと、昨年吹雪の真の谷で遭遇したkasayaさんを助っ人に3人パーティーを編成する。

 

 コースは1週間前に偵察を済ませたコグルミ谷右岸尾根を取る。1週間で融雪は更に進み、歩きやすい物のテーブルランドに雪が残っているか心配になってくる。それでも何とかカタクリ峠に着くと雪が現れ、少しだけほっとする。Kちゃんは超久しぶりの山歩きに加え、テント泊装備に早くも息絶え絶えの様子。

 

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いきなりの急登に早くもバテバテ

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カタクリ峠には何とか雪が残っていた

 

 前回はここからワカンを装着したが、今日はまったく必要なし。Kasayaさんはせっかくだからと担ぎ上げてきたスノーシューを装着。天気は快晴で雲ひとつ無く、空の青さが目に沁みるようだ。樹氷が無いのが残念だが贅沢は言っていられない。少し気合を入れると汗が滴り落ちるほどの陽気に、締まって階段状になった雪道は快適そのもので、テント泊装備にも関わらずそれ程の苦労も無くテーブルランドにたどり着くことが出来た。(Kちゃんはダウン寸前・・)

 

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8合目へのトラバースも先週よりは楽

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ダウン寸前のKちゃん

 

 しかし、テーブルランドに上がってみると衝撃的な光景が広がってした。稜線はすっかり雪が融け、一面の雪原のはずが所々に茶色い笹が顔を出している。一瞬暗い気持ちになってしまうが、気を取り直し今日のお宿である幸助の森へ向かう。このあたりは雪がそこそこあり、設営には問題なさそうだ。

 

 ザックを降ろしお昼ご飯を食べていると、どこかで見覚えのある赤装束の長身の方が横を通り過ぎようとしている。あ、伊勢(goo)さんだ。話を聞くと今日は秋狸さんのピッケルを捜索に来られたそうだ。既に奥の平を歩いて来られたらしいが、雪の少なさに驚いているとの事。ヒップソリでシリセードを試みたが水が浮いた斜面でビショビショになったらしい。これから丸山経由で下山されるそうだ。

 

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笹が顔を出したテーブルランド・・ガーン

 

 昼食後はテントを設営し、奥の平散策へ出発する。Kちゃんも重たいザックの呪縛から開放され、軽快な足取りだ。kasayaさんもヒップソリとカメラを携えて先頭を歩く。
最初は東池。先週も絶好のシリセードゲレンデは今日も辛うじて健在。45度はあろうかという傾斜にビビル二人にまず私が華麗に手本を見せ、後に続いてもらう。ヒップソリ初体験のkasayaさんも童心に返って楽しんでいるようだ。

 

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それでもシリセード

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やっぱりシリセード

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樹氷は無いけど美しい

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東池

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童心に帰って

 

 続いて青のドリーネ。やっぱりここの美しさは格別だ。たくさんのトレースがついているが、どれもドリーネの中には入っていない。みんなこの美しさに敬意を評しているのだろうか。このあたりは雪の積もったドリーネが優雅な曲線を描き、そこに太陽光線が斜めから当る事によって見事なコントラストを見せている。やっぱり一冬に一回は来ないといけないなと改めて感じる。

 

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更に南へ

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写真撮影タイム

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青のドリーネ

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上空を飛行機雲が飛びかう

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この曲線美

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魅入られてしまう

 

 東のボタンぶちで日向ぼっこをしながらのんびり。真の谷を挟んで見える藤原岳はすっかり雪が解けてしまい、もうどこかで福寿草が咲いていそうな雰囲気。うーん、温暖化の影響がはっきり感じられる。幸助の森へ戻る頃には雪原は表面が融けてテラテラひかり、太陽を照り返している様はまるで砂漠のよう。

 

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季節がぐっと進んだ藤原岳

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何だか砂漠のよう

 

 テントへ戻って夕食の準備を始める。今日の献立は豚肉と鳥つくねのちゃんこ鍋。風も無いので屋外で食べる事にする。せっかくなので小さなスノーテーブルを作る。雪ががりがりで掘るのに苦労したが、とてもいい感じ。輪になってつつく鍋はとてもおいしく。お酒が少々過ぎてしまった。

 

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まだ遊んでる

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スノーテーブル作り

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美味しいね

 

 食事を終えてもまだ6時。しかし、あたりは夕闇が濃くなり、風も強くなってきた。Kasayaさんはすっかり酔っ払ってしまったようで、すぐにテントに潜り込む。夜は風の音で何度か目が覚めた。昼間は暖かくてもやっぱり2月の御池岳、枕もとのペットボトルの水がシャーベット状になっていた。トイレの為に外に出ると月が煌々と輝いていた。

 

続く