晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

御池岳 花を愛でつつ彷徨い山行 2007.04.14

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ミノコバイモ


<メンバー>

単独

 
<山域>

 

<コース>
コグルミ谷-カタクリ峠-真の谷-御池岳西斜面-奥の平-日本庭園-鈴北岳-タテ谷


 残雪の北アルプスに挑戦!と計画していたが、金曜日の夜に低気圧が通過。一時的な西高東低で山は荒れるだろうとの判断で中止。仕方がないので再び鈴鹿の御池岳へふらりと出かける。今日は単独なので気楽な気分、少々風が強くても大丈夫だろう。

 

 天気予報が悪かったせいか、コグルミ谷の入り口付近も車はほとんど停まっておらず、静かな谷を歩き始める。

 

 歩き始めから風が強く、体がなかなか温まらない。やはりアルプスは中止にして正解だったようだ。

 

 足元に花を探すが、寒くてみんな閉じているが、先週見かけたハナネコノメソウはあちらこちらで群落を作っており、相変わらずカワイイ。そのすぐ傍らにはエンレイソウがひっそりと咲いていた。

 

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ハナネコノメソウ

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エンレイソウ

 

 今日はコグルミ谷をそのまま詰める。近藤岩では御池杣人さんの病気平癒をお願いし、更に歩くとすぐにカタクリ峠だ。コグルミ谷を振り返ると枝の先の木の芽がほんのり色づいてきて早春の気配。下界では桜が散ろうかというのに不思議な気分だ。
 

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近藤岩

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枝に先がほんのり色づいている

 

 峠のベンチにザックを置き、近くをうろうろしてみると、カタクリの蕾を発見。もう少し標高が下がれば咲いている花もあるかもしれない、と期待に胸が膨らむ。で、今日は特段、目的も無いので、なんか咲いているかな~と思い、真の谷へフラフラ降りて行く。

 

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 やっと見つけたカタクリもまだ蕾


 谷へ降りると風も弱くなりのんびり歩ける。ようやく咲き始めたばかりのニリンソウをカメラに納め、テン場と呼ばれる広場を過ぎ、雪の時に白船峠から降りてくる場所を通過、そのあたりで適当に斜面に取り付く。バイケイソウが元気にニュキニョキと伸びている。やっぱり春だなー。

 

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ニリンソウもようやく咲き始め

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バイケイソウがニュキニョキ

 

 そろそろ奥の平に上がろうと適当に斜面に取り付き、登り始めた。最初はトラバースしながら徐々に高度を上げていこうと思ったが、岩がゴロゴロで足場が悪く、落っこちてもいけないので、台地の南西の角の稜線をよじ登る。途中、ヒトリシズカが咲き始めているのを見つけた。日当たりがいいのでミヤマカタバミも花を開いている。よじ登ろうと岩をつかんだ手元にミノコバイモが咲いていた。人が来ないところは花が多い。
 

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ハナネコノメ(すっかりお気に入り)

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ヒトリシズカが咲き始めていた

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ミヤマカタバミ

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ミノコバイモ

 

 木の根をつかみ、潅木の藪をこぎながらようやく台地の上に出ることが出来た。良く見ると2月に上がってきたところの近くに上がってきたようだ。雪のほうが登りやすかったな。

 

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奥の平

 

 奥の平は一面の笹原で渺茫とした景色が広がる。風が冷たく、人も見えない。膝くらいの笹をかきわけながら、台地の西の端を幸助の池、ボタンブチ、風池、丸池、日本庭園と進んで行く。

 

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ドリーネ

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ボタンブチ

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幸助の池

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日本庭園

 

 日本庭園も人影はまばらで先週の賑わいが嘘のよう。ドリーネの底で風を除けながら昼食をとっている人がいる。ここからは前回と同様、鈴北から鞍掛の尾根を下り、途中でタテ谷へ入る。鈴北岳を見上げると飛行機雲が見える。上空の空気が冷たいのだろう。

 

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飛行機雲

 

 タテ谷からコグルミ谷へ下りる途中、御池岳愛好家の間で「まどろみの尾根」と呼ばれる尾根に下りる。日当たりの良い、二次林の尾根でカタクリが咲いているかなと探したが、蕾が数本あるのみ。

 

 それでも、国道の車の音が近づいてきたなと思うほど下で一輪だけ見つけた。が、残念ながら寒さのせいか花は閉じていた。それでも4月の中旬にカタクリが見られるなんて今年はやっぱり暖かかったんだなーと思った。

 

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一輪だけ見つけたカタクリ

 

 国道へ降りる、落石防止のネットに阻まれて少しあせったが、なんとか法面を下り無事下山。車へ戻る時には心地よい疲労に包まれていた。今日は目的も決めずブラブラ山行。こんなのもいいなと思った。