春の御池岳 欲張り山行 2006.05.03
カタクリ(クルリン~♪)
<メンバー>
単独
<山域>
<コース>
4月下旬は仕事でビックイベントがあった為会社に軟禁状態だった。体力的にもきつかったが精神的にもきつかった。とりあえず5月2日で一段落したので発散と充電を兼ねて山に出かけることに。ただ、不測の事態に備え泊まりは無し。いつも通りの日帰り鈴鹿山行となる。行き先はカタクリの咲き具合が気になる御池岳に決めた。
GWは混雑が予想される為、いつもより早くコグルミ谷に到着。まだ7時前だが既に車が数台。今の時期の御池岳は人気がある。
普段とは違ったコースが歩きたかったので、コグルミ谷を左俣に入り"イタドリバ"に向う。足場の悪い谷を登り古い植林帯を抜けると急に広場が広がる。窯跡があり、いかにも昔の杣人たちが仕事をしていたような場所だ。
ここのカタクリは蕾ばかり。やはり今年は花の時期が1週間ほど遅れているようだ。尾根に上がりカタクリ峠に向う。途中、日当たりの良い斜面で花開いているカタクリを発見。紫の花びらが"クルリン"となっており愛くるしい。
カタクリの花①
カタクリの花②
ここからも混雑を避け真の谷に下って行く。去年の同じ時期、テント泊してとても気持ちよかった場所だ。しかし、今年は未だに雪が残り季節の遅れを感じさせる。期待していた新緑もまだまだのようだ。
カタクリ峠から真の谷へ
真の谷 雰囲気はまだ冬?
真の谷を少し下ったところからP1241へ直登する尾根にとりつく。ここからテーブルランドに這い上がり、トラバースしてT字尾根に向う予定だ。周りの木々は葉を出してらず一見冬の装いだが、枝の先には木の芽が膨らんでいる。鮮やかな黄緑色が生命の息吹を感じさせる。
木の芽
バイケイソウが広がる
ミヤマカタバミ
急斜面を登りきるとP1241ピークに到着。「奥の平」の標識がある。テーブルランドの雪はすっかり消え、笹原が広がる冬以外の御池岳の姿に戻っている。ボタンブチ、天狗の鼻では既にたくさんのハイカーで賑わっている。東を見れば白山の真っ白な巨体が青空に浮かび上がっている。
P1241より西を眺める(ボタンブチ、天狗の鼻)
P1241より北東を眺める(白山、北アルプス?)
ここからはテーブルランドを横切ってT字尾根の下降点に向う。「東池」を通過すると見覚えのある木が出てくる。ここは2月の雪原歩きの時も通っている。雪原でも笹原でも同じところを歩いてしまうのがなんだか不思議だ。自分だけの名前をつけてみよう。
東池
見覚えのある木(5月3日)
見覚えのある木(2月25日)
T字尾根の下降点は誰もいなくてひっそりとしている。上から眺めるT字尾根はまだ緑が見えず、疎林状態だ。ぶなの新緑の中で昼寝しようともくろんでいたので少し残念。とりあえず尾根を下りて行くが方向を少し間違えて引き返す。トラバースしてT字尾根に復帰し、ぶなの林の中で昼食をとる。人がいるかと思ったがだれもいない。静かな林の中に鳥の声だけが響く。
ぶなの大木
新緑の中での昼寝が実現しなかったので池めぐりをすることにする。4月はまだ雪が多く池の位置がはっきりしなかったが今なら大丈夫だろう。テーブルランドに再び這い上がり、笹原を歩く。
ボタンブチを眺める
笹の奥の平
ここからはテーブルランドの西端に沿って北上し、池めぐりをしてみよう。GPSで座標も確認して行く。山頂には寄らないつもりだ。
最初は幸助の池。去年の2月にテントを張ったのはこのあたり。雪が解けるとしっかり水が溜まり池らしくなる。しかし、石灰岩質の台地にどうして水が溜まるのだろうか?この台地の下には巨大な鍾乳洞が広がっているのかも知れない・・ などと考えながらぶらぶら歩く。
ボタンブチでは数名の人が昼食中。しかし、思ったほど人は多くない。ボタンブチからは一般道を離れ、絶壁沿いに北上し、風池、丸池と進む。池の淵にはまだ雪が残っているがカエルが卵を産みつけている。まだ水は冷たいはずだがカエルはどういう基準で卵を産むのだろう。
幸助の池
風池
池のすぐそばに丸い窪みがある。窯跡だ。ここは標高1150mを越えているのだが、こんなところで炭を焼いて採算(?)は合うのだろうか。ここでなければいけない理由は何か?不便だが仕方なくここに立てたのか? etc一人で歩いているといろんな事を考える。足元にキクザキイチゲが咲いている。
丸池からは「池銀座」を通り真の池まで抜ける。サワグルミの池、中池、南池を確認。このあたりに来ると池めぐりのグループとすれ違う。単独の私を見ると少し驚き何処から来たのか聞いてくる。
誰かが5月28日の奥村氏1000回記念山行の話しをしていた。鈴鹿樹林の回廊の読者がここにもいた。
サワグルミの池
中池
南池
真の池につく頃にはかなりへばって来た。今日は暑く、このところの不摂生が響いたのだろう。県境尾根に直接あがり、そのままカタクリ峠まで降りて行く。
ミノコバイモ
ミヤマカタバミ
標高も下がってくると緑も増えてきた。少し傾きかけた陽光が新緑の間から漏れてくる。長命水で一息いれてコグルミ谷登山口へ到着。
コグルミ谷の緑①
コグルミ谷の緑②
タイミングとしては若干早かったように思えたが、たっぷり御池岳を堪能することができた。仕事で溜まっていたストレスもずいぶん解消された。良かった良かった。天気予報では明日も快晴。何処に出かけようか思案しながら帰路に着いた。
今日のルート