黒部源流 赤木沢 憧れの楽園遡行② 2007.08.10-12
シャワークライミングに挑戦
夜中に暑くて目が覚めた。足音をしのばせてテラスに出て見ると、こぼれ落ちそうな満天の星空。しばらく口をあんぐり空けて見惚れてしまう。これで明日の山行も好天がばっちり保障されたようだ。ワクワクしてとても寝ていられる気分ではないが、むりやり布団に体を横たえるといつの間にか眠ってしまった。
何回か渡渉を繰り返し進む。難しいところはなかったが、一箇所滝の横の滑りやすい岩壁をへつるところがある。ドボンしてもたいした事はなさそうだが、水の冷たさは半端じゃないので慎重に突破。お助け紐をだして後続を通過させる。
やがて、明るく開けた場所にでると左岸から沢が流れ込んでくる。どうやら赤木沢出合に到着したようだ。この時を待っていたといわんばかりに太陽が差し込み、水面がいっせいにきらきらと光り始める。ようやく目的地の玄関にたどり着いたうれしさに思わず万歳をしてしまう。
赤木沢へ入るには腰まで水につからなければいけない。結局、左岸をへつって入ると、赤い滑床がお出迎え。そしてすぐに斜瀑が現れる。
赤い滑床がお出迎え
斜瀑が現れる
斜瀑はどれも適度な水量と適度な傾斜、そして豊富なスタンスとホールドでどれも快適によじ登る事ができる。日差しはじりじり強くなり、水の冷たさも徐々に気にならなくなる。紺碧の青空からこぼれ落ちるような滝を登っていくと、このまま空まで登って行けそうである。
青空に向かって登っていく
滝は次から次へと現れて休む間が無いほどの楽しさだ。だいぶ気温が上がってきたのでEちゃんは果敢にシャワークライムに挑戦。濡れなくてもいいのに敢えて水の中に突っ込むところがEちゃんらしい。
シャワーに挑戦
時折、巻かなくてはいけない滝が出てくるが、巻き道もお花畑の中を歩くことになる。オトギリソウの仲間やイワイチョウ、イワショウブなど普段見ることの無い花たちが目を楽しませてくれる。ただ、あくまでも高巻き中なので気を抜いてはいけない。
イワショウブ
ウツボグサ
滝を登るのにも慣れてくると遊ぶ余裕も出てきた。階段状の滝では流れ落ちる水に頭を突っ込み本当のシャワーを楽しむ。昨日からかいた汗が一気にふっとび、非常に気持ちがいい。
本当のシャワー 気持ちいい~
ご機嫌のふたり
登りも様になってきたぞ
この楽しさがいつまでも続くといいな~と思っていると遠くに稜線が見えてきた。あそこまで行くと沢登りも終わりかと思うと少しもったいなくなる。
いつしか太陽は頭上で輝き、水はコバルトブルーに輝いている。この景色はずっと目に焼き付けておかなくてはと思い、何度も何度も頭をめぐらして景色を眺める。あー時間よ止まれ!本当にそんな気持ちにさせられる場所だ。