チングルマ
<メンバー>
サークル
<山域>
<コース:1日目>
折立-太郎兵衛平-薬師沢小屋(泊)
遅い梅雨がようやく明けて夏空が広がってきた。暑い
鈴鹿を離れいざアルプス遠征へ、と行きたい所だが、普段は妻を家に置いて山へ出かけてばかりなので家族サービスもしておかなくてはいけない・・うーん。少し考えた後、一緒にアルプスに出かけてしまえばいい事に気が付いた。
ならば行き先はずっと気になっていた黒部源流の赤木沢に決定。話によれば、「針葉樹林の間を斜瀑が縫うように流れ、その滝はどれも直登可能、そして詰めは足の踏み場のないようなお花畑に出る」という、夢のような場所。はたしてそんな場所が本当にあるのか確かめるため、サークルの仲間を募って出かける事にした。
本格的なお盆休みに入る11日はかなりの混雑が予想されるので、一日早い10日からスタートする。
前日、仕事を終えて最終の「特急
しらさぎ」に飛び乗り、
富山駅前の安ビジネスホテルで一泊。
早朝発の折立行きの直通バスを下りると、登山口はすでに車と人でいっぱいに。久しぶりのテント泊装備に目を白黒させながら、とりあえず出発。
久しぶりのテン泊装備で出発
太郎兵衛平への道は最初は樹林の中の急登。テント泊装備+沢装備+妻の荷物を詰め込んだ80リットルザックが肩や腰に食い込むが、今年はすでに高山山行を何回かこなしてるだけあって、なんだか快調。
三角点を過ぎると道も穏やかになり、眩しいほどの青空の下、一歩一歩足を進めていく。
太郎兵衛平への道 暑い~
やがて左側に大きな山塊が見えてきた。薬師岳だ。今回のコースには入っていないが何時かは登って見たい山。たおやかな稜線を眺めながら心はどんどん山モードに変わっていく。
すでにお盆休み近くなので、足元のチングルマの群落はすでに実に変わってしまっていた。花の命は短いね~。それでもイワイチョウやタテヤマリンドウなどの花たちが登山道をにぎやかにしている。
イワイチョウ
薬師岳がだんだん大きくなってきたら太郎兵衛平はもうすぐ。去年歩いたときはすっかりガスに包まれていたが、今年は快晴で展望もばっちり。暑さのせいで少しバテがきたが、エアリアのコースタイムより若干早く太郎平小屋に到着。時間はすでにお昼近くになっているのでここで昼食にする。
太郎平小屋に到着
小屋にテント装備をデポさせてもらい、沢装備と小屋泊装備にチェンジする。ここまで妻もよく歩いた。最大の難関を無事突破したので少しほっとする。改めて太郎兵衛平からの展望を楽しんだ後、薬師沢小屋へ向けて谷へ下りていく。
アルプスの山たちにご挨拶
稜線から東側(アルプス側)へ下りはじめると、そこは一面のお花畑だった。登ってくる途中ではすでに実になっていたチングルマもここではにぎやかに花を咲かせている。やわらかい黄色のニッコウキスゲや白山で見ることのできなかったハクサンイチゲも満開である。
谷へ向かって下りていくので周囲の展望は楽しめないが、途切れることなく花が咲いているので飽きることがない。写真撮影に夢中になりながら徐々に高度を下げていく。
※しばし、アルプスの花たちをお楽しみください。
ニッコウキスゲ
チングルマ
ハクサンイチゲ
シナノキンバイ
ツマトリソウ
アカモノ
タテヤマリンドウ
チングルマ(実)
シモツケソウ
ハクサンフウロ
ウメバチソウ
徐々に高度を下げ、再び樹林帯の中に入ると花も消え、退屈な歩きとなる。木道がところどころに整備されているので足場は歩くないが、風もなく暑い。時々、雲ノ平から太郎兵衛平に戻る人たちとすれ違う。
やがて、水音が近くなり薬師沢小屋が近づいてきたことがわかる。水辺に下り、顔を洗うと最高に気持ちいい。頭を冷やして気分をしゃっきりさせ再び歩き始める。
水辺で休憩~
雲の平への斜面が近づいて来たなと思うと不意に人の話し声が聞こえた。薬師沢小屋だ。谷の出合の狭い場所によくこんな小屋を建てたものだと関心する。目の前を流れるのは明日、遡行する黒部川の源流だ。ついにここまでやってきた。
黒部源流
さっそく受付を済ませると、狙い通りそれほど混雑していない様子。今日はひとり布団一枚で寝られそうだ。たっぷり汗をかいたので川原で顔を洗い、さっぱりしたあとでビールで乾杯。
今日の晴天を祝い、がんばって歩いた足へのご褒美、そして明日の晴天を祈念して一気にビールを飲み干す。うま~い。
今日の晴天に乾杯~
薬師沢小屋前の吊橋
小屋の自炊室で食事を済ませるとすぐに眠たくなってきた。同室のパー
ティーはすでに4泊目だそうで、いろいろ話を聞かせてくれるが、こちらはそろそろお休みモード。翌朝に慌てなくてすむように沢服へ着替え、準備万端で布団にもぐりこむとアッという間に眠りについてしまった。