晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

台高 奥ノ平谷 沢登り ① お盆の泣く泣く転進沢登り 2022.08.11-12

釜滝

 

 <メンバー>

鈴鹿ハイキング倶楽部 5名

suzuhaisecure.sakura.ne.jp

<山域・形態>

台高・沢登

 
<コース:1日目>

千石林道(7:35)~千石谷出合(8:00)~戻滝(8:50)~仙人滝(10:10)~鎌滝(11:55)~佐助滝下(13:45)~黒滝谷出合(16:45)~源流大滝下(17:30)泊

 

 鈴ハイ沢メンバーもずいぶんと経験を積んできたので、今年のお盆休みは黒部上の廊下に挑戦しようと盛り上がっていました。入念に計画を練り、あとは出発するだけとなった直前に台風8号発生・・。予測進路は定まっていませんが、まだ谷の中にいる13日に影響が出そう。行ってみたら大丈夫だったというにはよくある話ですが、エスケープが困難な上ノ廊下に突入するのはリスクが高いと判断。泣く泣く断念します。

 

 上越、中ア、南アももれなく台風の影響を受ける予報・・仕方がないので今年なべちゃんが行きたがっていた、台高の奥ノ平谷に転進します。北アルプス3泊4日の沢旅が台高の1泊2日とずいぶんとスケールダウンしましたが、天気には勝てないので仕方ありません。

 

 この谷は昨年日帰りで佐助谷まで行きましたが、通しで遡行するのは7年ぶり2回目。

 

<2015年の記録>

ikuyayuuki.hatenablog.com

 

 スメールで集合したあと、千石林道に車を進めます。ヌタハラ谷出合を少し過ぎたカーブのあたりに車を停め出発準備。雨上がりの林道にはヒルがウヨウヨいて先が思いやられます。

 

今回の駐車地

 

 林道を少し歩き、適当に斜面を下るとすぐに奥ノ平谷出合。最初は平凡な河原歩きからスタート。

 

奥ノ平谷、最初は平凡

 

 最初に現れる初音滝は右側の岩の隙間をズリズリと進みます。今日は泊まり装備でザックが大きいので窮屈。

 

初音滝

岩の隙間から

 

 過ぎに両岸が立ってきてゴルジュに突入。なべちゃんの顔がニンマリしてきました。水量が少なければ魚止め滝の直登にチャレンジしようかと思っていましたが、なべちゃんは戻滝で苦戦していています。今日は頑張って源流の極上テンバを目指しているので時間優先。あっさりと巻く事にします。

 

ゴルジュに

戻滝で苦戦のなべちゃん

 

 昨秋は五十肩で登るのに苦労した巻きルートも今回はあっさり登れました。荷揚げの連携もスムーズでみんなの成長が伺えます。巻いたあとは懸垂で谷に復帰。

 

あっさり巻きます

懸垂で谷に復帰

 

 次の斜滝は大迫力ですが、右側をうまくへつれば濡れずに通過できます。今日の水量は多くは無いようですが、秋よりは確実に多い感じ。

 

S字の斜瀑

右からへつり気味に登ります

 

 谷は一瞬穏やかになりますが、すぐに仙人滝。ゴルジュは泳いで通過し、滝に取り付きます。左岸から右岸に渡る時に水流をうまく躱すのがコツ。水流をもろに受けたmiuさんは苦戦しています。

 

一瞬穏やかになるが

仙人滝のゴルジュ

仙人滝

左岸に渡り、もう一度右岸に行かなくてはいけない

水流をうまく躱すのがコツ

 

 次のホラ貝のゴルジュは滝を眺めてから戻って右岸巻き。この辺は前回の記憶が残っているのでスムーズ。

 

ホラ貝の滝の前衛滝

ホラ貝の滝

 

 懸垂で谷に戻ると鎌滝の下に出ました。滝がたくさんある奥ノ平谷ですが、この滝が一番のお気に入り。ドーム状に抉られた両岸は立合川の幻の滝を思い出させてくれます。

 

腰までつかって淵を越えると

鎌滝

鎌滝の釜で泳ぐなべちゃん

記念撮影

 

 鎌滝を左岸から巻き谷に戻ると大石滝が現れます。これを越えれば佐助滝、左岸から巻きます。

 

大石滝、左岸巻き

 

 そしてついに佐助谷に到着です。D字の姿がなんかかっこいい。右の水線を直登する記録を見ますが、今日の水量では決して簡単ではないだろうという事で、ここでも時間優先。右岸の支流(ワサビ谷?)を登って巻き上がります。

 

佐助滝

ワサビ谷から巻く

 

 佐助滝の落ち口は7年前に泊まった懐かしの場所。しかしこんな所に7人も良く泊まったなあって感じ。時間は14時ですが、極上テンバを求めて先に進みます。

 

7年前の泊地

佐助滝落ち口

 

 サスケ滝の上も連瀑帯。左岸をトラバースして巻きあがります。ここまではスムーズ。

 

佐助滝の上の連瀑

 

 次の15m滝。前回はトラバース気味に落ち口を目指したような記憶がありますが、ここもスピード優先で少し戻って右岸から安全な巻きを選択。ここから先は基本、巻きに終始するので、りーちゃんは沢に来たような気がしないとぼやいています。

 

15m、少しもどって右岸巻き

 

 次の3m滝は右岸巻き、その次の8m滝は左岸巻きを試みて行き詰まり戻って右岸巻き。帰って記録を見返したら前回も同じ事をやってました。30分ほどロス、反省。

 

3m滝は右岸から 

一旦、左岸に取り付きましたが右岸巻きが正解

 

 またすぐに25m滝が現れます。巻きの連続でヒートアップしたりーちゃんは滝に打たれてクールダウン。ここは右岸のザレから巻き。

 

25m滝、クールダウン、りーちゃん

 

 そしてこの谷の名所の一つ。黒滝谷出合にかかる2連滝です。同じような滝が並んで落ちていますが、実は奥が本流で手前が支流(黒滝谷)に当たります。時間はすでに16時半を過ぎていますが、なべちゃんの見立てではここを越えると泊地が得られそうな地形とのこと。頑張ります。

 

2連滝

 

 突破は奥のルンゼを直登し、本流の左岸から巻きあがります。見えている滝の上にも二つほど滝があるので一緒に巻きますが、高度感のあるリッジもあり気が抜けません。

 

ルンゼを詰めて

直登

上の滝も一緒に巻く

 

 赤倉谷出合に到着。谷は平流になってきました。時間的に源流大滝の突破は難しそう。すぐに泊地を見つけたいところですがなかなかいい場所がありません。そうこうしているうちに源流大滝に到着してしまいました。

 

源流大滝

 ここさえ越えれば極上テンバが待っているはずですが、巻きルートをしくじると闇下になってしまいます。仕方がないので左岸側の少しの平坦地を整地し、泊まることにします。

 

 そうと決まれば、石をどけてタープを張り、薪を集めて焚火の準備。木が湿気ってしたので苦労しましたが、焚火も落ち着いて人心地着きました。

 

 黒部に行けてたら今頃、熊沢出合ぐらいだよね~なんて話をしながら、今年の天気の不安定さを嘆きます。夜はタープを叩く雨の音で何回か目を覚ましましたが、増水するような降り方ではなかったので、またすぐに寝てしまいました。