稜線に向かって
<メンバー>
サークル
<山域>
<コース:2日目>
薬師沢小屋-
黒部川本流-赤木沢出合-赤木沢遡行-赤木岳稜線-
北ノ俣岳-太郎平小屋-薬師峠(泊)
太陽はさんさんと降り注ぎ、寒さも感じられない。水の冷たさが気持ちいいくらいで、我々のテンションもどんどん上がってくる。妻もいつの間にか指示しなくても登れるようになっている。頼もしくなったもんだ。
まだまだ遡行は続きます
がんばれ~
はるか正面に黒部五郎から北ノ俣岳につながる稜線が徐々に近づいてきた。源流部が近づいているのは確かなのだが、登っても登っても次々と滝が現れる。終わりは来るのだろうかとなんだか複雑な気分。妻もピースサインで余裕の表情。
途切れることの無い美しい滝群
終わりはあるのだろうか?
ピースサインの余裕も
やがて大きな水音が近づいてきたかと思うと30mの大滝が現れた。ここはどう考えても巻くしかない。右側のリッジの部分に踏み跡があったのでそこをよじ登る。上の方では木の根を掴んでのモンキークライムとなり、少し緊張する。妻も何とか無事突破出来、一安心。
唯一の難関 30m大滝
滝の上で昼食を取り、いよいよ最後の詰めに突入する。いつの間にか高度が上がっており、振り返れば雲ノ平やアルプスの山々が見渡せる。
源頭部も近い
振り返るとアルプスの山並みが
シナノキンバイ
流れがほとんど伏流になったところで遡行終了。登山靴に履き替えて稜線を目指す。計画では斜面を横切って赤木岳と北ノ俣岳の間のコルに出る予定だったが、お花畑を歩いていくのも忍びなく、ちょろちょろとした流れの後を忠実にたどっていく。なだらかな平原はヤブも無く、コバイケイソウの花が咲き乱れている。
なだらかな平原を詰めます
見下ろせば大パノラマ(クリックで拡大)
稜線は間近
稜線上を歩いている人影が見えてくると、もうあと少し。最後は雪渓の下に飛び出した。赤木沢遡行達成!。さっそく喜びを体全体で表現する隊員1号と2号。
やったー稜線だ
雪渓から流れ出す最初の一滴
ここからは長い稜線を歩いて太郎兵衛平を目指す。なだらかな遊歩道のような縦走路は両脇にお花畑が広がり、疲れた体を癒しながらの歩きとなる。既にお昼をだいぶ過ぎているのに、黒部五郎へ向かう人と何回かすれ違う。
太郎兵衛平を目指します
ウサギギク
チングルマ
ハクサンイチゲ
北ノ俣岳下のお花畑
もうすぐ小屋というところで、今回の山行で唯一の
ライチョウを見かけた。遠かったので写真はあまり良くないが、ずっと
ライチョウを探していた妻もこれで満足したようだ。空を見上げると黒い雲が湧き上がり、遠くで雷がなりだした。みんな急いでね。
ようやく太郎平小屋
予定よりずいぶん遅れて太郎平小屋に到着。広場のテーブルはたくさんの登山者が宴会を始めており、どこかの屋台村のような光景。預けてあったザックを受け取り、いそいで薬師峠に向かうと途中で夕立に見舞われた。
ずぶぬれになりながらテン場に到着すると既に満杯状態。あせっても仕方が無いので雨が止むまでやり過ごす事にする。
すでに満杯のテン場
雨はすぐに上がり、雲の切れ間から夕日が見えてくる場面も。みんな雨が上がるのと同時にテントからごそごそと這い出してきて、テン場が一気ににぎやかになる。我々もなんとか場所を見つけ、テントを張る。
雨上がり
テントを張り終えて一息ついたところで夕食の準備を始める。今日の献立はEちゃんお勧めの
グリーンカレー。
ココナツミルクと黒砂糖で味を調えるというなんとも不思議な食べ物だが、疲れている体にはやたらとうまい。
今日から単独で縦走をはじめるというDONちゃんも宴会に加わり楽しい一夜を過ごす。ふと気が付くと周りのテントは明かりが消えていてみんな寝る体制に入っているようだ。
我々も迷惑にならないよう、急いで就寝準備を始める。明日の出発時間を確かめて
シュラフにもぐりこむと、地面が斜めになっているにも関わらず、すぐに眠ってしまった。
明日はもう山を下りなければいけないと思うと少しさびしい感じがした。
続く