晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

御池岳 なごり雪奥の平(後編) -2006.2.25 晴れ‐

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  雪原の足跡


 

 短い昼食が終われば後は自由時間だ。テーブルランドに西端をぶらぶら歩く。雪は沈まずワカンも必要ない。去年の2月にテント泊したときは吹雪に近かったので、改めて景色を眺める。

 

 雪はかなり解けたようで、表面に水が流れた跡が縞模様になっている。雪の織り成す白い曲線の美しさと青空の深さに目を奪われながら、ただただ当ても無く歩き写真を撮る。

 

 

 

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雪の中のドリーネ②(青のドリーネ:この時間は青くはない)

 

 

 

 

 ふと振り返ると雪原の中に自分の足跡だけが記されている。なんだか気持ちが良い。しかし、蛇行している足跡を見るとあっちにふらふら、こっちにふらふらと彷徨っているのが分かる。

 

 

 

 幸助の池まで歩いてくる。ここは去年の2月にテント泊をしたところだ。その時は寒く樹氷が印象的だったが晴天の下でみると印象がまるで違う。今年は仲間たちとテント泊する機会に恵まれなかった。残念だ。

 

 ボタンブチの方を見ると単独のハイカーがみえる。「御在所はどれですか」と聞かれ応える。聞けば国道を歩き、コグルミ谷を登ってきたそうだ。この時点で帰路はまだ決めていなかったのでコグルミ谷の様子を聞く。まだ雪がたくさん残っているという。
青のドリーネの場所を聞かれたが明確に答えられない。「今は青く無いですよ」とだけ答える。

 

 

 

 テーブルランド西端を北上し、日本庭園へ行こうとも思ったが結構疲れてきた。丸山経由でカタクリ峠まで下ろう。帰路はそこで決めればいい。丸山からは霊仙、伊吹がくっきり見えた。

 

 

 カタクリ峠まではシリセードを織り交ぜながら下る。途中、2週間前に引き返した幻池付近(真の谷分岐)を通る。丸山まではもう少しだった。カタクリ峠からコグルミ谷を下るか、冷川岳まで尾根を歩き、丸尾を下るか考えたが、冷川岳方面にたくさんのトレースがある。良く考えれば白船峠から御池岳へ行くには稜線上を歩くのが一番高低差が少ないのだ。

 

 丸尾を下ることにして藤原岳から伸びる稜線上を歩く。雪はほとんど解け、春の雰囲気が漂う。

 

 丸尾の下りはあまり快適な道では無い。雪が腐れて沈むのではじめてワカンを使う。やせた尾根を下るとやがて杉の植林帯を抜け、冷川谷へとでた。暗く、荒れた谷を歩き山口浄水場へ着。

 

 全行程約8時間。久しぶりの鈴鹿8時間耐久レースは好天に恵まれ、最後の雪を思う存分楽しめた。

 

 次は福寿草の咲くころにまた訪れたい。

 

パノラマ写真(クリックで拡大)

 

 


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今回のルート(赤:往路 青:復路)