晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

御在所 朝飯前登山  2006.01.22

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伊勢湾の向こうの朝陽

 

<メンバー>
単独

 

<山域>

 

<コース>
鈴鹿スカイライン~中道~朝陽台下~中道~鈴鹿スカイライン

 

 先週(1月14、15日)は雨と仕事で山にいけなかった。21日も曇りで天気はイマイチ。唯一好天が望めそうな22日の午前中も9時から湯の山温泉で用事がある。

 

 そこで考えたのが日の出前に山に入り、日の出とともに下りてくること。ヘッデンで歩くのは非常事態ばかりと考えていたが、準備して行けばいざというときの訓練にもなるだろう。

 

 そう考え、勝手知ったる御在所中道を歩くことにした。

 

 中道登山口より、ヘッデンをつけて歩き始めるが登山道の雪はほとんど無い。花崗岩のザラザラした道をアイゼンをつけて歩くのは不自然だが、そのうち雪も出てくるだろうとたかをくくって歩く。

 

 負バレ岩まで約30分と、普段のコースタイムとほぼ同じスピードで上がれることに満足する。このあたりから堂々とした山容を見せる御在所もすっかり闇の中だ。背後の四日市方面の夜景が美しい。

 

 気温は低く、風が強いのであまり立ち止まってはいられない。負バレ岩をそのまま通過し、地蔵岩までとりあえず頑張る。途中で突然ヘッデンが切れた。電球の玉切れだ。今まで歩行中につけたことはほとんど無いが、こんなときに限って切れるものだ。幸い月明かりで手元は見えたので、予備の電球と交換し、一安心。

 

 地蔵岩で少し休憩。邪魔になるアイゼンを外し、夜景撮影を試みる。コンパクトデジカメでは無理と思ったが、この日の為に調達した三脚(超安物)を使い、シャッター速度やら絞り、感度を調整し、何とか撮影する。

 

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地蔵岩からの夜景

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道を照らす月明かり

 

 キレットを通過し、再び急斜面を登る頃には雪が出てきた。ただし、一旦融けて再び凍った硬い雪面だ。腐れ雪よりはましだが、滑るので用心が必要だ。アイゼンをつけるのも厄介なのでキックステップで足場を確認しながら高度を上げる。

 

カニの横ばい」の手前の岩場につく頃には少しずつ明るくなってきた。樹氷も望めないので山頂に行くのは止める。ここに腰を据え、日の出を待つことにする。
頭上には月が輝き、御在所のシルエットが浮かび上がっている。

 

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月と御在所

 

 ここで三脚にカメラをセットし、日の出を待つ。テルモスのコーヒーはイスタントだがこんな場所で飲めばとても美味しい。

 

 やがて、東の空が白み始めると地面と空の境界が絵の具をたらしたようなオレンジ色に染まってくる。濃紺とオレンジのコントラストにしばし見とれる。早起きは三文の得だというが、この景色は三文以上の値打ちがある。

 

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日の出①

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日の出②

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日の出③

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日の出④

 

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日の出パノラマ
 
 日の出の美しさに我を忘れて見入ってしまった。いつの間にかまわりはすっかり明るくなり、北に連なる鈴鹿主脈の山々も、南に構える鎌ヶ岳、そして背後の御在所の岩壁もオレンジ色に染まっている。

 

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朝日の輝く鈴鹿山脈

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鎌ヶ岳

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朝陽台直下の岩場

 

 寒さに震えながらもコーヒーとパンで朝食を済ませると時刻は7時を過ぎている。もう下山の時刻だ。下では登り始めてくる人もいるだろう。つるつる滑る足元に注意しながら、ほぼ一時間で登山口まで到着。

 

 途中、青空をバックに御在所を撮ったが、雪はすっかり消えており2週間前の息を飲むほどの美しさは無い。

 

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すっかり青空に

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ロープウェイ大鉄塔(雪はすっかり溶けています)

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青空に御在所

 

 ほんの4時間弱の行程だったが、午前8時前に一仕事終えたと思うと得した気分だ。普段歩かない時間に歩くと、歩きなれた道でも全く違った景色を見ることが出来る。山歩きの幅が少しだけ広がった気がした今回の山行だった。