晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

藤原岳  2006 登り初め  2006.01.08

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藤原岳展望丘から稜線を眺める

 

<メンバー>
単独

 

<山域>

 

<コース>
聖宝寺口~藤原山荘~展望丘~藤原山荘~大貝戸口

 

 今年は雪が多い。鈴鹿を歩き始めて何回も冬を経験したわけではないが、色々な情報と数少ない経験と比較しても今年は雪が多いようだ。

 

 年末に藤原木和田尾で敗退してからリベンジは如何に、と考えていた。前回は新雪のあまりの沈み加減に閉口してしまった。今回は万全の体制を整えて行こう。

 

 準備した装備は、スノーシュー(長さ延長)、アイゼン、ピッケル、スコップ、ツェルト、コンロ、(パワーチャージャー付)、断熱シート、水、食料、GPS、・・・ビバークも出来るほどの装備を60リットルザックに詰め込むと、日帰りとは思えないほどの重さとなった。

 

 コースは藤原岳の一般道を軽く上ってしまい、稜線を白船峠まで縦走し、木和田尾でも降りてこよう。そんなことを考えたが、現実はとても厳しかった。

 

 藤原観光駐車場は1台の車も無い。雪が20cmほど積もっている。恐らく人が少ないであろう聖宝寺道を選ぶ。

 

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藤原観光駐車場

 

 聖宝寺道の入り口には鳴谷神社がある。杉の巨木をご神木とした立派な古刹である。ここで今年一年の山行の安全を祈念する。境内の両側にあるのは狛犬ならぬ猿である。一度由来を調べてみたい。

 

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鳴谷神社

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狛犬ならぬ狛猿

 

 登山道は前日に降った雪のせいで新雪状態であるが、前を3人のパーティーが先行している。トレースを拝借しながら歩く。先の3人はトレースの無い道をラッセルしているようだ。

 

 しかし、さすがにメジャーコースだけあって道は安定している。足の沈みもそれほどではない。重いスノーシューを背負っているのだが活躍の場はまだ訪れない。天気は曇りだが時々雲が切れ、木漏れ日が辺りを明るくする。

 

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聖宝寺道2合目付近

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聖宝寺道3合目付近

 

 一人で黙々と歩く。どうも体が重い。荷物を詰め込みすぎたせいもあるが、年末年始の飽食がたたったのだろう。なかなか先を行く3人に追いつけない。

 

 6合目を過ぎてようやく先行のパーティーに追いつく。といってもワカンを装着していた為、時間をとったようだ。傾斜もずいぶん緩くなってきたので私もスノーシューを装着する。

 

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聖宝寺道7合目付近

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一時 青空が・・

 

 せっかく装着したスノーシューだが、浮力を増す為につけたフローティングテイルが歩くのに邪魔になる。しかも雪の深さはたいした事はなく、ただいたずらに重い板を足に括り付けているだけになったので、そうそうに外してしまった。体は依然として重く、先行のパーティーにはあっさり引き離された。

 

 8合目で大貝戸道と合流する。多くの登山者が上がってきている。ワカンをつけている人は誰もいない。ここまで来れば藤原山荘はもうすぐ、と気は急くが、足が着いてこない。数人に追い抜かれ、悔しさをかみ締めながらも何とか藤原山荘にたどり着く。

 

 藤原山荘は満員御礼でゆっくり休んでいられない。例によって中高年の大人数パーティーが賑やかに昼食をとっている。小屋の外は積雪のせいでベンチも埋もれている。しかたないので雪の上に座り、一人おにぎりをぱくつく。

 

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藤原山荘は満員御礼

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雪が多い・・・

 

 とりあえず空腹が癒されたので、これからどうしようか考える。空はどんよりと曇り、雪も降ってきた。予定では北に進路をとり、尾根を縦走しようと思ったが今日の体調ではとても無理だ。それに小屋裏には2mを越す雪が積もり、天狗岩への道を閉ざしている。このまま引き返すことも考えたが、悔しいので展望丘までは行くことにする。

 

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展望丘から降りてくる人たち

 

 展望丘への道では多くの人とすれ違った。こういう場所ではスノーシューは活躍できる。わざと新雪の上を歩いたりしながら頂上へたどり着く。しかし、予想通り展望は全く無い。写真を数枚とり、早々に下山する。

 

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展望丘の道標は雪に埋もれていました

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展望丘頂上(証拠写真)

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南側県境稜線方面

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竜ヶ岳への道(治田峠)

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藤原岳山頂部(藤原山荘)

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天狗岩(御池岳は見えない)

 

 帰りは大貝戸道を下る。多くの人がつけたトレースで登山道は舗装された道のように整っていた。尻セードしながら一気に下る。今年初のシリセードは、増えた体重のせいでスピードがつき、思いの他爽快だった。今日の一番の収穫だった。