ちょっと早いんじゃないの?
<メンバー>
単独
<山域>
<コース>
新町~丸山~草木~多志田山~展望丘~藤原山荘~聖宝寺
御池岳でスノーキャンプを楽しんでから1週間。14日のバレンタインデーは気持ち悪いくらいの暖かな風が吹いていた。これなら絶対に咲き始めているに違いない。そう睨んで藤原岳に偵察に出かけることにした。
今日は単独なので、チャリデポ作戦で行く。西藤原の観光駐車場に車を停め、自転車で新町に向かう。久し振りの自転車は軽快に風を切って走り非常に爽快だったが、集落に入る手前の上り坂では息が上がってしまった・・。やっぱりチャリデポの場合は車よりも標高の低い場所を選ばなくてはいけない。
駐車地にはすでに4台ほどの車が停まっていた。みんな早すぎる春を狙ってきているのだろう。自転車が盗まれては困るので上水施設の金網にチェーンでくくりつけて出発。
歩き始めてすぐに鼻孔をくすぐる生暖かい風。今日はスギ花粉も大量にまっているようだ。用心のためにマスクをしてきたが、これでは絶対にマスクを外せない。きつい山行になりそうだ。最初は単調な杉の植林帯の中を歩く。杉の花房は腹立たしいくらいに茶色く膨らんでおり、おそらく何千、何万という花粉を排出しているのだろう。しかし重度の花粉症なのにこんな天気の日にこんな所にいるとは我ながら呆れてしまう。
しばらくは急登ではないが展望のない単調な登りが続く。今日は単独なので話し相手が居らず黙々と歩き続ける。1時間ほど歩いたところで目の前に石灰岩の子山が現れた。丸山だ。足元に目を移すと小さい節分草がぽつりと咲いていた。
写真を撮ろうとザックを下ろした場所に「藪こぎ手形」が落ちていた。ラッキー、これで3本目なのでだいたい、100回に一回くらいの確率だろうか。丸山の花はポツポツといったところ。それでも南西斜面には結構な数の福寿草が顔を出していた。
節分草
丸山で20分位写真撮影して出発。帰りにも寄り道したいところがあるので急いで行こう。丸山から先もぽかぽか陽気の気持のいい尾根歩きが続くのだが、花粉のせいか目がかゆくて仕方がない・・。花粉対策のゴーグルが必要かも。草木を過ぎ、多志田山までくるとようやく残雪が現れた。
ポカポカの尾根
落書きのぶな
ようやく雪が出てきた
多志田山から藤原岳を見上げると雲ひとつない青空に頂上台地の稜線がくっきりと浮かび上がっている。見たところ雪はほとんど融けているようで、日陰のくぼ地に少し残っている程度。泥濘で滑りやすい南西斜面から石灰岩の露出した稜線に上がり展望丘を目指す。南西斜面では標高900mを超えているにも関わらず福寿草の蕾がたくさん顔を出していた。
藤原岳頂上台地
頂上南西斜面も咲きはじめていた
慌てて出てきたような蕾
展望丘に上がってみると12時を少し回ったところ。この陽気に福寿草の開花となればさぞかし人が多いだろうと思ったが持ったほどではなかった。(時間が遅かったか)四方を見渡すと雪はすっかり融けており、先週美しい雪原だった御池岳も真っ黒になっていた。
袴腰方面
登ってきた尾根
竜ヶ岳
先週遊んだ御池岳
昔はスキー場だったらしい
藤原山荘までは残雪の落とし穴トラップ地帯になっており2歩に1歩は膝まで沈むという超難関コースになっていた。うんざりしながら何とか藤原山荘に辿りつき、下山を開始する。途中、福寿草のきれいな花園を探そうと道を外してウロウロしていると、後ろからガサガサと藪をかき分ける音。ん、と思ってみたらmayonekoさんだった。こんなところで会う人はやっぱり限られているなあ。mayonekoさんに秘密の花園を案内してもらったら、そこはまだまだ咲いていなかった。
藤原山荘
ここの福寿草はまだまだ
閉店の福寿草
秘密の花園で更にヤブコギで下山するmayonekoさんとさよならして、西藤原まで一気に下山する。今日はけっこう歩いたような気がしたが、まだ15時前だった。藤原自然科学館でのりやさんの写真を見物して帰路についた。
目当ての花にも出会えたし、ヤブコギ手形も授かったが、まだ2月の半ば・・。やっぱり正しくない自然の姿にしばらく呆然となってしまったのは、陽気や花粉のせいばかりでは無いような気がした。