晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

北ア 剱岳 北方稜線② 2018.09.23

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頂上はすぐそこ


<メンバー>

<山域、形態>

<コース>
池の平小屋(4:50)~小窓(6:50)~発射台(8:50)~池の谷ガリ(9:30)
~池の谷乗越(9:55)~長次郎のコル(11:40)剱岳(12:1012:45)
~前剱(14:00)~剱沢野営場(16:10)

<天気>
晴れ

 2日目、今日はいよいよ北方稜線に突入。長丁場なので暗い間に出発する。北方稜線への踏み跡は明瞭なのでヘッデンでも問題無い。

 空はすぐに明るくなってきて後立山の稜線が朝日にくっきり浮かび上がっている。しばらくは裏剱の絶景を楽しみながら歩く。

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立山のシルエット

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裏劔の絶景

 鉱山道は断崖に絶妙に付けられたトラバース道でしっかりしているが足を踏み外せばただでは済まないので集中して歩く。1時間程歩いて小窓雪渓に着地。

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鉱山道を降りる

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小窓雪渓

小窓雪渓は朝日をバックに気持ちのいい登り。周囲から流れ込む滝はいかにも秘境の雰囲気を醸し出している。小窓に着くと雪渓の末端に後続Pの姿が見えた。

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すっかり日が昇る

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最後は雪渓が無くなっていた

 小窓からはほぼ登山道並みの踏み跡を辿って高度を上げていく。北に目をやると5月に歩いた赤谷山から池の平山に続く荒々しい稜線が見える。ぱっと見、ここを歩くのはとても一筋縄ではいかないだろうなあって感じ。でもいつか歩いてみたい。

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小窓からは踏み跡を辿る

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池の平山

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小窓の王が聳える

 途中、懸念していた雪渓トラバースは雪渓がきれいになくなっていたので何だか拍子抜け。このために持ってきたピッケルは単なる飾りになってしまった。

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雪渓は消えていた

 所々薄くなる踏み跡を辿ると通称発射台の上部に到着。ここから見る池の谷ガリーはネットでみたとおり「本当に登れるの?」って感じのガレた急斜面。発射台を慎重に下り三の窓で小休止していると、剱岳方面から縦走して来たパーティーとすれ違う。今日初めて会う別パーティーだ。

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池の谷ガリ

 落石が怖いので対向者がいない間にガリーに取りつく。定石どおり左端を登れば岩も安定しており、壁もホールドに使えるので見た目よりも簡単に歩く事が出来た(独自ルートが好きなTよっさんはアリジゴクで苦労していたが)

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池の谷ガリーの登り(見た目ほど難しくない)

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下って来た発射台を振り返る

 池の谷乗越しで小休止、ここからは剱岳本峰までは岩稜が続く。まずは池の谷の頭までの岩壁登り。といってもロープを出す程の傾斜では無い。この辺りから剣岳から縦走してくるガイドパーティーと引っ切り無しにすれ違う事になる。

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次々と対向するパーティーに会う

 岩壁を登りきると池の谷の頭。ここからは今回の山行で最高の展望がみられる。チンネ、八峰の頭を初めとする鋭い岩峰群と八峰を縦走するクライマー。剱岳の頂上はすでにたくさんの人で賑わっている。7月に歩いた早月尾根や昨日歩いた剱沢も見える。本当に剱岳の真ん中にいる感じ。天気もいいしもう最高。

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八峰の頭

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剱岳本峰

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八峰を縦走するパーティーが見える

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7月に歩いた早月尾根

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剱沢も見えた

 ここから長次郎のコルまではちょとしたルーファイが必要との情報があったが、対向するガイドパーティーがひっきり無しに現れるのでルートが自然にわかってしまう。この辺りはガイドさんの稼ぎ場になっているんだなあ。

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岩稜をトラバース気味に進む

 それでも長次郎のコルに降りる時はちょとの段差を懸垂下降。固定ロープもあったので登りの場合はここを使うのだろう。女性陣は上手くルートを見つけてクライムダウンで降り立った。長次郎のコルからは岩稜を歩いて剱岳頂上まであっという間。

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岩々を登る

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もう剱岳は目の前

 スタートから7時間20分で剱岳に到着。目標より少し時間がかかったが、対向パーティーとすれ違うのに時間がかかったという事にしておこう。今年2回目の剱岳だが、ここは何回来てもいいなあ。

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頂上~

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剱沢をバックに

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この先危険な北方稜線

 頂上でたっぷり景色を楽しんだ後はいよいよ下山に掛る。下りの別山尾根は一般道という事で侮っていたが、急傾斜の下りは疲れた体にはきつく、剣沢に着く頃にはへロヘロになってしまった。

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カニノヨコバイ、下りも気を抜けない

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ハシゴもある

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雲が広がる

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やっとテン場が見えた

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賑わう剱沢野営場

 剱沢野営場はすでにたくさんのテントが張られていた。何とか場所を確保し疲れた体に鞭を打ってテントを設営する。あとはビールで乾杯しごはんを食べたらお喋りもほどほどにすぐに沈。ああよく歩いた。

 つづく