晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

中央アルプス 空木岳 敗退 2022.12.29-30

恐怖のトラバース

 

<メンバー>

鈴鹿ハイキング倶楽部 4名

suzuhaisecure.sakura.ne.jp

<山域・形態>

中央アルプス・積雪期登山

 

<コース>

1日目

駒ケ根高原スキー場(7:15)~林道終点(8:25)~池山尾根水場(10:00)~尻無(11:10~11:30)~大地獄(13:55)~小地獄・迷い尾根付近(14:40)~大地獄(15:05)~尻無(16:25)~池山小屋(17:10)

2日目

池山小屋(8:15)~林道終点(9:00)~駒ケ根高原スキー場(10:00)

 

 今年の締め山行はアルプスでテント泊をと考え、常念岳を計画していましたが冬型の気圧配置の為、中央アルプス空木岳へ転進です。

 

 空木岳は2020年の2月に駒石手前で強風敗退しているのでリベンジ。ただ、前回メンバーの参加は無く、本格的な雪山は2年目のメンバー二人に今回初参加のメンバー一人の計4人。不安が無いわけでは無いですが天気もいいので何とかなるでしょう。

 

 クリスマス寒波のおかげで駒ケ根高原スキー場は営業中。登山口には既にうっすらと雪が積もっていますがトレースもたくさんあるので一安心。。7時過ぎにスタートします。

 

登山口ですでに積雪

 

 池山への分岐まではしっかりとしたトレースを辿りますが、分岐から先は急に薄くなってしまいました。途中で追い越していった単独の方について池山小屋を目指します。

 

雪が深くなってきた

 

 池山小屋近くの水場でワカンを装着。沈み込みは20cmほどなので見た目ほど大変ではありません。尻無で昼食休憩。

 

ワカン装着

 

 急登が始まる手前で単独の方を追い抜き一時的に先頭になります。雪が深くなってきたのでラッセル開始、まだ雪が締まっていないのでスコップラッセルで道を切り開きます。

 

スコップを出す

スコップで掻き分けながら登る

 

 梯子、鎖場が始まる手前でアイゼンに換装していると単独の方が再び先頭に。我々も続きますが、サラサラ雪はキックステップが決まり難く苦戦します。

 

梯子

足場で作った橋

下りは怖い

鎖場は一人づつ通過

サラサラで難易度アップ

 

 そしてついに最大の難所、迷い尾根へのトラバース。先行の方は再びワカンに履き替えていますが、我々はアイゼンのまま進みました。しかし、これが失敗。

 崩れそうな足場を一歩ずつ慎重に踏み固めながらジリジリ進むので神経がすり減ります。崩れたら谷底に真っ逆さま・・。

 

恐怖のトラバース

 

 トレースはトラバースを早々に切り上げ、尾根に取り付いています。我々も急斜面の木を掴みながら続きますが、サラサラ雪に思うように登って行けません。

 先行の方がすぐ上で苦戦していますが何とか抜けようとしています。しかし、我々は登れたとしても明日、ここを安全に下る自信がありません。とても残念ですが撤退する事に・・無念。

 

急斜面をトラバース気味に登っていくも厳しい

 

 そうと決まれば池山小屋で宴会に切り替えようと、苦労して登って来た道を下ります。

 

無念の撤退

 

 小屋の中は誰もおらず、貸し切り。テントを張って夕食を摂り、忘年会を開始。それぞれ今年一番の山行と来年の抱負を話します。軽量化の為、お酒が少し足らなかったのが残念。

 

池山小屋の中にテントを張る

水場も生きていた

 

 翌朝は目覚ましを掛けていなかったので、辺りは明るくなってからの起床。朝食を摂って出発する頃には雲一つない青空が広がっていました。もし突破出来ていたら最高の登頂のチャンスだったかと思うと返す返すも残念。

 

小屋の前で記念撮影

もったいないくらいのいい天気

 

 小屋から2時間ほどで登山口に到着。あまりにも早く降りてしまったので、昼間から温泉に浸かり、ソースカツ丼を食べて帰ってきました。

 

登山口に到着

ソースカツ丼を食す

見上げる山の白さが悔しい

 

 これで2022年の山行は締め。天候に泣かされる事が多く、会心の山行が少なかった一年でしたが、事故やケガも無く多くの仲間と山・沢を楽しむ事が出来ました。

 

 同行してくれた皆さん、快く送り出してくれたUちゃん、本当にありがとう。来年もよろしくお願いします。