晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

風雪の入道ヶ岳  2005.12.10

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猛烈な風の入道ヶ岳山頂

 

<メンバー>
サークル

 

<山域>

 

<コース>
椿大神社~井戸谷~入道山頂~二本松尾根~椿大神社

 

 このところ12月にしては記憶に無い程の寒い日が続いている。自宅から伊勢湾越しに見える鈴鹿山系は既に銀色に輝いている。頭の中では早くも雪山への憧憬がひろがる。前回の御在所の雪は、ほんの挨拶代わりのような雪だった。今回は本格的な鈴鹿の雪を求めて、サークルの仲間と入道ヶ岳へ出かけることに。

 

 ザックにワカンとヤッケを詰め、尻セード用にオーバーパンツまで着用、フル装備で椿大神社(つばきおおかみやしろ)に集合したが境内は穏やかな小春日和。雪の気配は当然無い。

 

 少々気が早かったかと思いながらも、入道の広々とした頂上の雪原を駆け回ることを想像しながらスタート。
 

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最初は雪は無し
 
 今日のコースは伊戸谷から。入道の最もオーソドックスなコースの一つだ。椿大神社の境内を抜け、河原のわきから冬枯れの谷を登って行く。
 
 最初は気楽に登っていたが、連日の仕事と毎週山に行っているので少し疲れ気味だ。背中のザックも重い。汗を滴らせながら急斜面を登って行く。

 

 スタート時間が遅かったので途中の平坦地で昼食にする。リーダーが前回に引き続き餃子を準備してくれた。寒いので体が温まる。

 

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 風の無い谷間で早めのランチ

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今日のランチは水餃子(あったかーい)

 

 昼食中に下山のパーティーがいくつか通り過ぎてゆく。頂上の様子を尋ねると結構雪が積もっているらしい。背中の装備が役に立つのか!と一人ほくそえみながら再び頂上を目指す。

 

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標高600m付近から雪がちらほら

 

 歩き始めるとすぐに雪線を越えたらしい。数センチにわたって雪が積もっている。場所によっては数十センチ積もっており、なれない雪の斜面に戸惑うメンバーもいれば、年齢を忘れて雪合戦に興じるメンバーもいる。流れ弾に当たらないように避けながら、シャッターチャンスを伺う。
 
 谷の向こうに徐々にスカイラインが広がり、青空の占める割合が多くなってくる。山を登っていて一番好きなひと時だ。振り返ると伊勢平野が眼下に広がり素晴らしい展望を見せてくれる。

 

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年齢を忘れて雪合戦

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もうすぐ頂上

 

 谷を詰めると馬酔木の群生する平坦地にでる。思ったより雪は少なく風が強い。今まで登ってきた谷をも見下ろしながら歩いて行くとすぐに見慣れた山頂の鳥居が現れる。
 
 なんと山頂部は茶色の芝生状態。雪は全く無い。そして立っていられないほどの強風。風速20m/s以上はあるだろうか。あまりの強風に雪がつかないのだろう。
 
 こんなところには30分といられるはずも無い。風でよたよたしながら何とか記念撮影。みんなを呼ぶのにも大声を張り上げなくてはいけない。

 

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眼下の伊勢平野

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強風で笑顔も凍ります

 

 ガスも無く、強風のせいで視界は良い。北側にはキラキラと輝く御在所、鎌ヶ岳が見えている。今日のメンバーは元気が良く、強風体験を楽しんでいるようだ。カメラを向けるとみんな笑顔になる。

 

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御在所、鎌がくっきり
 

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 強風でも笑顔、笑顔~

 

 15分もいるとさすがに体が冷えてくる。帰路を二本松尾根にとって下山することにする。途中のオオガレでは雪溜まりの下に断崖が広がっている。視界を無くしてさまよっていると危ないところだが、今日は絶好の見晴らし台となる。

 

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雪の下は絶景かな
(転ばないでね)

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雪の向こうの雲母峰

 

 下山は単調な尾根歩きからすぐに杉の植林帯に入る。風に杉が揺れ、ぎしぎし鳴っている。2次林の林と違ってどこかつまらなく感じる。早く降りて湯にでもつかりたいところだ。

 

 今日は夕方から四日市で忘年会。時間調整と暖をとるのに近くの秘湯へ。お客さんは地元の人ばかりで我々以外は皆顔見知りのようだ。他人の家の風呂に入っているような気恥ずかしさを感じながらも天然温泉に体ぽかぽか、お肌すべすべとなる。

 

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下山後は秘湯内山温泉で締め

 

 体をあっためた後は、仲間との楽しい宴会だ。どんな夜になるのか楽しみに、すきっ腹を抱えて四日市市街地に向うのであった。