晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

黒倉又谷 台高沢デビューは増水でヒヤリ 2007.07.22

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水と戯れる


<メンバー>

山仲間

 

<山域>
台高

 

<コース>
筏場-本沢川-黒倉又谷-(遡行)-営林小屋跡-(尾根歩き)-筏場



 はなごんさんから台高の沢へ一泊二日の泊まり遡行へ誘われた。むちゃくちゃ楽しみにしていたのだが、梅雨前線の悪あがきのせいで金曜の夜から土曜の朝にかけて激しい雨。仕方なく泊まりの沢はあきらめ、日帰りで台高の黒倉又谷へ出かけた。

 

 今日のメンバーは「はなごん」さんとはなごんさんの相棒の「T氏」さん。5時に針テラスへ集合し大台ケ原方面へ出発するも、まだ小雨がぱらつき低い雲が垂れ込めている。内心「ガスの中を増水にびびりながらの遡行になるのかな~」なんて考えていた。
針から2時間弱で駐車地である筏場に到着する。空は少し明るくなっており少し期待が持てる。足元を流れる本沢川は水量が多そうに見えるが濁ってはおらず、なんとか大丈夫か。川沿いに登山道を歩き黒倉又谷出会いまで進む。
 

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本沢川(水は濁っていない)

 

 黒倉又谷出会から少し巻いて入渓。いきなり釜を泳がないといけない斜瀑に行く手を阻まれる。WEBの遡行記録では泳いで難なく突破しているが、この日は水量が多く、水温も低い。はなごんさん、T氏さんが相次いで挑戦するもはじき返されてしまう。私は完全に怖気づきさっさと巻きを選択。

 

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泳いでトライするも

 

 その上も廊下帯になっていて一枚岩の上を流れる斜瀑や深い釜を持った滝があらわれる。水量は多く、水しぶきが飛んでいる。とても登れたものでは無いので巻いて突破。でもこの間、はなごんさんとT氏さんは果敢に挑戦、懸垂で降りたり、ロープで確保したりしているとあっという間に時間が過ぎていった。

 

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すごい水流~

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深い釜

 

 一抱え以上もある大木が流木になって突き刺さっている滝に到着。木の上を伝って突破しようとするが、滑るし、木がくるりと回っても怖いので木の横を通過。このあたりまでは常に緊張を強いられ、体が思うように動かなかった。水量が多いと怖さを感じる。

 

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こんな太い木が流木に

 

 廊下帯を過ぎると滑滝の連続する癒し渓ゾーンに変わる。ドキドキしながら高巻く緊張ゾーンとは異なり、ご機嫌で水遊びが出来る。バシャバシャと水しぶきを上げながら登って行くのは楽しい~。いつの間にか青空も見えてきた。ついてるな~。

 

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滑滝の上で休憩

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しぶきの中のはなごんさん

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思わぬ太陽が!

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いい雰囲気に


 程なくコバルトブルーの大きな釜が現れる。元水泳部としてはここは泳ぐべきで、はなごんさん、T氏さんからも声援が上がるが、寒かったのと水量が多かったので泳ぎはパス。華麗な泳ぎは次回に置いておく事に。

 

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コバルトブルーの釜


 やさしい雰囲気になり安心してくるとようやく体も動き出した。私も果敢に滝登りを試みる。今日はハイパーVで通しているが足元もそこそこ大丈夫だ。周りの景色に目をやる余裕が出てくると見上げるような巨木が現れる。よくみると大きな石の上に根付いている。日本有数の多雨地帯である台高は森のスケールも違う。巨木の前で記念撮影。

 

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癒される~

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ファイト~

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なんだかすごい流れ

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巨木

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ご機嫌~!


 滝をどんどん直登して進んで行く。ホールドの多い小滝は軽く突破。川の真ん中に大きな石が詰まる箇所が現れた。ここは右側のチムニーを突破。

 

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これくらいは軽く

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直登にトライのT氏

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右のチムニーから


 お昼を過ぎてそろそろくたびれてきたかなという所でお昼ゴハンにする。川トンボがあたりを飛び交いのんびり。太陽を浴び、冷えた体を温める。

 

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カワトンボ

 

 大きな滝を越えると造林小屋の廃墟が現れた。遡行はここで終了。ここから右の斜面を這い上がり、植林の仕事道をたどりながら下山。仕事道は薄く、途切れがちになり何度も見失う。急斜面のトラバースを繰り返し、最後ははっきりとした踏み跡を見つけて白倉又谷と黒倉又谷の中間地点にでた。よかったよかった。

 

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これは巻き


 車に戻る手前で3人で記念撮影。最初の増水でどうなることかと思ったが、楽しい遡行だった。やっぱり台高の沢はスケールが大きくて面白い。ここまでつれてきてくれたはなごんさん、T氏さん、どうもありがとうございました。またよろしくお願いしますね。

 

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終点でスリーショット