晴山雨読記 Vol2

沢登り、雪山、時々山登りの備忘録

本沢川黒倉又谷 台高デビュー沢再訪 2009.09.06

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泳いで取りつき

 

<メンバー>
山仲間

 

<山域>
台高

 

<コース>
筏場~黒倉又谷~小屋跡~杣道~筏場


 下多古の翌日もヤブコギのTさんから沢のお誘い。せっかくなので同じく連チャンになるがEちゃんにも声をかけ、ヤブコギのKさんにも声をかける。急造4人パーティーで出かける先は台高の黒倉又谷。

 

 ここは2年前、はなごんさんに連れて行ってもらった台高の沢デビューの地。鈴鹿の沢には無いスケールの大きさ、滝や淵の美しさに感動したものだ。私を除く3人は行った事がないというので是非案内したくなったのだ。

 

 下多古からの帰りに立ち寄ってからわずか15時間後に再び針ICに集合、榛原でEちゃんをピックアップして筏場を目指す。今日はスタートがゆっくりなせいか、筏場にはすでに数台の車が止まっている。さっそく準備をし、橋を渡って黒倉又谷出合を目指す。

 

 ところどころ崩れている筏場道を本沢川沿いに歩き、橋が出てきたところが黒倉又川。最初は釜を泳いで溝のような滝に取りつく。ここは前回水量が多くて断念したところだが、今回は余裕だ。

 

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スタートから泳ぎを強いられる

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Kさん、軽快な泳ぎ

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Eちゃん、今日も好調

 

 しかし、この上はツルツルのスラブ状の滝があり、超えるのは難しい。右岸を直上し巻き道に逃げることにする。この巻きあがりもツルツルの岩なので空身で沢靴のフリクションを効かせながら慎重に登る。後続のためにロープを固定する。

 

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ツルツルなので巻き

 

 巻き道で滝を二つばかりやり過ごすが、いずれも深い釜を持っており突破するのであればかなりの実力がいるだろう。覗き込むと吸い込まれそう。

 

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巻きの途中から見た釜

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これも左から

 

 最初の廊下を越えると渓相は穏やかになりナメ滝が現れる。いきなりの泳ぎと巻きで緊張の連続だったKさん。ここまで来るとホッできたようだ。

 

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ナメが現れる

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倒木が堰堤のようになっている

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ようやく緊張の解けたKさん

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快調に進む

 

 ナメを快調にこなしていくと10mの大釜が現れた。ここは元水泳部の本領発揮とばかりにロープを引っ張って泳いでいくが、後続がちゃんとロープを握っていなかったので再びロープを投げ下ろすことに・・。何やってんだか。

 

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ここも泳いで取りつき

 

 ここは植林の多い台高の中にあっても美しい自然林が残っており、日本庭園のような美しさだ。Kさんも沢歩きに慣れてきたようで順調の小滝をクリアしていく。

 

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ナメと

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癒しの森

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Tさんも快調

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少し慣れてきたKさん

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レンズの水滴に虹が

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直登できるのが楽しい

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これも直登

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自然林が残っている

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岩の上に根付く巨木

 

 一旦、ゴーロ歩きとなるがやがて後半戦のハイライトになる連瀑が現れる。最初の2段までは流れの中を直登するが、3段目は左から巻きあがる。この巻きが泥つきのルンゼになっていてズボンがドロドロになってしまった。

 

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後半戦のハイライト

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2段目までは流れを上がる

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これは左から巻き

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落ち口より

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結構高さがあるなあ

 

 後は小滝をいくつかやり過ごしながら平流の中を歩く。辺りに植林が増えだし、左手に朽ちた小屋が見えてきたら遡行終了。ここで少し遅めのお昼ご飯を食べながら、お互いの健闘をたたえあう。

 

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ゴールはまだかな

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朽ちた小屋跡がゴール

 

 ご飯の後、少し小屋を覗いたが結構規模の大きい小屋で大きな五右衛門風呂も残っていた。これだけ広大な山の中に林道を切り開き、急斜面に植林をしていった先人たちのパワーにはいつも恐れ入ってしまう。

 

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五右衛門風呂の跡

 

 帰りは左岸の斜面についている水平の仕事道をたどる。途中、ややこしい分岐もあったが忠実に黒倉又側の斜面を歩いていくと筏場駐車地から5分くらいの場所に飛び出した。車に戻るとKさんが冷えたジュースを準備してくれていたので乾杯。無事終わってよかったよかった。

 

 今回の沢、2年ぶりの再訪となったが、やっぱり本沢川界隈の美しさはピカイチだった。ロープも積極的に使っていいトレーニングにもなった。同行していただいたTさん、Kさん、Eちゃん、ありがとうございました。